妖魔特捜刑事 宇佐美白百合 人々を悦楽に落とし操る媚薬フラワーハニーを追え

瀬緋 令祖灼

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フラワーハニーによって従属する遼子

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「ぎゃあっ」

 正面から遼子のパンチが入った。
 強烈な衝撃で男の鼻は潰れ鼻血がボタボタと流れ出る。

「な、何するんだ。ぐへっ」

 間伐入れず遼子は混乱する男に二発目のパンチを入れる。
 今度は顎に入り、歯が、二、三本落ちてしまい、床に乾いた響きを奏でる。

「ああああっっっっ」

 男は激痛で顔を両手で覆い呻く。

「遼子、やり過ぎだ」

 更に男に一発入れようとした遼子を課長は止めた。

「指を折る程度に済ませるんだ」

「はい」

 遼子は嬉しそうに答えると言われたとおり、顔を押さえる男の腕を無理矢理絡め取る。

「や、やめろ!」

 男は抵抗するが、元々身体能力、格闘技能が遼子は高い。
 まして課長が打ったフラワーハニーによってさらに身体能力が高まっている遼子の前には赤子同然だった。
 捕まった男の腕が伸ばされ遼子の身体に引き寄せられる。
 裸の遼子の肌は柔らかく気持ちよかったが、嵐の前の静けさ、悪魔の抱擁、地獄の前の慈悲に近いことを男は分かっており、とても楽しむ気にはなれない。
 実際、遼子は素早く関節を極めてきた。

「ぎゃああああああっっっ」

 間接決まり、遼子が少しねじっただけで男の腕と肩全体に激痛が走る。

「ぎゃあああああっっっっっ」

 悲鳴が狭い室内に木霊し、気絶していた幹部達が起き上がってしまった。
 だが、目の前で展開される地獄絵図に、気が遠くなり再び気絶しそうになる。

「よ、よせ、ぎゃっ」

 指を折ろうと遼子は男の指を無理矢理伸ばす。

「や、止めてくれ! 頼む! ぎゃあああっ」

 男の哀願も無視して遼子は指を折った。
 普段の遼子なら犯罪者相手でもここまではしない。
 しかし、フラワーハニーによって操られている今は課長の忠実な犬だった。

「勘違いするな。私の干渉がなければ貴様らなどとっくの昔に牢屋行きだったんだぞ。組織の命令で手駒として生かしているんだ。キリキリ働け」

「は、はい」

 男は頷き改めて課長に従った。
 言うことを聞くようになったのをみて課長は遼子に指示を出した。

「君の為に組織から手に入れた衣装と装備が奥にある。こいつを離した後、付いていって、それを着てくるんだ」

「はい」

 フラワーハニーによって従順になった遼子は課長の指示に従って奥へ消えていった。

「さて、捜査官はどうやって追い返すかな」

 指揮系統は別であり、追い返すのは難しい。
 このまま遼子を押しつけて、監視させる。だが、何時までいるか分からない。

「遼子に不意打ちで始末させるか」

 課長が考えていると、背後から誰かが入ってくる音がした。
 聞き慣れたヒールの音。

「まさか」

 振り返ると、白百合が部屋に入ってきた。
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