KOWABANA

華岡光

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トンネルに立つ女6

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 「うわぁぁああ!!女だよ!!女が立ってるよおおお!!」

 さっきまでトンネルの中には誰もいなかったはずなのに、確かにミラー越しには、車の少し離れた壁側に赤い服を着た女が立ってたんです・・

 「こっち見てるぞ!!あの人こっち見てるんだよ!!」

 完全に僕も友達らもパニックに陥りました。車を走らせてその場から逃げようにも、不思議な事に足に力が入らなかったんです。そうこうしてるうちに、その女はこっちに向かって歩いてきたんです。

 「やめてーもう嫌だよ。早くここから逃げてよ。何してるの?車動かしてよ」

 女友達にそう言われたんですが、まったく足に力が入らなく、声までも出なくなったんです。するとその赤い服の女が車のすぐ2メートル近く後ろまで来た時に、みんなは頭を抱えて下に隠れるような仕草を取ったんですが、なぜか、僕はミラーを直視したまま、今度は体の自由が無くなったんです。徐々にその赤い服の女が、僕の運転席側まで近づいてくるのが今でも鮮明に覚えています。
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