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後始末
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「もう終わりよ」
垂から抜け出そうともがく鬼の元へ、美羽は一度屈んだ後、黒タイツに包まれた足を一気に伸ばし跳躍する。
近くに着地するとヒールの音を甲高く奏でながら鬼に接近していく。
飾り紐に吊していた剣をグローブに包まれた指で再び握り、頭上へ高々と振り上げる。
「成敗!」
鬼に近づくと一挙に振り下ろし、鬼を両断した。
あまりの高速で振り下ろしたために、剣から衝撃波が生まれ、鬼の身体を直撃しハンマーの様に潰してしまう。
「がああっ」
鬼の身体は潰れ、断末魔の悲鳴を残すとやがて塵となり消えていった。
「凄い……」
その様子を見ていた裕樹は圧倒され、思わず呟いた。
あの強い鬼を一方的に制圧する凄まじい力に恐怖もしたが、バニースーツで引き出された美しい身体を躍動的に動かし、髪を踊らせ、タイツに包まれた長い足で跳ね、グローブに包まれた剣を操る動作に魅入られ、そこに美を見いだした。
光沢のある布地表面が星明かりを妖しく照り返し、身体を浮き上がらせ、動作をより一層際立たせていたことも強く印象に残った。
「終わった……」
鬼を成敗した美羽は安堵の溜息を吐いた後、振り返って裕樹を見た。
踵を軸にターンする姿も、髪をなびかせくびれた腰を捻り魅惑的なボディーラインを周囲に見せつけるようで神々しいまでに美しかった。
そして再び裕樹の元へ向かって歩き出した。
スーツからむき出しになった太ももを前後に動かし、くびれた腰を赤いリボンと共に揺らし、豊満な胸を躍らせながら歩く姿はファッションショーのモデル達より魅力的だった。
だが先ほどまでのような甲高いヒールの音では無く、軽やかな鈴のような心地の良い音に裕樹は感じた。
そして、裕樹の前に来ると立ち止まって慈母のような瞳で尋ねた。
「大丈夫ですか? 身体は動きますか?」
「え、ええ」
先日とは違う魅力的な笑みに、思わず裕樹は反射的に答えてしまい身体を起き上がらせた。
先ほどまでの痛みも無く身体が自由に動かせる事に今更ながら裕樹は驚いた。
「良かった」
裕樹の返事と動きに美羽は穏やかな笑みを浮かべ喜んだ。
だが、神々しい雰囲気は此処までだった。
「それで……一寸ご相談があるのですが……」
美羽は顔を赤らめ、手を後ろに回し、恥ずかしそうに身体を震わせながら尋ねた。
「何でしょう?」
「……実は、この姿に変身してしまいましたので、昨日のようにして貰わないと解除出来ないので……昨日の様にお願いできますか?」
「勿論です!」
裕樹は力強く頷くと美羽ははじけるような笑顔をして裕樹に飛び込んだ。
垂から抜け出そうともがく鬼の元へ、美羽は一度屈んだ後、黒タイツに包まれた足を一気に伸ばし跳躍する。
近くに着地するとヒールの音を甲高く奏でながら鬼に接近していく。
飾り紐に吊していた剣をグローブに包まれた指で再び握り、頭上へ高々と振り上げる。
「成敗!」
鬼に近づくと一挙に振り下ろし、鬼を両断した。
あまりの高速で振り下ろしたために、剣から衝撃波が生まれ、鬼の身体を直撃しハンマーの様に潰してしまう。
「がああっ」
鬼の身体は潰れ、断末魔の悲鳴を残すとやがて塵となり消えていった。
「凄い……」
その様子を見ていた裕樹は圧倒され、思わず呟いた。
あの強い鬼を一方的に制圧する凄まじい力に恐怖もしたが、バニースーツで引き出された美しい身体を躍動的に動かし、髪を踊らせ、タイツに包まれた長い足で跳ね、グローブに包まれた剣を操る動作に魅入られ、そこに美を見いだした。
光沢のある布地表面が星明かりを妖しく照り返し、身体を浮き上がらせ、動作をより一層際立たせていたことも強く印象に残った。
「終わった……」
鬼を成敗した美羽は安堵の溜息を吐いた後、振り返って裕樹を見た。
踵を軸にターンする姿も、髪をなびかせくびれた腰を捻り魅惑的なボディーラインを周囲に見せつけるようで神々しいまでに美しかった。
そして再び裕樹の元へ向かって歩き出した。
スーツからむき出しになった太ももを前後に動かし、くびれた腰を赤いリボンと共に揺らし、豊満な胸を躍らせながら歩く姿はファッションショーのモデル達より魅力的だった。
だが先ほどまでのような甲高いヒールの音では無く、軽やかな鈴のような心地の良い音に裕樹は感じた。
そして、裕樹の前に来ると立ち止まって慈母のような瞳で尋ねた。
「大丈夫ですか? 身体は動きますか?」
「え、ええ」
先日とは違う魅力的な笑みに、思わず裕樹は反射的に答えてしまい身体を起き上がらせた。
先ほどまでの痛みも無く身体が自由に動かせる事に今更ながら裕樹は驚いた。
「良かった」
裕樹の返事と動きに美羽は穏やかな笑みを浮かべ喜んだ。
だが、神々しい雰囲気は此処までだった。
「それで……一寸ご相談があるのですが……」
美羽は顔を赤らめ、手を後ろに回し、恥ずかしそうに身体を震わせながら尋ねた。
「何でしょう?」
「……実は、この姿に変身してしまいましたので、昨日のようにして貰わないと解除出来ないので……昨日の様にお願いできますか?」
「勿論です!」
裕樹は力強く頷くと美羽ははじけるような笑顔をして裕樹に飛び込んだ。
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