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第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断76

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 ・・赤穂藩・・

 12代藩主森忠儀は新政府官吏からの報告を受けていた。

 「森殿。新政府参与大久保卿からの紀州藩援軍派兵命令でございます。速やかに軍を派遣し諸藩とともに紀州藩を救うのです。神戸からはすでに京、大阪へと大軍を派遣しました。そして、その先の江戸も落とすことになるでしょう。」

 赤穂藩は旧幕府に属していた頃から不足な事態に備えてたっぷりの赤穂の塩を備蓄しそれを換金する事によって大量の資金を調達するようにしていた。そして、常日頃から備蓄していた鉄砲をふんだんに用いて西洋式の鍛錬もしていたのだった。

 「この森は新政府に組みし宣誓をしているため喜んで全ての軍隊を諸藩兵らとともに紀州へと出陣致しましょう。」

 赤穂藩は他の諸藩と合同で新政府軍として大軍を紀州へと送った。

 紀州、京都、大阪周辺にいる大量の狂人達の討伐作戦が始まったのだった。
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