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第三章 狂気と共に明ける明治維新
15代将軍徳川慶喜の決断94
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役人達は桃井の指示をしぶしぶ承諾して部屋を出た。1人残った桃井は出されたお茶を静かに飲む。
そこへ1人の役人が入ってきた。
「恐れながら先ほどのお話し感銘致しました。自然こそ全ての生物の根元であると私も思っております。私は旧江戸幕府の蘭学医をしておりました。今はこの封じ込め関所の医者をしてる者です。」
「そうか。自然をおろそかにする事はすなわち先の時代の人々を苦しめる事になるからな。狂人達の事ばかり考えて木々を無駄に切りすぎるのは良くないと戒めたまでだよ。」
桃井春蔵の本意を見抜いていた蘭学医は、若い者達やこれからの日本を牽引する人物達にあえて大袈裟にそのような言い方をした事に深く感銘していた。そして、蘭学医は桃井春蔵の脇に立て掛けてある長曽根虎徹を見て、それについても尋ねた。
「桃井殿、その刀はもしや長曾根虎徹では?私は蘭学医として多くのかっての武士達も診た事があり、その折に様々な刀も目にふれる事があったので気になってしまいました。」
蘭学医の言葉ひ桃井春蔵は立て掛けてた長曾根虎徹を手に取りながら静かにその理由を話しだした。
そこへ1人の役人が入ってきた。
「恐れながら先ほどのお話し感銘致しました。自然こそ全ての生物の根元であると私も思っております。私は旧江戸幕府の蘭学医をしておりました。今はこの封じ込め関所の医者をしてる者です。」
「そうか。自然をおろそかにする事はすなわち先の時代の人々を苦しめる事になるからな。狂人達の事ばかり考えて木々を無駄に切りすぎるのは良くないと戒めたまでだよ。」
桃井春蔵の本意を見抜いていた蘭学医は、若い者達やこれからの日本を牽引する人物達にあえて大袈裟にそのような言い方をした事に深く感銘していた。そして、蘭学医は桃井春蔵の脇に立て掛けてある長曽根虎徹を見て、それについても尋ねた。
「桃井殿、その刀はもしや長曾根虎徹では?私は蘭学医として多くのかっての武士達も診た事があり、その折に様々な刀も目にふれる事があったので気になってしまいました。」
蘭学医の言葉ひ桃井春蔵は立て掛けてた長曾根虎徹を手に取りながら静かにその理由を話しだした。
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