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天才少女に出会ってしまった。

16話 大きくてぶ厚くて重くて大雑把な胸

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「えっと……ルカちゃん聞いてた? 私達は未来に帰るのよ? 言っておくけど、嘘じゃないからね??」
 
「ええ、嘘じゃないでしょうね。 未来から来たって話はダーリンからも聞いてたからいつか帰る事になるって言う貴方の話は疑ってないわ」
  
「だったらどうして? もしかしたら今すぐにでも帰る可能性があるのよ? そんな短い間だけの付き合いでルカちゃんは満足なの?」
 
 何処か心配そうに青蜜はルカに尋ねていた。
 
 確かにリアの話じゃおっさんが設定したって言う『条件』とやらを達成したら未来に戻れるって事だったし、早ければ今すぐにでも戻ってもおかしくはないもんな……まぁ逆にいつまでたっても戻れない可能性もあるけど。 
 ってかそっちの方がありえそうな気もするな、正直今の所は全く検討ついてないんだし。 
 
 あれ? だとしたらそれまでの間ルカとラブラブに過ごすのは悪くなかったりするんじゃ?
 
「短い間? そんなの満足するわけ無いじゃない。 ダーリンとはずっと一緒に居たいと思っているわ」
 
「だからそれは不可能なのよ! ルカちゃんがどう思っていても私達が未来に帰る日は必ず来るわ。 それは決定事項なの!! 私達は未来でやらなきゃいけない事があるんだから!! 
 そうよね、まどかちゃん!!!」
 
「えっ? あっ、うん。 そ、そうだったな」
 
 こ、怖っ! な、何で急にあんな怒ってるの? ……ルカとラブラブに過ごすのも悪くないとか考えてたからか?? 
 そうだとしても仕方ないじゃん! あんな可愛い子がずっと一緒に居たいとか言ってくれてんだぞ! 誰だって心揺れるだろ! 
 ってか未来の世界の事とかどうでも良くなっ。
 
「ねぇまどかちゃん、シャロさんにもう一回会わなくても良いの?」
 
 まるで睨み殺すかの様な青蜜の冷たい視線に思わず鳥肌が立つ。

「………まぁ、うん。 あー、そうだったよな。 俺達にはやる事が、やらなきゃいけない大切な事があったんだよな、うん」
 
「そうよね? 良かったわ、もしかして忘れてるんじゃないかと思ってたから。 私達はあくまで世界を救う為にここに、過去に来たのよね? ……つまりまどかちゃんも未来に帰るのよね??」
 
「い、嫌だなー。 忘れてるわけないだろ?」
 
 ……青蜜の殺気が痛い。 
 
 ってか完全にシャロさんの事忘れてた! そうだ、俺はシャロさんに伝えなきゃいけない言葉があったんだ!! 
 
 俺は視線を青蜜からルカへと向ける。
 
「ど、どうかしたの? ダーリン?」

 俺と目線を合わせたルカは恥ずかしそうにそう呟いた後、目をそらして俯く。
 
 本当に可愛いな、おい。 
 
 いや、だけど! 正直かなり勿体無いかも知れないけど! やっぱルカとは付き合えないよな、色々考えたけど生きてる時代が違うし歳もかなり離れてるしな。
 
「それどっちも私が言ったわよね?」
 
 そ、その点で言えばシャロさんは俺よりも歳上だし、時代も一緒だし、何より当たり前だけどルカよりかなり発育がいいし……ぶっちゃけ言うとシャロさんのおっぱいってかなり大きいんだよな。 
 
「……最低」
 
「……ねぇ? ずっと気になってたんだけど、完全に俺の思考読んでるよね? 何? 青蜜だけ新しい能力手に入れたの?」
 
「そんな訳ないじゃない。 全部顔に出てるのよ、まどかちゃんは分かりやすいから」
 
 いや、どう考えても分かりやすいのレベル超えてるだろ? 
 
「ふーん、な、なるほどね。 ダーリンはお、おっぱっ……胸が大きい人が好きだったのね」
 
 ……やっぱ俺が分かりやすいのかな?
 この展開さっきもあった様な気するし。
 
「そうみたいね。 ね、これでルカちゃんもわかったでしょ? まどかちゃんは男の中でも結構ダメな方なのよ? さっきまで貴方に傾いてた筈の脳内に一瞬で他の女が出てくるんだもの。 
 はぁー、まどかちゃんも結衣も何でこんなに胸なんかが好きなのかしら」
 
 おい、結衣ちゃんに聞こえたら青蜜でも殺されるぞ。 ってかダメな方って!! 
 
「わ、私だって後5年くらいしたら大きくなる筈だもん……」
 
「……まどかちゃん、謝りなさい」
 
「ごめんなさい」
 
 青蜜の謝罪要求を俺は速攻で受諾した。 
 目の前でルカが自身の平らな胸を触りながら涙目になっていたから。
 
「ほ、本当に本当なんだから! 私のママだって大きいしお婆ちゃんは写真でしか見た事ないけど、胸は大きかったわ!! 私もこれから絶対成長する筈よ! 
 だからダーリンは私の成長を一緒に見届けなさい!」
 
 顔を赤らめてルカは大声で叫びながら俺を指差す。
 
「ル、ルカちゃん? だからね、まどかちゃんも未来に帰るのよ。 残念だけどルカちゃんの成長見届けるのはっ」
 
「出来るわ!!」
 
「どうやって? もしかしてルカちゃんには、まどかちゃんをこのままこの時代に留めさせておく必殺技でもあるのかしら?」
 
 必殺技って言葉久々に聞いたな、リアルで使う人初めて見たわ。
 
「必殺技って……貴方自分で言ってて恥ずかしくないのかしら??」
 
「は、恥ずかしくないわよ!! ってかそんな事どうでも良いじゃない!! あるの? ないの??」
 
 顔真っ赤じゃねぇーか。
 
「そんなのあるわけないじゃない? 馬鹿なの??」

「………」
 
「いだぁっ!!!」
 
 え? 何で今蹴られたの俺? おかしくない? 
 
「ふー、じゃあ教えてもらえるかしら? まどかちゃんをこの時代に留めておく方法を」
 
 ふー。 じゃねぇよ! 俺のお尻をストレス発散に使いやがって!! 割と本気で骨折れたかと思ったじゃねぇーか!! 
 
「だからそんな方法無いって言ってるじゃない? え? 話聞いてた? 流石にお馬鹿さんでもわかると思うんだけど??」
 
「…………」
 
「あぎゃぁぁ!!!!」
 
 おいおいおいおいおいおい! 何の時間だよ、これ!! わざと? もしかしてルカさん、わざと青蜜煽って無い? だとしたら何で……って心当たり有り過ぎてわからねぇーわ。

 
「ル、ルカ。 俺が悪かったからさ、話続けてもらって良いかな??」 
 
「じ、じゃあせ、成長するって信じてくれる??」
 
 そ、そこ? 心当たり全部外したぞ。 
 
「し、信じてるよ! お婆さんもお母さんも巨乳って事はルカも間違えなく巨乳になるよ! いや、もしかしたら足し算理論で爆乳かも!!」
 

 足し算理論って何? 自分でも意味わからないけど、とりあえず何でも良い!! 
 もう青蜜を煽るの辞めてくれれば何でも良いわ!!
 
「ばっ! 爆っ!! そ、そんなに大きくなったら日常生活が困りそうね……まぁダーリンがその方が良いなら私は良いけど!! あー、でも肩凝りそうだからそんなに大きいのはなぁー! あっ、でもでもダーリンが何時も持ってくれるならそれはそれで……」
 

「な、何で今ので照れてるのこの子?」
 
「……わかんないよ、俺にも」
 
 両頬を押さえて身体を悶えさせるルカを見て青蜜が呆れた様に溜息を吐く。
 
「はぁー、とりあえず話を進めましょうか。 ルカちゃんの考えを教えてくれるかしら?」

 ……ようやくか。 なんか随分と遠回りした気もするけど、とにかくこれでルカの考えが判るな。 

 でも一体どうするつもりなんだろう? 俺が未来に帰るのを邪魔は出来ないって言ってたし……もしかしてルカが一緒に未来に来るとか? 
 いやいや、リアじゃあるまいしそんな事不可能だろ。 
 うん、わからん! こう言う時は黙って待っておくに限るな。

「ええ、勿論よ。 まぁ考えって言う程の事でもないけどね。 とりあえずダーリンや貴方達には未来に帰ってもらうわ」
 
「「……えっ?」」
 
「何驚いてるのよ、当然じゃない。 ダーリンは世界を救うんでしょ? その邪魔を私がするわけ無いじゃない。 それにそもそも私が研究を辞めたからって本当に世界が救われるのかを確認する必要もあるでしょ?」
 
「いや、まぁそうなんだけど」
 
 それだと結局ルカとは離れ離れになるんじゃ??
 あれ? ルカはそれで良いのっ。


「そ、そして無事に世界を救ったら……またこの時代に帰って来なさい!! 良いわね!!」
 


 俺の浅い思考を切って、ルカは渾身の指差しポーズを俺に向けて叫んだ。
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