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猩々編2
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「くっ」
放たれた光の方向を見た一刀はそこに見覚えのある人影を見た。
スレンダーな体型ながら出るところは出ている身体を黒の際どいカットのハイレグレオタードで締め上げ、同色のロンググローブとヒールの高い膝まであるロングブーツ、黒いタイツで優美なラインを作り上げ、淫靡なオーラを放つ。
左右一体となった肩当てからは表黒裏赤のマントが下がり、身体の輪郭を一層引き立てる。
ショルダーオフの胸元は、豊満な乳房を隠すことが出来ず、深い谷間と横から乳房の輪郭を見せつけ、縁に付いたファーがそれらをより際立たせる。
くびれた腰に左手を添え、右手には檜扇を持って妖艶なポーズを決める様は正に女王だ。
顔は雅の物だがおっとりした垂れ目ではなく切れ長の瞳となりその眼差しは険しく、眉のラインもきつい角度をとり傲慢とも思えるほど強い自我を隠そうともしない。
そして艶やかで風に舞うほどサラサラな前髪と後ろ髪の間からは本物のウサ耳がピンと立っている。
「玉兎」
突然現れたバニーガールに向かって一刀は彼女の名前を言う。
かつて雅がその身体の中に取り込み封印した妖魔だった。
普段は封印によって雅の心の奥底に眠っているが、雅の力が弱まると意識を乗っ取って現れる。
「全く、其方らは考えが甘いの。いつも危機に陥ってばかりではないか」
「うぐっ」
事実を付かれて一刀は歯がみした。
一刀も雅も十分な力量を持っているが、経験不足の為か妖魔に遅れを取ることが多く、危機に陥り玉兎が顕在化することが最近多かった。
「まあよい。その話しは後にして、まずは猩々を何とかせねばの」
玉兎が言っている間にも猩々は岩を投げ玉兎の元へ飛んで行く。
「ふん」
だが、玉兎は右手に持った檜扇を開き軽く一振りすると、先端から光弾が生まれ飛んできた岩を全て粉々にしてしまった。
「ほほほ、谷を挟んでの投げ合いかのう。少々、趣に欠けるが付き合ってやろうぞ。妾が飽きぬうちに済ませよ」
そう言うと玉兎は開いた檜扇を横で水平に構え左手を下に添えると間に光弾を形成した。
長い両脚を広げヒールが突き刺さるほど地面に強く踏み込みくびれた腰を捻り胸を揺らしながら腕を振り、光弾を猩々に向けて投げた。
向かってくる光弾に対して猩々は近くにあった岩を掴むと抗がんに向かって投げる。
光弾と接触した途端、巨大な爆発が起き、空中に光の華が咲き、周囲に破片と煙を撒き散らしながら地上へバラバラと落ちていった。
更に猩々は二投目を素早く玉兎に向かって投げる。
「ほほう。中々に素早い」
一発目の煙の中から二投目の岩が出てくると、玉兎は再び檜扇を振り光弾を飛ばして二投目を撃破する。
そして流れるように再び振り、今度は猩々に向かって光弾を放ち、再び猩々が迎撃する。
これが暫く続いた。
玉兎は檜扇を振り、身体を捻って舞うように光弾を放ち続ける。
後ろ髪を纏めたポニーテールは紐のように宙を舞い曲線を描き、マントは動きが激しく時にはだけ、白い陶磁器のような艶めかしい背中を見せる。
ショルダーオフのレオタードから零れ落ちそうになるほど胸を張り、くびれた腰を動かして、丸く白い尻尾が空間で絵を描くほど回す。
際どいカットのハイレグからスラリと生える細い両脚は時折妖艶に曲がりつつ、地面にステップを刻む。
それでも端正な顔は時に傾げて首筋を晒すも猩々に向け続け、口元に余裕の笑みを浮かべ、瞳は傲慢な光を放ち続ける。
妖しく黒光りするロンググローブに包まれ優雅な動きで曲がる手首と肘が檜扇を蝶のような可憐に動かし光弾が放たれ、その度に七色の光が玉兎の身体を照らし彩りを添える。
可憐で淫靡な舞の様な動きをしつつ玉兎は光弾を放ち続ける。
一方の猩々は焦燥感が徐々に高まる。
幾つも放たれる光弾を迎撃する以外に方法が無くなってしまったからだ。時折連続で投げて相手に向かってぶつけようとするが、容易く迎撃される。
遂に周囲の岩が無くなり、遂に自分の精気を砲丸状にして投げ始めるが状況は変わらない。
こちらは精気を削り続けてだいぶ消耗しているのに、向こうはずっと精気で形成した光弾を投げ続けているのに衰える気配がしない。
しかし、ここで投擲を止めたら、光弾が自分に当たってしまう。暫くは投げ続けるしか無かった。
その時、不意に玉兎の光弾が止まった。
理由は分からないが、逃げる機会が生まれた猩々は何個か玉を放り投げると逃走に入った。
「はあっ」
そこへ一刀が駆け寄りすれ違い様に抜刀して猩々を斬り伏せた。
「全く、やってくれたよ」
斬られて絶命し精気が霧消していく猩々を見ながら一刀は呟く。
猩々へ光弾を次々と放ち迎撃させることで足止めさせる。
同時に光弾を投げている玉兎に意識を向けさせることで一刀が山を駆け抜けて猩々の元へ近寄り、斬り伏せた。
一刀も逃げやすい尾根に近い方向から回り込み待ち伏せしたが、絶妙のタイミングで攻撃を止めた玉兎にも感謝だ。
「礼をしないとな」
と呟いた時、この後玉兎と交わらなければならないことを思い出して、赤面し情けない気持ちになる。
玉兎を再封印するには玉兎の中で眠っている雅に精気を注ぎ、封印の力を回復させなければならない。そのためには性交をして一刀の精気を注ぎ込む必要がある。
雅を助ける為とはいえ恩人に性交を強要しなければならないはめに。
「まるで強姦魔だ」
妖魔相手に強姦が成立するか、人間で無いから獣姦になるのかと少し自己問答をしたため、直前まで攻撃に気が付かなかった。
「!」
何かが接近し短刀いや警棒のような物を突き出して一刀の急所を叩こうとしていた。
慌てて一刀は避けて寸前で回避するが、体勢を崩して地面に倒れ込む。
そして自分を攻撃した相手を見てその名を叫んだ。
「玉兎」
放たれた光の方向を見た一刀はそこに見覚えのある人影を見た。
スレンダーな体型ながら出るところは出ている身体を黒の際どいカットのハイレグレオタードで締め上げ、同色のロンググローブとヒールの高い膝まであるロングブーツ、黒いタイツで優美なラインを作り上げ、淫靡なオーラを放つ。
左右一体となった肩当てからは表黒裏赤のマントが下がり、身体の輪郭を一層引き立てる。
ショルダーオフの胸元は、豊満な乳房を隠すことが出来ず、深い谷間と横から乳房の輪郭を見せつけ、縁に付いたファーがそれらをより際立たせる。
くびれた腰に左手を添え、右手には檜扇を持って妖艶なポーズを決める様は正に女王だ。
顔は雅の物だがおっとりした垂れ目ではなく切れ長の瞳となりその眼差しは険しく、眉のラインもきつい角度をとり傲慢とも思えるほど強い自我を隠そうともしない。
そして艶やかで風に舞うほどサラサラな前髪と後ろ髪の間からは本物のウサ耳がピンと立っている。
「玉兎」
突然現れたバニーガールに向かって一刀は彼女の名前を言う。
かつて雅がその身体の中に取り込み封印した妖魔だった。
普段は封印によって雅の心の奥底に眠っているが、雅の力が弱まると意識を乗っ取って現れる。
「全く、其方らは考えが甘いの。いつも危機に陥ってばかりではないか」
「うぐっ」
事実を付かれて一刀は歯がみした。
一刀も雅も十分な力量を持っているが、経験不足の為か妖魔に遅れを取ることが多く、危機に陥り玉兎が顕在化することが最近多かった。
「まあよい。その話しは後にして、まずは猩々を何とかせねばの」
玉兎が言っている間にも猩々は岩を投げ玉兎の元へ飛んで行く。
「ふん」
だが、玉兎は右手に持った檜扇を開き軽く一振りすると、先端から光弾が生まれ飛んできた岩を全て粉々にしてしまった。
「ほほほ、谷を挟んでの投げ合いかのう。少々、趣に欠けるが付き合ってやろうぞ。妾が飽きぬうちに済ませよ」
そう言うと玉兎は開いた檜扇を横で水平に構え左手を下に添えると間に光弾を形成した。
長い両脚を広げヒールが突き刺さるほど地面に強く踏み込みくびれた腰を捻り胸を揺らしながら腕を振り、光弾を猩々に向けて投げた。
向かってくる光弾に対して猩々は近くにあった岩を掴むと抗がんに向かって投げる。
光弾と接触した途端、巨大な爆発が起き、空中に光の華が咲き、周囲に破片と煙を撒き散らしながら地上へバラバラと落ちていった。
更に猩々は二投目を素早く玉兎に向かって投げる。
「ほほう。中々に素早い」
一発目の煙の中から二投目の岩が出てくると、玉兎は再び檜扇を振り光弾を飛ばして二投目を撃破する。
そして流れるように再び振り、今度は猩々に向かって光弾を放ち、再び猩々が迎撃する。
これが暫く続いた。
玉兎は檜扇を振り、身体を捻って舞うように光弾を放ち続ける。
後ろ髪を纏めたポニーテールは紐のように宙を舞い曲線を描き、マントは動きが激しく時にはだけ、白い陶磁器のような艶めかしい背中を見せる。
ショルダーオフのレオタードから零れ落ちそうになるほど胸を張り、くびれた腰を動かして、丸く白い尻尾が空間で絵を描くほど回す。
際どいカットのハイレグからスラリと生える細い両脚は時折妖艶に曲がりつつ、地面にステップを刻む。
それでも端正な顔は時に傾げて首筋を晒すも猩々に向け続け、口元に余裕の笑みを浮かべ、瞳は傲慢な光を放ち続ける。
妖しく黒光りするロンググローブに包まれ優雅な動きで曲がる手首と肘が檜扇を蝶のような可憐に動かし光弾が放たれ、その度に七色の光が玉兎の身体を照らし彩りを添える。
可憐で淫靡な舞の様な動きをしつつ玉兎は光弾を放ち続ける。
一方の猩々は焦燥感が徐々に高まる。
幾つも放たれる光弾を迎撃する以外に方法が無くなってしまったからだ。時折連続で投げて相手に向かってぶつけようとするが、容易く迎撃される。
遂に周囲の岩が無くなり、遂に自分の精気を砲丸状にして投げ始めるが状況は変わらない。
こちらは精気を削り続けてだいぶ消耗しているのに、向こうはずっと精気で形成した光弾を投げ続けているのに衰える気配がしない。
しかし、ここで投擲を止めたら、光弾が自分に当たってしまう。暫くは投げ続けるしか無かった。
その時、不意に玉兎の光弾が止まった。
理由は分からないが、逃げる機会が生まれた猩々は何個か玉を放り投げると逃走に入った。
「はあっ」
そこへ一刀が駆け寄りすれ違い様に抜刀して猩々を斬り伏せた。
「全く、やってくれたよ」
斬られて絶命し精気が霧消していく猩々を見ながら一刀は呟く。
猩々へ光弾を次々と放ち迎撃させることで足止めさせる。
同時に光弾を投げている玉兎に意識を向けさせることで一刀が山を駆け抜けて猩々の元へ近寄り、斬り伏せた。
一刀も逃げやすい尾根に近い方向から回り込み待ち伏せしたが、絶妙のタイミングで攻撃を止めた玉兎にも感謝だ。
「礼をしないとな」
と呟いた時、この後玉兎と交わらなければならないことを思い出して、赤面し情けない気持ちになる。
玉兎を再封印するには玉兎の中で眠っている雅に精気を注ぎ、封印の力を回復させなければならない。そのためには性交をして一刀の精気を注ぎ込む必要がある。
雅を助ける為とはいえ恩人に性交を強要しなければならないはめに。
「まるで強姦魔だ」
妖魔相手に強姦が成立するか、人間で無いから獣姦になるのかと少し自己問答をしたため、直前まで攻撃に気が付かなかった。
「!」
何かが接近し短刀いや警棒のような物を突き出して一刀の急所を叩こうとしていた。
慌てて一刀は避けて寸前で回避するが、体勢を崩して地面に倒れ込む。
そして自分を攻撃した相手を見てその名を叫んだ。
「玉兎」
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