・・その狂気は伝染する・・

最終章 世界の終焉

松本義徳首相の国家非常事態宣言99

　さっそく総理執務室には伊藤官房長官、野畑防衛相、菅原厚労相、防衛相情報部将官、山下青年部長らが入ってきた。

　「在日米軍司令官サンダース中将の提案する大規模な除染作戦を実施する前にもう一度だけ聞きたい。すでに我々閣僚仲間や政府関係者の中にも感染者が出てきてる状況だが、本当に感染源のあの桐の箱は見つからないのか？調査を出してすでにその研究所は封鎖され、連絡を受けた自衛隊からも未だに連絡なしだ。」

 野畑防衛相が答える。

　「今全力でその箱を持ち出した者を捜索しておりますが、現場からの情報だと逃げ出した感染している自衛官らは処置をしたと聞いております。しかしながら、まだラボから逃げた研究員と数人の自衛官がまだ逃亡してるとの事。」

 野畑防衛相に続き防衛相情報部将官が松本総理に具体的な状況を説明する。

　「捜索範囲を広げて精鋭部隊のレンジャー、空挺部隊を感染者蔓延地区に投入して大規模な捜索作戦を実施しておりますが、陸上からの車両での捜索にはまだ車両の数が不十分です。装甲車を50台派遣させてますが、まだ少し時間がかかります。」