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第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断40

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 「わかりました。この箱は徳川家の家紋入りなので捨てる訳には参りませぬが、どこか屋敷の蔵の奥にでもこっそりとしまっておきましょう。」

 西郷頼母はその箱を持って部屋をあとにした。

 「しかし、慶喜様が将軍になられて幕末がより強固に生まれ変わろうとしてるのを感じる。薩長の不穏な動きには注意せんといかんな。新撰組にはより仕事に励んでもらわねば。」

 
 松平容保は新撰組のさらなる隊士募集のための資金を家臣に渡し、新撰組屯所に届けるよう命じた。


 ・・新撰組屯所・・

 「京都守護職松平容保様からの賜り物だ。受け取れ!!」

 さっそく会津藩の使いの者が、屯所に訪れ清酒8樽に、300両、大量の里芋や大根、醤油、味噌、米などを届けた。

 「これはありがたき幸せでござりまする!!誠心誠意務める所存でございますのでよろしくお願い致しまする。」

 新撰組局長近藤勇は頭を深々と下げて感謝を伝えた。

 「近藤さん!こんな大金にこの酒や食べ物をくれるとは会津様はどんだけ俺達に期待してるのかと思うと肩がすくむな。」

     「歳、感謝だよな。こんなに金や食い物をくれるとは。これで新たに隊士を雇うだけではなく、武具もひと通り揃えられるな。」

 その夜屯所では特別に盛大に宴を行った。

 「今夜だけは無礼講だ!ただしあまり飲みすぎるなよ!」

 近藤勇の計らいで普段は酒など屯所では御法度の平隊士にほどほど程度の酒を飲ませた。味噌仕立ての芋煮や、味噌おにぎり、塩おにぎりに沢庵など、会津様から差し入れされた食材で質素ながら盛大に宴が行われた。

 しかし、楽しい出来事などはここまでだったのかもしれない。この後起こる薩長の陰謀に、あの"桐の箱"の存在・・
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