そこに入ったら二度と出られない

廃トンネル26

　「いやそんな事より俺達が探していたトンネルが今目の前にある。とうとう見つけたんだよ。あの意地悪な地元の奴等に聞いても誰も教えてくれなかったトンネルがそこにあるんだぞ？」

健太がそう言うと春樹が前に進みながら言った。

　　「入るか」

　春樹はそう言うとどんどん中へとまるで何かに憑依されたかのように入っていく。

　　「春樹！！待てよ！！おい！！！先に行くなよ。」

 健太は春樹を止めに行こうとし、後ろにいる真由子にも声をかけようと振り向いたがそこに真由子がいない事に気付く。

　　「真由子？そういえばテントの中に置いてきたままだった。」

 健太は大急ぎでテントに引き返すとそこには誰もいなかった。

　　「真由子ーー！！！どこに行ったんだよ！！！ちくしょう。お前ら勝手すぎんだよ！！勝手に行動しゃがってよ！！」

 健太は配信を続けながら、1人残された不安にかられ生ライブ配信に切り替えた。

　「こうなったらありのままの様子を生放送で配信してやる。」

 大手動画配信サービスにその様子は生ライブで流れ、たちまち閲覧者が増えていった。しかも、携帯電話すら繋がらないのに、なぜか配信ライブは繋がっていた。