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第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断98

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 「そういう理由だったのですな。有馬というお方も中々粋な計いをしたものですな。」

    「その有馬は今じゃ日本陸軍省の幹部だよ。おそらく西郷とは別の場所で治安の任を任されてることだろうな。」

 そう話すと桃井は再び湯呑みを手に持ちググッと茶をすすりだした。


 ・・大阪城・・

 その頃城の地下通路には土方と吉村、そして土方の小姓、一部の歩兵達が荷物を搬入していた。

 「土方隊長!!外堀の池に人影が見えたと城の警備兵が騒いでおります。」

 難攻不落の大阪城の西側にある壁を狂人達がよじ登りそして、城の中にある堀へと落ちてきたのだった。

 「やはりな、思った通りだぜ。これだけの数の狂人達に囲まれれば今度は壁を登ってくるだろうなとは想像も付いてた。今にどんと大量の狂人達が流れ込んで大阪城はたちまち陥落するだろ。まあ、どうせ城にいるの馬鹿どもばかりだろうからどうでもいいがな。」

 土方は次々と武器、行燈の菜種油、米、味噌、大量の小判を運ばせるように激を飛ばした。

 「今夜中にここの城から抜けでるぞ。とりあえず持てるだけの物質は持っていく。全ての準備が終わったら、この地下通路の部屋で再び会おう。」

 
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