・・その狂気は伝染する・・

華岡光

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第二章　狂気に憑かれし者達との戦いが始まる

8代将軍吉宗の戦い63

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　吉宗はその箱を手に取って眺めた。

　「この箱の中にその悪の根源が入ってるのじゃな？このような箱に、人々を悪霊に変えるほどの力があるとは思えぬがな・・」

軽く箱を扱う吉宗を見た酒井忠徳は吉宗に声を荒げた。

　「そのように軽く扱ってはなりませぬ！！その箱こそ狂気そのものでございまする。江戸一の祈祷師を呼び、その箱をお焚き上げして災いをこの世から消し、再び泰平の世にするのです。」

「そうであったな。余が軽く考えておった。さっそく江戸一の祈祷師を明日中に呼び出し、そしてこの箱を引き取ってもらうよう手配を致せ。」

酒井忠徳はさっそく手配に動いた。その時側用人である加納久通が吉宗にある報告をした。

　「上様、明日は尾張藩藩主徳川宗春様が登城する日でござりまする。」

　それを聞いた吉宗の顔は険しくなった。

　「む、あいつが登城するのは明日であったか・・あのうつけが。」

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