タクシー運転手の夜話

華岡光

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case6

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 覚悟を決めたのかわからないけど、支配人はバスルームの扉を開けて中を覗いた。その瞬間支配人はため息を吐くような安心した表情に変わったんだ。

 「だ、だれもいませんでした・・」

 俺も先に支配人が覗いた安心感があり、続いて中を覗いたんだけど、やっぱり人なんかいるわけなかったんだよな・・

 「とっとと荷物をま、まとめて出ましょうよ・・はやくしてくださいよぅ・・」

 急に後ろにいた若いフロントの男が急かすように俺に荷物をまとめて部屋を出ようて言ってきたんだよ。俺も気味悪い部屋だから、さっさと荷物をまとめて外に出ようとしたら、フロントの男が勢いよく扉をバタンと閉めて俺の背中を押しすような形でその場から早く立ち去ろうとまたも急かしゃがってよ。支配人は青ざめたまま何も言わずエレベーターのほうへと歩いていくし、若いフロントのやつは俺の背中を押してまで急かすし、俺はあまりに乱暴な態度だから怒ったんだよ。

 「お前乱暴な奴だな!!そんなに押したら危ないだろうよ?転倒して怪我でもしたらどうすんの?」
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