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第四章 色彩
ゲーム
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「ゲーム、だって?」
「そう、君が勝てば目に色を返してあげる。でも、僕が勝てば、君はそのままだし、僕は飽きてしまったからね、もう二度と君の目の前に姿は現さないよ」
またしても、自分を犠牲に始まろうとしているゲームにミヤは複雑な表情を浮かべる。
「あれ、嫌なの?嫌なら別にゲームなんてしなくてもいいんだよ?まあ、君がそのままでいい、っていうんなら、だけど」
スッと目を細めて笑うラヴィが不気味で、ミヤは一瞬、表情を強ばらせた。
そう、ラヴィにとってこのゲームはただの暇つぶし。ミヤが勝ったところで本当に目の色を戻してもらえる保証もない。しかし…
「分かった、そのゲーム受けよう」
ミヤが断われば、ラヴィは本当にもう二度と現れはしないのだろうと感じた。ミヤの取れる選択肢は、たった一つだった。
「それはよかった!それではルールの説明をしよう、いいかい、よく聞いて」
…………
「以上だよ、なにか質問は?」
ルールを説明し終わると、ラヴィはミヤに問いかけた。
「…質問…というか…なんだよ、そのふざけたゲームは…!!」
ラヴィが掲示したルールはたったのみっつ。ラヴィの勝利条件、ミヤの勝利条件、そして、ドローの条件。
「嫌なら辞めてもいいんだよ」
ラヴィのそのセリフには煽っている様子はなく、一選択肢を掲示しているだけのようだった。
「…そうやって選択肢を増やしたように見せたって、どうせ、僕には一つしか選べない」
ミヤは目を閉じて深呼吸を一つするとゆっくりと目を開けた。
「…やってやるよ」
「その意気だ♪さあ、それでは目覚めの時間だよ」
意識が途切れる最後の最後までミヤはラヴィを睨み続けた。
そして、ラヴィの
「ゲームスタート」
その声が耳に届いたと共に意識を手放した。
思えばこの気まぐれな神様が全ての元凶だった。このゲームが、悪魔を生み出し、魔女を生み出し、国を揺るがす大騒動をも生み出してしまうのだから。
「そう、君が勝てば目に色を返してあげる。でも、僕が勝てば、君はそのままだし、僕は飽きてしまったからね、もう二度と君の目の前に姿は現さないよ」
またしても、自分を犠牲に始まろうとしているゲームにミヤは複雑な表情を浮かべる。
「あれ、嫌なの?嫌なら別にゲームなんてしなくてもいいんだよ?まあ、君がそのままでいい、っていうんなら、だけど」
スッと目を細めて笑うラヴィが不気味で、ミヤは一瞬、表情を強ばらせた。
そう、ラヴィにとってこのゲームはただの暇つぶし。ミヤが勝ったところで本当に目の色を戻してもらえる保証もない。しかし…
「分かった、そのゲーム受けよう」
ミヤが断われば、ラヴィは本当にもう二度と現れはしないのだろうと感じた。ミヤの取れる選択肢は、たった一つだった。
「それはよかった!それではルールの説明をしよう、いいかい、よく聞いて」
…………
「以上だよ、なにか質問は?」
ルールを説明し終わると、ラヴィはミヤに問いかけた。
「…質問…というか…なんだよ、そのふざけたゲームは…!!」
ラヴィが掲示したルールはたったのみっつ。ラヴィの勝利条件、ミヤの勝利条件、そして、ドローの条件。
「嫌なら辞めてもいいんだよ」
ラヴィのそのセリフには煽っている様子はなく、一選択肢を掲示しているだけのようだった。
「…そうやって選択肢を増やしたように見せたって、どうせ、僕には一つしか選べない」
ミヤは目を閉じて深呼吸を一つするとゆっくりと目を開けた。
「…やってやるよ」
「その意気だ♪さあ、それでは目覚めの時間だよ」
意識が途切れる最後の最後までミヤはラヴィを睨み続けた。
そして、ラヴィの
「ゲームスタート」
その声が耳に届いたと共に意識を手放した。
思えばこの気まぐれな神様が全ての元凶だった。このゲームが、悪魔を生み出し、魔女を生み出し、国を揺るがす大騒動をも生み出してしまうのだから。
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