・・その狂気は伝染する・・

第二章 狂気に憑かれし者達との戦いが始まる

8代将軍吉宗の戦い48

　それを見た兵士はすぐさま仲間を呼びに外に出た。

　「おーい！！だれかぁー！！来てくれ！！」

 外に出て叫けぶ兵士の後ろの廊下から、なにやらぶつぶつと小声がする。兵士が何事かと振り向くと、そこには顔面がどす黒い色で白目を向いて小声でなにやら話してる川上芳平がいた。

　「お・おい、お前狂人なのか・・止まれ！！」

 兵士はとっさに刀を構えた。

　川上芳平は口から泡を吹き出しながら、奇声を上げ、兵士に襲いかかる。兵士は刀身を突き川上の溝落ち辺りを貫通させるが、川上はそれでも襲いかかってきて、兵士の首を両手で掴む。指は兵士の首を深々と突き刺していく。

　「おっぎゃぁあああ！」
兵士は断末魔の叫び声をあげながら息耐えた。

声を聞いてすぐさま兵士らが集まってくる。上の階からも。

　「あいつは公儀隠密の川上芳平殿だ！！なんという事じゃ、狂人になってしもうたか。」