上 下
83 / 156
閑話

とある天才少女達の発明品 1

しおりを挟む

「ば、馬鹿な! ありえんじゃろ!! 一体何が起こっているのじゃ??」
 
 いつも通りの時間に目を覚まし研究に使う材料を取りに近所を散歩をしている時、我はこの世界に大きな異変が起こった事に気付いた。
 
「淀魔素濃度が低下しておるじゃと? 近くで大きな災害でも発生したのか? いや、それは流石に早すぎる。
 ここら一体の魔素は融合をする程ではなかったしのぅ……もしや自然に濃度が薄まったのか?」
 
 いやいや、それこそありえんじゃろ。 魔素が自然に消える事などない、誰かが人工的に消したと考える方が百倍可能性がある。

 だとすれば一体誰じゃ? ユミアルテのケインか? それともアーレスクのマリンか? 
 
 いや、彼奴らは確かに優秀じゃがそれはあくまで人間レベルじゃ。 我に比べればまだまだ馬鹿で未熟じゃし……うむ、全く心当たりがないのぅ。
 

 良く良く考えれば我の長年の悲願の一つでもある魔素濃度の操作をたかが人間に出来るとは思えん。 
 それに仮にそんな事が出来たら其奴は我より優秀と言う事になるしのぅ、我の作り上げたこの箱庭でそんな存在が生まれる訳はないのじゃ。 
 つまり可能性の低い方が真実って事じゃ。
 
「これはあくまで偶然の産物、8千年も時間が経過すればこんな事が起こる日もあるって事にしておこうかの。 まだまだ我にもわからぬ真理が世界にはあるって事じゃ。 ふふっ、研究のしがいがあるのぅ」
 
 明日になればいつも通り淀魔素濃度は増していく。
 そうなって当然だと、この日は納得し我は目当ての物を採取して家へ帰る事にした。
 
 
 だから翌日再度その場所に着いた時、我は自分の考えが初めて外れた事に心底驚いた。
 


「……う、嘘じゃろ?」
 
 常に増していく筈の淀魔素濃度は昨日から一切の変動をしていなかった。
 
「な、何がどうなっておるのじゃ。 意味がわからん!!」
 
 初めて目撃する摩訶不思議な現象に我の頭の中は興奮と混乱でごちゃまぜになっていた。
 
「お、落ち着くのじゃリアメストよ。 わ、我はこの世界の創造主じゃぞ? こういう時は冷静に何が起こっているのか確かめれば良いのじゃ、そうじゃろ??」
 
 パンクしそうな自分に言い聞かせるように呟き、我は大きく深呼吸をした。
 
「ふぅー、そうじゃ、我は天才魔女なのじゃ。 もし本当にこの現象が人工的に作られた物だとしても落ち着いて対処すれば誰が何をしたのかを調べるなぞ造作もない。
 あやつに聞けば直ぐに答えは出るのじゃしな」
 
 我は直ぐに目を瞑り意識を集中させて心の中で話かけた。
 
 
「おい、この星よ。 最近世界に起こった出来事を教えるのじゃ」 

「はぁ? 何よ、急に! 嫌よ。 今はそれどころじゃ無いし、その言い方も気に食わないわ」
 
「えっ……いや、我創造主ぞ? そう言うの良いから早く教えてくれない??」
 
 脳内に響く女の声に我は再び声をかける。
 
「はぁ? いつの話してるの? いつまでも母親振るの辞めてもらえるかしら?
 私の中で生きてる癖に! 頼む時にはそれなりの言い方があるでしょ??」
 
 ぐっ、この腐れ星め。 アバンの王子が死んでからずっと反抗期になりおって! ……まぁここは大人な我が折れてやろう。
 
「わ、わかったのじゃ。 我の言い方が悪かったのは認めるとしよう。 謝るから教えては貰えないじゃろうか? 最近のこの世界の出来事について」
 
「謝ってないじゃない、騙されないわよ??」
 
「すまんかったって! ごめんなさい、我が悪かったです! 申し訳ございませんでした!!」
 
 くそ、なぜ我が謝らなくちゃならないのじゃ、全く!
 
「全然誠意が感じられないけど、謝ってくれただけマシね。 成長したじゃないお母様」
 
「う、上から目線なのは腑に落ちないが、まぁ良い。 では教えてもらえるか?」
 
「だめー! 教えないわよ! 元々私忙しいって言ったでしょ? 謝られても教えませーん!!」
 
 ……このクソ星いつか絶対滅ぼしてやるわ! 最高に煽ってる顔してるし! いや、顔ないけど!! そんな気がする! 絶対ニヤニヤしてる!
 

「あはは、冗談よ。 そんな怖い顔しないで。 お母様ったら最近全く話しかけてくれないから、ちょっと拗ねてみただけなんだから」
 
「そ、そうじゃったのか。 それはすまん事をしたな、確かにお主は我としか話す事が出来ぬものな」
 
 急にしよらしい声を出す星に申し訳なくなってしまう。 
 同時に寂しい思いをさせてしまっていた事を我は反省した。
 
「……良いのよ。 自分の立場は弁えてるつもりだもの。 えーと、確か最近起きた出来事だったわよね? 
 抽象的すぎていまいちピンと来ないけど、お母様の事だからきっとあの事ね。
 ユミアルテ国のケインって人物を尋ねたら良いと思うわ」
 
「さ、流石話が早いのぅ、それにしてもまさかケインが……。 わかったのじゃ、今すぐ訪ねてみるとしよう! ありがとうのぅ!!」
 
「ふふっ、いってらっしゃい。 何かあったらまた話かけてね! じゃ!」
 
「わかったのじゃ! 本当にありがとうな!!」
 
 我はそう言い残し目を開けて急いで家に戻った。
 
 ふふっ、それにしてもまた話しかけて欲しいなど随分と可愛い事を言う様になったな。 ようやく長かった反抗期が終わったのかもしれん。
 し、仕方ないから今度からは月一回くらいは話をしようかのぅ。


 そんな事を考えながら最低限の旅支度をして、我はケインが滞在するユミアルテ国へと向かった。
 
 

 
 こうしてユミアルテに着いた我はケインの結婚式に参加するべく、そのまま1週間程滞在した。
 
 それにしても彼奴が結婚とはな、しかも相手が王族とは。 ふっ、柄にもなく緊張してしまったわい。 まさか我が人様の見届け人を務めるなんて思ってもなかったしのぅ。
 
 は、初めて人間の結婚式に参加したが中々に良い物じゃったな。 
 不覚にも我もいつか結婚してみようかと思ってしまったわい。 幸せになるんじゃぞケインよ、お主は我が認めた数少ない者の一人なんじゃからな。
 
 さてと用事も済んだ事じゃし、我も研究に戻るとするかのぅ。 我にはまだまだやりたい事が沢山あるしっ……。
 
 
 
 
「……って違うわっ!! おい、聞こえておるんじゃろ? 誰が弟子の結婚式に行きたいなんて言ったのじゃ! 全然違うわい!!」
 
「えっ? 違ったの?? てっきりお母様もそろそろ結婚したくなったから他人の式を一度見て見たいのかと思ったのだけど?? 
 それになんだかんだ楽しんでたじゃない、あの挨拶も良かったわよ。 私も感動しちゃったわ」
 
「ほ、本当か? いやー、そう言われると悩んで考えた甲斐があったのぅ………ごほん! 
 た、確かに楽しんでいたのは認める。
じゃが、我が求めてたのとは違うのじゃ。 その、わかるじゃろ? もっと世界にとって大きな出来事が最近あったじゃろ?」
 
「あー、そう言う事ね。 完全に理解したわ! ごめんなさい、悪気は無かったの。 次は大丈夫よ、お母様が求めてる事はマリンに会えば分かる筈よ」
 
「なるほど! そっちじゃったか! まぁ我も詳しく言ってなかったからな、わかりにくくてすまんかったぞ。 では早速会いに行ってくる、ありがとうのぅ」
 
 星との会話を終え、我はケインに別れを告げその足で急いでマリンの国へと向かった。
 
 多少時間をロスしたがまぁ間違いは誰にでもあるし、仕方ないのぅ。 それに決して無駄な時間ではなかったしのぅ。
 
 

 
 2日後、アーレスク国に着いた我はマリンの赤ん坊の出産に立ち会う事になった。
 

 ……まさかあのマリンが出産とはな。 ふむ、いつ見ても生命の生まれる瞬間というのは何とも形容し難い感情に襲われるもんじゃな。 
 それにあのマリンの娘となれば将来が楽しみじゃしな、まぁ母親に似て暴力的な女にならねば良いが。 
 
 わ、我にもし子が生まれたら名前は何にしようかのぅ? 
 迷うのぅ、帰ったら色々考えて見ても良いかもしれんなっ……。
 
 
 

 
「……いや、違うんじゃよ! だからこう言う事じゃないんじゃよ!!」
 
「う、嘘でしょ? だってあのマリンの出産よ? まさに天変地異級の出来事じゃない! それにお母様も出産時かなり驚いていたわよね? おどおどしてたじゃない、あんな慌てたお母様を見るのは初めてだったわよ?」
 
「……うん、まぁそう言う見方もあるかも知れんがな? もっとこう直接世界に関係する事があると思うんじゃが?」
 
「直接? あー! なるほどね!! じゃあの子しかいないわ、極東の国に佐倉咲って子が居るの。 あの子ならお母様が求めている答えを知っているわ」
 
「佐倉? 聞いた事ない名前じゃな? まぁじゃが今は名を知らぬ子の方が、信用できる気がして来たぞ。 訪ねてみるとしようかのぅ」
 
 マリンとその赤ん坊に別れを告げ、我は再びその地に向けて旅立つ事にした。
 
 

 
 ……だけど結局その佐倉と言う娘も我の求めていた答えを持ってはいなかった。
 
 それどころかこの先、星から紹介された10人程は全く関係のない人間達だった。
 
 


「……なぁ、もしやと思うがお主わざとやっておらんか?
 かれこれ2ヶ月全く関係ない事をしとる気がしておるんじゃが??」
 
「そんなわけ無いじゃない、たまたまよ。 まぁでももう2ヶ月なのね……うん、そろそろお母様の反応にも飽きてきたし、本命の名前を教えてあげるわ」
 
 ん? 今、飽きたって言った? 聞き間違いじゃよな? 
 
「暇潰しの割には楽しめたし、サービスで居場所も教えてあげる。 
 ルカの森に住む、ルカ・ルーレットって子を尋ねると良いわ」
 
 ……暇潰し??
 
 な、なるほどのう、これが殺意と言うものか。 
 どうやらこのクソ星の反抗期はまだ終わってなかったららしい。 
 
「じゃあそう言う事だから、しばらく話しかけて来ないでね? お気に入りのイケメンを見つけたから邪魔されたくないのよね。 バイバイ!」
 
「お、おい! 待つのじゃ! おい!!」
 
 ……うん、決めたわ。 いつか絶対滅ぼすのじゃ。
 
 
「はぁー、まぁとりあえずルーレットとやらに会いに行くとするか。 
 久しぶりに聞く名じゃが、ルカの木は随分前に調べ尽くしておるから、また嘘の可能性の方が高いじゃろうけど、かと言って他に当てもないしのぅ」
 
 

 こうして我は僅かな期待を胸にルカの森に住む、ルカ・ルーレットを尋ねる事にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

青い導火線 クセモノたちの狂詩曲

奈月沙耶
恋愛
高校生になって始まったのは騒がしい日々。 クセモノな先輩たちに振り回されて彼はたくましくなっていく。 やがて知る様々な思い、たくさんの思惑。 そして一生ものの恋が始まる――――。 始めは学園コメディですが後半恋愛色が強くなります。多角多面な恋愛模様がお好きな方は是非。 今後は「Lotus 便利屋はカフェにいる」に続きます。 ※2021/12/11~冒頭から文章とレイアウトの手直ししていきます。内容に変更はありません *登場人物 ・池崎正人 新入生。持ち前の行動力と運動能力で活躍するようになる。負けず嫌いで男らしい性格だが察しが悪い。 ・中川美登利 中央委員会委員長。容姿の良さと性格の特異さで彼女を慕う者は多いが恐れる者も多い。 ・一ノ瀬誠 生徒会長。美登利の幼馴染。彼女に動かされているようでいて、実はいちばん恐れられている。 ・綾小路高次 風紀委員長。堅物で融通が利かないが、意外な一面を持っていたりもする? ・坂野今日子 中央委員会書記。価値観のすべてを美登利を基準に置き絶対的に従っている。 ・船岡和美 中央委員会兼放送部員。軽快なトークが得意。 ・澤村祐也 文化部長。ピアノの達人。彼も幼い頃から美登利に心酔している。 ・安西史弘 体育部長。際立った運動能力の持ち主で「万能の人」とあだ名される。性格は奇々怪々。 ・森村拓己 正人の同級生で同じく寮生。美登利の信奉者。計算力が高く何事もそつなくこなす。 ・片瀬修一 正人の同級生。総合的に能力が高く次期中央委員長と目される。マイペースで一見感情が鈍いようにも見えるが。 ・小暮綾香 正人の同級生で調理部員。学年一の美少女。 ・須藤恵 綾香の親友。大人し気な様子だが計算力が高く、けっこうちゃっかりしている。 ・宮前仁 美登利と誠の幼馴染。市内の不良グループをまとめる櫻花連合の総長になるため北部高校に入学した経緯を持つ。 ・錦小路紗綾 綾小路の婚約者。京都に住んでいる。 ・志岐琢磨 喫茶ロータスのマスター。元櫻花連合総長。美登利たちの後ろ盾のような存在。 ・中川巽 美登利の兄。初代生徒会長。「神童」「天才」と称されるものの、人間的に欠けている部分が多い。それゆえに妹との関係を拗らせてしまう。 ・榊亜紀子 美大生。芸術に精魂を傾ける奇抜な性格の持ち主。 ・村上達彦 巽の同級生。生い立ちと持って生まれた優秀さのせいで彼もまた拗らせている。中川兄妹に出会って一層歪んでしまう。

田舎貴族の学園無双~普通にしてるだけなのに、次々と慕われることに~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
田舎貴族であるユウマ-バルムンクは、十五歳を迎え王都にある貴族学校に通うことになった。 最強の師匠達に鍛えられ、田舎から出てきた彼は知らない。 自分の力が、王都にいる同世代の中で抜きん出ていることを。 そして、その価値観がずれているということも。 これは自分にとって普通の行動をしているのに、いつの間にかモテモテになったり、次々と降りかかる問題を平和?的に解決していく少年の学園無双物語である。 ※ 極端なざまぁや寝取られはなしてす。 基本ほのぼのやラブコメ、時に戦闘などをします。

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜

鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。 誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。 幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。 ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。 一人の客人をもてなしたのだ。 その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。 【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。 彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。 そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。 そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。 やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。 ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、 「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。 学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。 ☆第2部完結しました☆

気づいたら隠しルートのバッドエンドだった

かぜかおる
ファンタジー
前世でハマった乙女ゲームのヒロインに転生したので、 お気に入りのサポートキャラを攻略します! ザマァされないように気をつけて気をつけて、両思いっぽくなったし ライバル令嬢かつ悪役である異母姉を断罪しようとしたけれど・・・ 本編完結済順次投稿します。 1話ごとは短め あと、番外編も投稿予定なのでまだ連載中のままにします。 ざまあはあるけど好き嫌いある結末だと思います。 タグなどもしオススメあったら教えて欲しいです_|\○_オネガイシヤァァァァァス!! 感想もくれるとうれしいな・・・|ョ・ω・`)チロッ・・・ R15保険(ちょっと汚い言葉遣い有りです)

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

召喚勇者の餌として転生させられました

猫野美羽
ファンタジー
学生時代最後のゴールデンウィークを楽しむため、伊達冬馬(21)は高校生の従弟たち三人とキャンプ場へ向かっていた。 途中の山道で唐突に眩い光に包まれ、運転していた車が制御を失い、そのまま崖の下に転落して、冬馬は死んでしまう。 だが、魂のみの存在となった冬馬は異世界に転生させられることに。 「俺が死んだのはアイツらを勇者召喚した結果の巻き添えだった?」 しかも、冬馬の死を知った従弟や従妹たちが立腹し、勇者として働くことを拒否しているらしい。 「勇者を働かせるための餌として、俺を異世界に転生させるだと? ふざけんな!」 異世界の事情を聞き出して、あまりの不穏さと不便な生活状況を知り、ごねる冬馬に異世界の創造神は様々なスキルや特典を与えてくれた。 日本と同程度は難しいが、努力すれば快適に暮らせるだけのスキルを貰う。 「召喚魔法? いや、これネット通販だろ」 発動条件の等価交換は、大森林の素材をポイントに換えて異世界から物を召喚するーーいや、だからコレはネット通販! 日本製の便利な品物を通販で購入するため、冬馬はせっせと採取や狩猟に励む。 便利な魔法やスキルを駆使して、大森林と呼ばれる魔境暮らしを送ることになった冬馬がゆるいサバイバルありのスローライフを楽しむ、異世界転生ファンタジー。 ※カクヨムにも掲載中です

処理中です...