83 / 506
最終章 世界の終焉
松本義徳首相の国家非常事態宣言83
しおりを挟む
さっそくその人面皮の細胞の一部を切り取り細かく調査すると驚きの事実が分かった。
「博士、この皮の細胞は生きています。ご覧下さい。切り離した人面皮の端を。」
顕微鏡で確認すると細胞分裂を繰り返しながら増殖していく様子が確認された。
桐の箱の中の内側にもその細胞がぎっしり付いていて、箱の中身の人面皮を取りだした後もその人面皮の細胞が増殖し続けていた。
「少し待ってくれ、頭の中が混乱してきた。これは、つまり、細胞が増殖していき新たな人面皮を再生していくと言う事なのか、あの箱の内側には黒く人の顔の跡が付いていて、そこから細胞が増殖して同じ人面皮を作るとでも、この細胞がウィルスそのものなのか?」
その時、突然研究所の照明が切れた。その瞬間に非常用の電気が付いた。
「うん?何事だ。機器が動かない。」
桐の箱のあるラボの外の部屋のロックが突如始動した。
「博士、これは・・」
部屋中にあるガラスが突然割れ始めた。
「慌てるな、落ち着け。」
博士は冷静にみんなに指示を出した。
「見ろ、あの人面皮を。」
博士が人面皮のあるテーブルを指差した。
そこに映った姿はもはや科学の限界を超越した存在だった。
白い袴姿で無精髭を生やし、落ち武者姿の男が人面皮を手に持ち博士らを睨みつけていたのだった。
「博士、この皮の細胞は生きています。ご覧下さい。切り離した人面皮の端を。」
顕微鏡で確認すると細胞分裂を繰り返しながら増殖していく様子が確認された。
桐の箱の中の内側にもその細胞がぎっしり付いていて、箱の中身の人面皮を取りだした後もその人面皮の細胞が増殖し続けていた。
「少し待ってくれ、頭の中が混乱してきた。これは、つまり、細胞が増殖していき新たな人面皮を再生していくと言う事なのか、あの箱の内側には黒く人の顔の跡が付いていて、そこから細胞が増殖して同じ人面皮を作るとでも、この細胞がウィルスそのものなのか?」
その時、突然研究所の照明が切れた。その瞬間に非常用の電気が付いた。
「うん?何事だ。機器が動かない。」
桐の箱のあるラボの外の部屋のロックが突如始動した。
「博士、これは・・」
部屋中にあるガラスが突然割れ始めた。
「慌てるな、落ち着け。」
博士は冷静にみんなに指示を出した。
「見ろ、あの人面皮を。」
博士が人面皮のあるテーブルを指差した。
そこに映った姿はもはや科学の限界を超越した存在だった。
白い袴姿で無精髭を生やし、落ち武者姿の男が人面皮を手に持ち博士らを睨みつけていたのだった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
みえる彼らと浄化係
橘しづき
ホラー
井上遥は、勤めていた会社が倒産し、現在失職中。生まれつき幸運体質だったので、人生で初めて躓いている。
そんな遥の隣の部屋には男性が住んでいるようだが、ある日見かけた彼を、真っ黒なモヤが包んでいるのに気がついた。遥は幸運体質だけではなく、不思議なものを見る力もあったのだ。
驚き見て見ぬふりをしてしまった遥だが、後日、お隣さんが友人に抱えられ帰宅するのを発見し、ついに声をかけてしまう。
そこで「手を握って欲しい」とわけのわからないお願いをされて…?
病み憑き
雪鳴月彦
ホラー
突然この世を去った秋本 真美。
その妹である夢美は、姉の自殺の原因を突き止めようと決意する。
しかし、彼女がたどり着いた真実はあまりにもえげつないいじめの存在。
最愛の姉を死に追いやったグループへ復讐を誓った夢美は、裏サイトで「病み移し」という名の儀式を知り――。
黒く浸透していく呪いは、全てを漆黒に染め上げる。
※この作品はフィクションです。登場する人物・地名・団体名等は全て架空のものとなっています。
闇夜に道連れ ~友哉とあきらの異常な日常~
緋川真望
ホラー
少しだけ歪んでいたとしても、そばにいるだけで、きっと幸せ。
盲目で何も見えないはずの友哉の目には、怪異が映る。
半妖のあきらの目にも、怪異が映る。
でも、二人に見えているものは同じではなかった。
盲目の友哉と半妖のあきらは便利屋をしながら各地を転々として暮らしている。
今回依頼があったのは築三年の新しいアパートで、事故物件でもないのに、すでに6人も行方不明者が出ているという。
アパートを訪れたふたりはさっそく怪異に巻き込まれてしまい……。
序章は現代(19歳)、第一章から第七章まで二人の高校時代のお話(友哉の目が見えなくなる原因など)、終章はまた現代に戻る構成です。
ホラーみのあるブロマンスです。
エロはありません。
エブリスタでも公開中。
アルファポリス収益報告書 初心者の1ヶ月の収入 お小遣い稼ぎ(投稿インセンティブ)スコアの換金&アクセス数を増やす方法 表紙作成について
黒川蓮
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスさんで素人が投稿を始めて約2ヶ月。書いたらいくら稼げたか?24hポイントと獲得したスコアの換金方法について。アルファポリスを利用しようか迷っている方の参考になればと思い書いてみました。その後1ヶ月経過、実践してみてアクセスが増えたこと、やると増えそうなことの予想も書いています。ついでに、小説家になるためという話や表紙作成方法も書いてみましたm(__)m
怪異の忘れ物
木全伸治
ホラー
さて、Webコンテンツより出版申請いただいた
「怪異の忘れ物」につきまして、
審議にお時間をいただいてしまい、申し訳ありませんでした。
ご返信が遅くなりましたことをお詫びいたします。
さて、御著につきまして編集部にて出版化を検討してまいりましたが、
出版化は難しいという結論に至りました。
私どもはこのような結論となりましたが、
当然、出版社により見解は異なります。
是非、他の出版社などに挑戦され、
「怪異の忘れ物」の出版化を
実現されることをお祈りしております。
以上ご連絡申し上げます。
アルファポリス編集部
というお返事をいただいたので、本作品は、一気に削除はしませんが、順次、別の投稿サイトに移行することとします。
まだ、お読みのないお話がある方は、取り急ぎ読んでいただけると助かります。
www.youtube.com/@sinzikimata
私、俺、どこかの誰かが体験する怪奇なお話。バットエンド多め。少し不思議な物語もあり。ショートショート集。
※タイトルに【音読済】とついている作品は音声読み上げソフトで読み上げてX(旧ツイッター)やYouTubeに順次上げています。
百物語、九回分。【2024/09/08順次削除中】
「小説家になろう」やエブリスタなどに投稿していた作品をまとめて、九百以上に及ぶ怪異の世界へ。不定期更新中。まだまだ増えるぞ。予告なく削除、修正があるかもしれませんのでご了承ください。
「全裸死体」、「集中治療室」、「三途の川も走馬灯も見なかった。」、「いじめのつもりはない」は、実体験の実話です。
いつか、茶風林さんが、主催されていた「大人が楽しむ朗読会」の怪し会みたいに、自分の作品を声優さんに朗読してもらうのが夢。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる