・・その狂気は伝染する・・

第一章 狂気の根源

徳川忠長の秘密70

　「これはえらいことだぞ！すぐ忠房様にこの文を届けないと・・」

   藩兵から文を受け取った浜松藩藩主高力忠房はその文に書かれている中身と、文が見つかった場所にある髪の毛や人骨の話を聞き気分が悪くなり、そのまま駿府城内にて寝込みだしてしまった。

　まるで呪いにでもかかったかのように。

　「その文を急ぎ江戸に届けるのじゃ・・忠長様はやはり正気の沙汰ではなかったのじゃ・・」

 忠房の命によって速やかにその文は江戸へと送り届けられた。

　「殿、気をしっかりとお待ち下され！
殿！急いで藩医を連れて参れ。」

 なにやらと雲行きまで怪しくなってきた。先程まで晴れていたのに暗いどんよりとした雲に駿府の空は覆われてきた。