望む世界

不思議ちゃん

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◾︎が◾︎◾︎◾︎◾︎

怯えている

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 死ぬ光景を見るのは何度目だろうか。

 首を刎ねられ、胴体を切られ。

 目を貫かれ、心臓を貫かれ。

 考える時間を与えてはくれず、体力的に、精神的にだいぶ疲労を感じている。

 一応、案がないわけでもないのだが、どうなるのか分からないので実行に移せていない。

 何度か横目に見た限りでは、鎖鎌の子よりも薫の方が実力があるらしく。

 無傷の薫に対してたくさんの切り傷をつけられていた。
 もちろん、未来が見えるってのが大きな優位を保ってるわけだが。

 このまま粘れば、鎖鎌を倒した薫が手助けに来てくれるかもしれないが、まだまだ時間がかかりそうだ。

 擦り傷は付けられても、致命傷までは無理らしい。

 考えていた案は1対1の状態から2対2へと持ち込むことである。

 懸念事項はこの双子が一緒になって戦った時、手がつけられなくなるのでは。
 といったとこだ。

 …………。
 よくあるのだと、2体いるボスは同時に倒さないと面倒な事になる。

 最初に包丁投げただけで、薙刀の子のヘイトをだいぶ稼いだようだし。
 薫が先に鎖鎌の子を倒したら、『状態;怒り』にでもなって手がつけられなくなりそうな。

 だからといって逆に薙刀の子を先に倒したら、鎖鎌の子は豹変する。……はずだ。

 予測の域を出ないし、根拠はない。

 だからといって無視できないのがこの世界。

「…………ん?」

 疲れて頭がおかしくなったのか、半ば反射で体を動かしていたが。

 突然、薙刀の子は攻撃の手を止めて距離を取る。

 先ほどの状態は防御主体であるため、カウンターを仕掛ける気は無かった。

 にも関わらず、俺のことを警戒して攻めてこない。
 それにどこか怯えているようにも見える。
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