そこに入ったら二度と出られない

あの世の世界2

　「その女の顔は崩れ果ててた。俺は動かない体で叫び声を必死にあげ続けたが、声は出ない。その女が立ち上がって、近づいてきたと思った瞬間ににこり笑いやがったんだ。そしてそのまま俺の体を通り抜けるように歩いていった。その瞬間に俺は魂が体から抜け出るような感覚に襲われて意識が無くなった。気が付いたら、周りは石だらけで目の前には大きな川が流れていた。俺はわけがわからず歩き出した、トンネルの中にいたはずなのに、なぜか川と石だらけの場所に来たんだからな。よーく見渡すと周りは森で、その森のほうへと歩いていくと、森から何かが叫びながら出てきたんだ。

　そいつもこの世の者ではない容姿をしていた。全身ガリガリに痩せほそり、腹だけは大きく膨らんでいた。顔は生気が感じられず、目玉はでかく黒目だった。手に持ってるのは木でできた棒のような物で周りには木の刺で覆われていた。

　その気味の悪い生き物が何かを叫んでるんだ。よーく聞いてみると

　"おまえさの魂喰わせろ！おまえさの罪は永遠にここで償いつづけろさ、ほら、もどれ、さっさと戻れ"