事故物件

真相を求めて

　「なら良いけど、前住んでた人は2週間も持たず逃げ出すように家出ていったんだからね。いくら旧知の仲だからといってあんな家を自分の会社の社員に提供するなんて・・俺は考えられないけどね」


  「さっきも話したけど、会社のトップに立つ人間てのは　"信頼" されないとならないんだよ。だからここで一軒家を安く俺が用意すれば社員らも見返りを期待し職務に励むてもんだろ？それよりあの家の玄関脇の祠て何のために作られたんだ？あいつそれ気にしてたからな」

 山本の会社の社長が不動産屋の知り合いにそう話すと、不動産屋の知り合いは事務所の中へと招き入れた。

　「ああ、あれか・・ここじゃ何だからちょっと中へ入れよ」