お蔵ぼっこと雪ちゃん

華岡光

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不思議な体験

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 「着物着てる・・」

 ふと、男の子を見てると同世代の男の子と何かが違う雰囲気を感じた雪ちゃん。雪ちゃんが、男の子を見つめてると、その視線に気付いた男の子は水面に向かってかがんでいた体を真っ直ぐに起こすと、雪ちゃんのほうに顔を向けた。

 「おかっぱ頭だぁ!!おーい!!今度こっちに引っ越してきたから宜しくね!!雪て名前だよ!!君は?」

 雪ちゃんが男の子に大きな声でそう叫ぶと、男の子はにっこりと笑って近づいてきた。そして、雪ちゃんの片手を持つと、手のひらに、自分の握っていた手を広げた。その瞬間に雪ちゃんの手のひらの中で"こそばゆい"ようなくすぐったい感覚が広がる。

 「すごい!!可愛いさっきの虫だぁ!!」

 雪ちゃんが手のひらの中を見ると、さっき取り逃した水生昆虫がいたのだった。
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