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最終章 世界の終焉

松本義徳首相の国家非常事態宣言79

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 「東京がどうしたって??」
三好が山田二尉に聞き返した。

 「東京はすでに感染者で溢れ、もはや首都としての機能はしてません。天皇陛下ら皇室関係者はすでに国外の安全な場所へと退避したと聞き及んでおります。それと、国家機能は立川市にある地下バンカーへと移動し、国会はすでに閉鎖。市民らは外出禁止令のもと自宅に避難してます。感染者掃討作戦で自衛隊と在日米軍による作戦展開中と聞きますが、具体的な成果はまだ立たず、無線も途切れ途切れで情報がはっきりと分からずしまいなのです。電話会社はすでに人はおらず、発電施設も機能停止に・・スマホからの通信ももうできないです。

それでも、あなたは行かれるのですか?東京に。」

 山田二尉から現実を聞かされた三好はトラックのエンジンを切ると大きなため息を吐き肩の力が抜けた。

 「じゃ、もう終わりてことか・・どこに逃げてももう終わりてことなんか・・偉い人間だけが生き残り、俺みたいなクズは死ねて事なんか??」

     「そんな事ないですよ。さ、我々と行きましょう。基地の避難所があるのでそこにこれから行きます。そこには発電施設もあり、武器も薬も食糧もありますし。」

 山田の言葉を聞いた三好はとっさに山田に言った。

 「おい?他に生き残ってるやつらがいるんだよ。女子供らも一緒だ。」
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