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第一章 狂気の根源

徳川忠長の秘密83

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 ・・ゴトゴトッ!パタパタ!・・

 なにやら外に出ようとする5人の藩兵らの背後で人が慌てて駆け抜けていくような音が鳴り響く。

 「おい!今の音聞いたかぁ?」
    
     「ぁぁ・・確かに聞いたぁ、人の足音だぁ・・」

 その音を聞き藩兵らはその足音のする方向へと向かおうとするが、今度は怖気付く藩兵らも出てきた。

 「おまえ!何を怖気付くか?啖呵を切ってここに入ったのであろう?そんなんでは足でまといだ、外の藩兵らを呼びにでも行ってこい。」

 そう言うと4人の藩兵だけでその音がした方向へと進む。

 どうやら音が聞こえては消えた場所は神社の中の拝殿の間であった。

 「ここだ!ここの部屋の前で音が消えた。よし!皆のもの覚悟はいいか?入るぞ!」

 勢いよく襖を開き中へと踏み込む藩士達。すると、その部屋の中央になにやら人の影らしきものがあぐらをかき座っているような気配を感じた。

 藩士らは歩み寄り行灯の灯りを当てた。すると一同の藩士らは凍りつく。

 「あ、あ、あなたは様は・・忠長様・・」

 そう、行灯の灯りが照らしだしのはなんと、長き間に行方不明だった"駿府大納言徳川忠長"だったのだった。
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