事故物件

怪奇現象の始まり

　「何が人の声がするだよ、何が人の顔が覗いてただよ。馬鹿も休み休み言え！てんだよ」

 長い古木の廊下を真っ直ぐに歩くとやがて先程の友達が人の顔を見たというトイレが見えてきた。

　「ここか？どれどれ中を拝見！古いトイレだな。昭和のトイレて感じだな。今の時代こんなトイレは中々お目にかかれない」

友人は一通りトイレの中、そして周りを確認するが人の気配は全く感じられなかった。そして、またみんながいる部屋へと戻ったのである。

　「ただいま！！おい！お前の完全なる気のせいだよ。人影なんか全くなかったし、声もなんも聞こえなかったぞ！！約束通りビール奢れ！！」

   「え？嘘だろ？？本当に声がしたんだって！！それにトイレに入ってたら顔が覗いてたんだよ！！」

 尚もお化けを見たという友人は声を荒げながら訴える。