・・その狂気は伝染する・・

第二章 狂気に憑かれし者達との戦いが始まる

8代将軍吉宗の戦い49

　川上芳平は奇声をあげながら真っ直ぐに兵士らに走ってくる。

　「槍を貸せ！」
先頭に立つ兵士は他の兵士から槍を借りると、川上芳平の目元辺りを突き刺した。川上はそのまま前のめりに倒れる。
倒れた川上にとどめの一振りで首をはねた。

　「よし、これでこいつはもう動きまい・・」

 その時、川上に襲われた兵士が起き上がり、兵士達のもとに奇声を上げながら襲いかかってきた。

　「くう、そりゃぁ！！！」

 槍で首元を突き、さらに他の兵士達が刀で突き刺す。そのまま奇声を上げてた兵士は倒れた。

　「他にはもういないよな！皆のもの奥の部屋を探せ！」

 兵士らが部屋を探索すると、先程川上に襲われた兵士が何かを見つけた部屋に入ると、畳に書かれた文字と桐の箱、書簡を見つける。

　「む！この事を報告しようとして襲われたのじゃな。あの兵士は。急ぎ酒井様に報告せよ！」

 すぐさま駿府の城制圧と駿府城代松平の死と、隠密同心頭目川上芳平の発見した書簡、桐の箱、手書きの畳に書いた文字、川上芳平の死を酒井忠徳に知らせた。