望む世界

不思議ちゃん

文字の大きさ
上 下
83 / 91
◾︎が◾︎◾︎◾︎◾︎

何が違うのだろうか

しおりを挟む
 いきなり2匹やられた事で警戒してるのか。
 俺を囲んでいるのは変わらないが、襲いかかって来ない。

 自ら突っ込んでやるよりもカウンターの方が楽であるため、しびれ切らすまで待つのもやぶさかではないが。

 前提として万全の状態であることが望ましい。

 連戦であるため、体力、精神力ともに大きく削られていた。

 そのため、このままだと俺の集中が切れて終わる。
 死角を狙ってくるような相手だ。
 明確な隙を逃さはずがないだろう。

 バールを持って構えていた手を下げ、わざとらしくない程度にフラついて見せれば。

「…………ふふっ」

 自ら突っ込んで来てくれる。
 1回目の攻防では関わって来なかった犬Gが背後から襲いかかって来た。
 それに合わせ、残っていた【ゾンビ犬】もタイミングをずらし、俺を殺さんと牙を剥く。

 犬Gを避け、他も避けていき、最後に襲いかかって来た【ゾンビ犬】を倒そうとしても。
 それまでに犬Gが体勢を立て直してまた襲いかかってくるだろう。

 そうしたら抜け出せない地獄が始まる──なんて事は無い。

 どこかでズレが出てくるため、対処は容易だ。
 まあ、普通はそうなる前に死ぬんだが。
 
 それに、そうなる前に倒せばいい。

 背後から襲いかかって来た犬Gが、タイミングずらして襲いかかって来た犬……F? と俺の間にくるよう、避ければいい。

 タイミングずらして襲いかかってるとはいえ、相手に立て直す時間を与えるほど間隔が会ったら意味がない。

 なので犬Fは犬Gにぶつかり、俺は3番目に突っ込んで来ていた犬Aにバールを振り下ろす。

 1歩、俺が早く動き出していたため。
 犬Aを倒しても次が襲ってくるまでに少しだが余裕が生まれ。

 4番目に来ていた犬っころをバールに引っ掛け、態勢を立て直そうとしていた犬Fと犬Gに向けて放る。
 俺の筋力だけじゃ無理だが、突っ込んで来た勢いを利用しているため、派手にぶつかって3匹は倒れこむ。

 最後の犬……D? もサクッと頭にバールを突き立て。
 倒れた3匹を見れば、足の骨折ったらしくて立ち上がろうとしても転んでいた。

 骨がただ折れただけなら立てそうなものだが、変な方向に曲がってしまったため、バランスが取れないのだろう。

 【ゾンビ】でなければ3本足でも立てたような気がするが……気の所為だったか?

 まだ倒してないが、俺の方は一息ついたため。
 薫を見て見れば、やはり攻撃を上手く避けられていた。

 2匹ほど深い傷が見えるけど、動きに問題はないらしく。
 1匹も減らせていない状況だ。

 俺の時はそんな事なかったのに、何が違うのだろうか。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

アポリアの林

千年砂漠
ホラー
 中学三年生の久住晴彦は学校でのイジメに耐えかねて家出し、プロフィール完全未公開の小説家の羽崎薫に保護された。  しかし羽崎の家で一ヶ月過した後家に戻った晴彦は重大な事件を起こしてしまう。  晴彦の事件を捜査する井川達夫と小宮俊介は、晴彦を保護した羽崎に滞在中の晴彦の話を聞きに行くが、特に不審な点はない。が、羽崎の家のある林の中で赤いワンピースの少女を見た小宮は、少女に示唆され夢で晴彦が事件を起こすまでの日々の追体験をするようになる。  羽崎の態度に引っかかる物を感じた井川は、晴彦のクラスメートで人の意識や感情が見える共感覚の持ち主の原田詩織の助けを得て小宮と共に、羽崎と少女の謎の解明へと乗り出す。

『忌み地・元霧原村の怪』

潮ノ海月
ホラー
とある年の五月の中旬、都会から来た転校生、神代渉が霧野川高校の教室に現れる。彼の洗練された姿に女子たちは興味を示し、一部の男子は不満を抱く。その中、主人公の森月和也は、渉の涼やかな笑顔の裏に冷たさを感じ、彼に違和感を感じた。 渉の編入から一週間が過ぎ、男子達も次第に渉を受け入れ、和也の友人の野風雄二も渉の魅力に引き込まれ、彼の友人となった。転校生騒ぎが終息しかけたある日の学校の昼休み、女子二人が『こっくりさん』で遊び始め、突然の悲鳴が教室に響く。そしてその翌日、同じクラスの女子、清水莉子が体調不良で休み、『こっくりさん』の祟りという噂が学校中に広まっていく。その次の日の放課後、莉子を心配したと斉藤凪紗は、彼女の友人である和也、雄二、凪沙、葵、渉の五人と共に莉子の家を訪れる。すると莉子の家は重苦しい雰囲気に包まれ、莉子の母親は憔悴した姿に変わっていた。その異変に気づいた渉と和也が莉子の部屋へ入ると、彼女は霊障によって変わり果てた姿に。しかし、彼女の霊障は始まりでしかなく、その後に起こる霊障、怪異。そして元霧原村に古くから伝わる因習、忌み地にまつわる闇、恐怖の怪異へと続く序章に過ぎなかった。 《主人公は和也(語り部)となります》

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

リューズ

宮田歩
ホラー
アンティークの機械式の手に入れた平田。ふとした事でリューズをいじってみると、時間が飛んだ。しかも飛ばした記憶ははっきりとしている。平田は「嫌な時間を飛ばす」と言う夢の様な生活を手に入れた…。

奇怪未解世界

五月 病
ホラー
突如大勢の人間が消えるという事件が起きた。 学内にいた人間の中で唯一生存した女子高生そよぎは自身に降りかかる怪異を退け、消えた友人たちを取り戻すために「怪人アンサー」に助けを求める。 奇妙な契約関係になった怪人アンサーとそよぎは学校の人間が消えた理由を見つけ出すため夕刻から深夜にかけて調査を進めていく。 その過程で様々な怪異に遭遇していくことになっていくが……。

禊(みそぎ)

宮田歩
ホラー
車にはねられて自分の葬式を見てしまった、浮遊霊となった私。神社に願掛けに行くが——。

歩きスマホ

宮田歩
ホラー
イヤホンしながらの歩きスマホで車に轢かれて亡くなった美咲。あの世で三途の橋を渡ろうとした時、通行料の「六文銭」をモバイルSuicaで支払える現実に——。

岡●県にある●●村の●●に関する話

ちょこち。
ホラー
岡●県の、とある村について少しでも情報や、知ってる事がある方が居れば、何卒、教えて頂けると幸いです。

処理中です...