そこに入ったら二度と出られない

廃トンネル6

　「亮さんと満さんには嫌な思いをさせてしまってごめんなさい。私から謝ります。」

 真由子は2人のバイク乗りのお兄さんらにそう言うと謝った。

　「良いんだよ！気にしなくてさ。ところで俺らは明日に旅館をチェックアウトするけど、君達はまだいるの？」

     「えーー！明日帰っちゃうんすか？？寂しいな。ここ俺らだけになっちゃうし。」

 春樹がそう言いながらビールを飲み干した。

　「俺らはあと1日います。明日最後に近くの山に登りその様子を撮影してから明後日の朝にここを出る予定です。」

 健太の話を聞いた満と亮の2人のバイク乗りはそれぞれの鞄から何かを取り出すとそれを健太らに渡した。

　「そっか、明日までいるんだね。山に登るのは良いけど、もうトンネル探しはやめなよ！これは2人からのプレゼントだよ。」

 健太らの前に置かれたのは菓子パンやスナック菓子だった。

　「ありがとうございます！！ここら辺にコンビニないから助かります。特にこの真由子は甘いお菓子がきれると暴れるんすよ。」

    「何言ってんのよ！！んなわけないじゃないの。でも、ありがとうございます。」

 健太らは2人にお礼をすると遅い時間もあるので自分らの部屋へと戻っていった。最後に別れの挨拶もして。