少年館

ジョセフとアドン少佐の2人の生活55

　アドンは医師とともにジョセフがいる部屋へと向かった。

　「ジョフ・・」

 部屋に入ったアドンはジョセフの優しい笑顔を見た瞬間こみ上げてくる感情を抑えきれなくなった。

　「アドンさん！！僕・・こんなになっちゃった。会いたかったです、アドンさん。」

 アドンはジョセフの側まで行くとそっと優しく抱きしめた。

　「いたいよ、アドンさん。」

    「ごめん。痛かったか、ごめんなこんな辛い思いさせてしまって全て俺のせいで・・」

   「アドンさんのせいじゃないよ、だから謝らないで。お願いだから泣かないでよ。」

 部屋の片隅で2人の光景を見ていたジョセフの主治医はその様子を見て兄弟ではないのではという疑念が芽生えだしていた。

　「いつ退院できるんだ？」

 アドンは医師に尋ねた。

　「傷口が完全にふさがるまでもう一週間ほど様子を見てみますか」

 アドンの心の中ではそんなに待っていたらもう永久にジョセフに会えないと感じていた。