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劣化変異種
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瞬間、走ってこちらへと向かってくる。
少し不自然だが、ほぼ人と同じような走り方で。
これを見て、引っかかっていたものがなんなのか分かった気がする。
これまでの【ゾンビ】はびっこを引いて歩いていたのだが、こいつは人に近かった。
それでもどこか不自然であったため、分からなかったのだろう。
……こいつ、【ゾンビ】なのに走っている。
【地雷型変異種】……じゃないな。
さっきまで歩いていたし。
それに速さも【ゾンビ犬】より遅い。
【変異種】と対峙した時ほどプレッシャーを感じない。
【ゾンビ】よりも上……【劣化変異種】みたいなものか?
「おにーさん、大丈夫だと思うけど気を付けてね」
薫はそれだけ口にし、【劣化変異種】へと突っ込んでいき。
掴もうと伸ばされた手を避け、トンカチで頭を潰している。
身体能力が人並みになっただけならば、未来の見える薫の相手にはならないな。
動きが人並みになった。
だからといって、知能までついた訳ではない。
動き自体は単調なままだが、テンポが早くなっている。
これまでの【ゾンビ】と同じように相手をしていれば、複数体に囲まれた時……簡単に死ぬだろう。
素早く状況判断が出来なければいけなくなる。
「…………おっと」
倒されたのを合図に、【劣化変異種】が出てきた曲がり角から追加で10数体、走ってきた。
薫は倒してすぐに俺の方へ戻ってきているが、戦った時に互いが邪魔にならないよう距離を取っている。
俺はトンカチも取り出し、荷物を地面へと下ろす。
背負ったまま戦って背後から襲われた時の盾にするのと、動きやすさを重視した時。
どちらかと言えば後者を取りたい。
死ぬ時だけだが未来が見える。
なら、強気に攻めても問題ないだろう。
守りを固めて囲まれ、詰んだ状況は避けたい。
場所に物資、使える駒が揃っているのなら。
守りを固めても問題はないが、そんな好条件が揃うなんてまず無いだろう。
結局は己自身でやらねばならないのだ。
少し不自然だが、ほぼ人と同じような走り方で。
これを見て、引っかかっていたものがなんなのか分かった気がする。
これまでの【ゾンビ】はびっこを引いて歩いていたのだが、こいつは人に近かった。
それでもどこか不自然であったため、分からなかったのだろう。
……こいつ、【ゾンビ】なのに走っている。
【地雷型変異種】……じゃないな。
さっきまで歩いていたし。
それに速さも【ゾンビ犬】より遅い。
【変異種】と対峙した時ほどプレッシャーを感じない。
【ゾンビ】よりも上……【劣化変異種】みたいなものか?
「おにーさん、大丈夫だと思うけど気を付けてね」
薫はそれだけ口にし、【劣化変異種】へと突っ込んでいき。
掴もうと伸ばされた手を避け、トンカチで頭を潰している。
身体能力が人並みになっただけならば、未来の見える薫の相手にはならないな。
動きが人並みになった。
だからといって、知能までついた訳ではない。
動き自体は単調なままだが、テンポが早くなっている。
これまでの【ゾンビ】と同じように相手をしていれば、複数体に囲まれた時……簡単に死ぬだろう。
素早く状況判断が出来なければいけなくなる。
「…………おっと」
倒されたのを合図に、【劣化変異種】が出てきた曲がり角から追加で10数体、走ってきた。
薫は倒してすぐに俺の方へ戻ってきているが、戦った時に互いが邪魔にならないよう距離を取っている。
俺はトンカチも取り出し、荷物を地面へと下ろす。
背負ったまま戦って背後から襲われた時の盾にするのと、動きやすさを重視した時。
どちらかと言えば後者を取りたい。
死ぬ時だけだが未来が見える。
なら、強気に攻めても問題ないだろう。
守りを固めて囲まれ、詰んだ状況は避けたい。
場所に物資、使える駒が揃っているのなら。
守りを固めても問題はないが、そんな好条件が揃うなんてまず無いだろう。
結局は己自身でやらねばならないのだ。
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