望む世界

不思議ちゃん

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重要な情報

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 薫の方にいる【ゾンビ犬】が多少の傷を受けてでも仕留めるよう指示されたのか。
 戦闘が激しくなっていた。

 反撃できておらず、避ける場面にも少し危うさがある。
 もうしばらくは持つであろうが、薫の方もそろそろ体力的に厳しそうだ。

 集中も切れかかっているように見えるし、早いとこ終わらせて休まないと。
 こんな所でグダグダやっていたら、あとあと厳しいな……。

 邪魔してくる犬に目を向け、ため息をつく。

 指示してる人がいるとして、その指示にラグがあるのかどうかで難易度というか、面倒さが変わる。

 『避けろ』と指示を出し、犬がその指示を受けて避けるのか。
 指示してる人が犬そのものを操っているのか。

 前者なら僅かのラグが隙となって倒せるんだが、後者の場合は面倒。
 加えて視覚を2匹同時に見れるのだとしたら、死角がなくなる特典付きだ。

 ただの勘でしかないが、どうもそうっぽいんだよなぁ。

 だからこそ、カウンターの決まりがイマイチなのだ。

 本人相手なら読み合いで勝てそうなのだが、犬だと読むも何もない。

 今の状態から抜け出すため、空いてる手にパチンコを持ち、バールを持ちながら弾を引っ張る。

 邪魔する犬に狙いをつけて飛ばした弾は当然、避けられる。
 だけどそのまま飛んでいった弾は薫に噛み付こうとしていた犬の脇腹あたりに上手く当たり、隙を晒す。

 そうなる未来を見ていた薫はコンマの時間を無駄にする事なく隙を晒した犬を仕留め、背後から襲ってきた犬の攻撃を逸らしていた。

 続けて2発、3発と弾を飛ばしていくが、それらは避けられて当たらない。
 当たらないが、薫を囲っていた犬の連携は崩れ、少し余裕を戻せたようだ。

 俺の邪魔をしていた犬だが、指示してる奴が動揺してるようで、動きが明らかに鈍っている。

 そんな隙を逃さず、バールで2匹の頭を潰していく。

 相手は賢いようだけど、想定外のことには弱いらしい。
 これは対面した時、楽できる重要な情報だ。

 この場で俺らを仕留めるのは諦めたのか、薫を囲っていた犬たちの動きも鈍くなる。

「疲れてるのは分かってるが、1匹だけ残しておけ。なんで避けられてるのか検証する」

 今すぐ横になって眠りたい気持ちを抑え、検証に移る。
 この機会を逃せば、次がいつになるのか分からないからな。
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