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第一章
出会い 4
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昼食の時間になり、真莉愛と私は近くの席の子に場所を変わってもらって一緒にお弁当を食べた。ほかの子は自分の席で黙食したり、同じ中学校出身の子たちが集まって、机を向かい合わせて食事をしたりと様々だ。
まだ入学式翌日でみんなも様子見の段階なのだろう。真莉愛以外にも仲良くなれそうな子がいればいいな。
昼休みが終われば清掃の時間だ。
昨日の配布物の中に、担任の中居先生が事前に決めた暫定的な清掃場所が割り当てられていて、私は教室の清掃当番になっていた。
午後からのホームルームで、清掃場所やクラス役員、委員会役員などを選出することになっていて、明日からはまた違う場所の掃除当番になるかもしれない。
昼休みの時間に、真莉愛はクラスの女子から話しかけられた。
身長が高く、まるでタカラジェンヌのような真莉愛は人の目を惹く。私は昨日、偶然話しかけられて真莉愛と一緒にいるけれど、もし真莉愛から話しかけられなかったら、遠目からその光景を眺めてるだけだっただろう。
真莉愛のおかげで私も話の輪に混ざることができて、その子たちと友達になった。
連絡先を交換し、SNSアカウントをフォローし合っていたら、あっという間に清掃の時間だ。私たちはスマホの電源を落としてカバンの中にしまうと、それぞれに割り当てられた清掃場所の掃除をした。
五限目はホームルームで、それぞれの役員決めをした。
私は美化委員を引き当てて、校内の花壇の手入れを持ち回りで行うこととなった。
真莉愛は広報委員になり、教室内に貼る掲示物の担当だ。身長が高いから、適任だ。
先ほど連絡先を交換した山下芽美ちゃんは図書委員に、同じく連絡先を交換した渡辺花音ちゃんは保健委員となった。
「クラス全員に割り当てがあるから、それぞれが適任かどうかはわからないけど、面倒なものに当たらなくてよかったね」
ホームルームが終わり、中居先生と落合先生が教室を後にすると、真莉愛、芽美ちゃん、花音ちゃんが私の席へとやってくる。今はまだ出席番号で並んでいる関係で、私の席がちょうど中間地点になるからだろう。
「この後、体育館で部活動紹介があったよね。整列していかなきゃならないの、面倒だね」
花音ちゃんがぼやくと、真莉愛が一際大きく溜め息を吐く。
「それな。私、身長が高いから、どうしても運動部から勧誘される未来しか見えないんだけどね……。中学校の頃に膝を怪我しちゃってさ、激しい運動はドクターストップかかってるんだよね」
真莉愛の言葉に、私たちは何と声を発していいかわからず、真莉愛が次の言葉を発するのを待った。
「と言うわけで、部活するなら文化部に入ろうと思うんだけど、楽なとこってないかな」
真莉愛の言葉に、芽美ちゃんが反応する。
「私のお姉ちゃんが、箏曲部にいるよ。毎日の活動にはなるけど、練習は十八時で終わりだって」
「箏曲? って、お琴? あの付け爪をつけて弦を奏でるやつだっけ?」
芽美ちゃんの言葉に反応したのは花音ちゃんだ。
「うん、それそれ。うちのお姉ちゃん、中学まで吹奏楽やっていたんだけどね、ここの高校って全国大会に出るレベルの部活だし、足を引っ張るのも嫌だからってお琴を始めたんだけど。箏曲部のメンバーって、ほとんどが吹奏楽部経験者らしいから、きっと芽美が入部を決めたら大歓迎だよ」
「まあ、すぐに入部を決めなくても部活動見学もあるし、仮入部で合わないと思ったら、違うとこ行けばいいよ」
花音ちゃんと真莉愛が、芽美ちゃんにそう話し掛ける。
「香織ちゃんは、もう部活は決めたの?」
そう言って、花音ちゃんが再び口を開く。
一年生は、全員がどこかの部に所属しなければならいと知ったのは、入学説明会の日で、私はこの高校にどんな部があるか全く知らなかった。
それを素直に口にすると、花音ちゃんが再び口を開く。
「活動のゆるい部は争奪戦になるからね。特に写真部は、一眼レフの貸し出しできる数が決まってるから、入部の人数制限があるんだって。上級生にコネがなかったら、難しいかも」
「え? そうなの? じゃあほぼ絶望的じゃん……」
楽な部に入りたいと言っていた真莉愛は、ガックリと頭を垂れる。
「まあ、二年生になれば部活動も強制じゃないから、退部する人もいるだろうし。三年生も夏休み前に引退だから、希望はあるかもよ。あ、そろそろ整列しようか」
花音ちゃんの声に、私たちは教室の後ろで出席番号順に整列し、体育館へと向かった。
まだ入学式翌日でみんなも様子見の段階なのだろう。真莉愛以外にも仲良くなれそうな子がいればいいな。
昼休みが終われば清掃の時間だ。
昨日の配布物の中に、担任の中居先生が事前に決めた暫定的な清掃場所が割り当てられていて、私は教室の清掃当番になっていた。
午後からのホームルームで、清掃場所やクラス役員、委員会役員などを選出することになっていて、明日からはまた違う場所の掃除当番になるかもしれない。
昼休みの時間に、真莉愛はクラスの女子から話しかけられた。
身長が高く、まるでタカラジェンヌのような真莉愛は人の目を惹く。私は昨日、偶然話しかけられて真莉愛と一緒にいるけれど、もし真莉愛から話しかけられなかったら、遠目からその光景を眺めてるだけだっただろう。
真莉愛のおかげで私も話の輪に混ざることができて、その子たちと友達になった。
連絡先を交換し、SNSアカウントをフォローし合っていたら、あっという間に清掃の時間だ。私たちはスマホの電源を落としてカバンの中にしまうと、それぞれに割り当てられた清掃場所の掃除をした。
五限目はホームルームで、それぞれの役員決めをした。
私は美化委員を引き当てて、校内の花壇の手入れを持ち回りで行うこととなった。
真莉愛は広報委員になり、教室内に貼る掲示物の担当だ。身長が高いから、適任だ。
先ほど連絡先を交換した山下芽美ちゃんは図書委員に、同じく連絡先を交換した渡辺花音ちゃんは保健委員となった。
「クラス全員に割り当てがあるから、それぞれが適任かどうかはわからないけど、面倒なものに当たらなくてよかったね」
ホームルームが終わり、中居先生と落合先生が教室を後にすると、真莉愛、芽美ちゃん、花音ちゃんが私の席へとやってくる。今はまだ出席番号で並んでいる関係で、私の席がちょうど中間地点になるからだろう。
「この後、体育館で部活動紹介があったよね。整列していかなきゃならないの、面倒だね」
花音ちゃんがぼやくと、真莉愛が一際大きく溜め息を吐く。
「それな。私、身長が高いから、どうしても運動部から勧誘される未来しか見えないんだけどね……。中学校の頃に膝を怪我しちゃってさ、激しい運動はドクターストップかかってるんだよね」
真莉愛の言葉に、私たちは何と声を発していいかわからず、真莉愛が次の言葉を発するのを待った。
「と言うわけで、部活するなら文化部に入ろうと思うんだけど、楽なとこってないかな」
真莉愛の言葉に、芽美ちゃんが反応する。
「私のお姉ちゃんが、箏曲部にいるよ。毎日の活動にはなるけど、練習は十八時で終わりだって」
「箏曲? って、お琴? あの付け爪をつけて弦を奏でるやつだっけ?」
芽美ちゃんの言葉に反応したのは花音ちゃんだ。
「うん、それそれ。うちのお姉ちゃん、中学まで吹奏楽やっていたんだけどね、ここの高校って全国大会に出るレベルの部活だし、足を引っ張るのも嫌だからってお琴を始めたんだけど。箏曲部のメンバーって、ほとんどが吹奏楽部経験者らしいから、きっと芽美が入部を決めたら大歓迎だよ」
「まあ、すぐに入部を決めなくても部活動見学もあるし、仮入部で合わないと思ったら、違うとこ行けばいいよ」
花音ちゃんと真莉愛が、芽美ちゃんにそう話し掛ける。
「香織ちゃんは、もう部活は決めたの?」
そう言って、花音ちゃんが再び口を開く。
一年生は、全員がどこかの部に所属しなければならいと知ったのは、入学説明会の日で、私はこの高校にどんな部があるか全く知らなかった。
それを素直に口にすると、花音ちゃんが再び口を開く。
「活動のゆるい部は争奪戦になるからね。特に写真部は、一眼レフの貸し出しできる数が決まってるから、入部の人数制限があるんだって。上級生にコネがなかったら、難しいかも」
「え? そうなの? じゃあほぼ絶望的じゃん……」
楽な部に入りたいと言っていた真莉愛は、ガックリと頭を垂れる。
「まあ、二年生になれば部活動も強制じゃないから、退部する人もいるだろうし。三年生も夏休み前に引退だから、希望はあるかもよ。あ、そろそろ整列しようか」
花音ちゃんの声に、私たちは教室の後ろで出席番号順に整列し、体育館へと向かった。
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