・・その狂気は伝染する・・

第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断81

・・琉球からおよそ200海里の海・・

 イギリス艦隊旗艦ユーライアスを始め後には中型フリゲート艦32隻、その他艦船50隻が隊列を成し日本本土に向かっていた。

　全艦隊を指揮するのはイギリス王立海軍オーガスターキューパー提督で、若干17歳という若さでビクトリア十字賞の勲章を受けるほどの歴戦の名指揮官であった。

　明治政府発足前から日本での内乱を見透かして西郷隆盛、大村益次郎らがかなり前からイギリス政府に打診をしておき、絶妙のタイミングで日本へと間もなく到着する。

　「saigouの手紙によるとemperorを中心とした国家作りの途中に問題が起き、国内は内乱状態であるというが、我等の力を借りなければならないとは、やはり日本という国はアジアの小国の一つだな。」

 そう話したあとにキューパー提督は特別なロイヤルティーを飲みながら日本のほうを眺めた。