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第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断17

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 圧倒的な幕府軍で挑むこの戦いの結果を見切っていた総督の徳川慶勝は長州征伐軍参謀の薩摩藩西郷隆盛に長州藩が降伏するように説得のため萩に向かわせていた。

 「薩摩の西郷隆盛でごわす!こげな闘いをしたところで長州が勝てるわけなかですたい。無用な闘いを避け、幕府に恭順をする事を勧めます。」

 西郷隆盛の提案に反対する一部の強硬派らは、西郷隆盛とその部下達を斬り捨てるために待ち伏せまでする者もいる中、長州藩藩主毛利敬親は恭順の意を示した。

 「要求は受けいれまする。闘いは無駄でござりましょう。闘えば多くの民の血が流れるだけです。この書状に署名をしますゆえ、宜しく総督にお伝え下さい。」

 西郷隆盛らはそれを確認し、船へと引き上げる。その道中西郷隆盛らに斬りかける者達がいた。

 薩摩藩士らは応戦し、そのほとんどを返り討ちにした。そしてその中で怪我をしても西郷隆盛を睨みつける男がいた。

騎兵隊隊長の高杉晋作である。
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