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◾︎が◾︎◾︎◾︎◾︎
先の楽しみ
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あれが過ぎ去り、音が小さくなっても隠れたままでいたのだが。
「…………何もないな」
何かが現れるというわけでもなく、静寂が場を支配しており。
【ゾンビ】が1体もいない道路をボーッと見て、ふと気がついた。
いないのは、あの馬鹿でかい【変異種】の身体として使われたからでは……?
そう思いながら、違うと自分で否定していた。
ある程度の数が必要なため、確かに減るが……あの【変異種】1体だけじゃ【ゾンビ】がいない理由にはならない。
あれが1体だけじゃない可能性もあるが、あんなのが5体、6体っていられても困る。
他に理由があるとしても、情報がなさすぎて推測ができない。
「…………はぁ」
さらに数分と過ぎたが、特に何事もないようだし。
薫と合流して先に進むか。
「っ!?」
立ち上がり、身体をほぐしていたら誰かに見られている感覚が。
気のせいではなく、今も確かに見られていると感じている。
そちらに目を向けるが、誰も居らず。
ビルとマンションがあるだけで、人影はない。
…………。
真正面の建物と建物の間に通りがあり。
ずっと先に取り敢えずの目的地としてある都市が見える。
まさか、あそこから見られているのか……?
可能性としては本来なら0なのだが……【異能】のある今となっては話が別だ。
どこの誰だか知らないけど、俺らと一緒で強かに生きている奴がいるらしい。
先手を取られたが、不利な中で戦うというのも考えてみれば楽しそうだ。
相手がすぐにボロを出さないでくれると助かるな。
……おっと。
口に手を当てて気付いたが、また笑みを浮かべていたらしい。
「ふふっ」
すでに視線は感じられないが、先の楽しみができた嬉しさで笑みがこぼれてしまう。
こんな表情のまま薫に合えば何があったのか聞かれるだろうが、その時はその時だ。
ここに登ってきた時と同じように、ベランダから降りていく。
そして道路を挟んで反対側にあるマンションへと向かっていたが。
──パキンッ
「ほほほ。なかなかいい反応をお持ちで」
「…………何もないな」
何かが現れるというわけでもなく、静寂が場を支配しており。
【ゾンビ】が1体もいない道路をボーッと見て、ふと気がついた。
いないのは、あの馬鹿でかい【変異種】の身体として使われたからでは……?
そう思いながら、違うと自分で否定していた。
ある程度の数が必要なため、確かに減るが……あの【変異種】1体だけじゃ【ゾンビ】がいない理由にはならない。
あれが1体だけじゃない可能性もあるが、あんなのが5体、6体っていられても困る。
他に理由があるとしても、情報がなさすぎて推測ができない。
「…………はぁ」
さらに数分と過ぎたが、特に何事もないようだし。
薫と合流して先に進むか。
「っ!?」
立ち上がり、身体をほぐしていたら誰かに見られている感覚が。
気のせいではなく、今も確かに見られていると感じている。
そちらに目を向けるが、誰も居らず。
ビルとマンションがあるだけで、人影はない。
…………。
真正面の建物と建物の間に通りがあり。
ずっと先に取り敢えずの目的地としてある都市が見える。
まさか、あそこから見られているのか……?
可能性としては本来なら0なのだが……【異能】のある今となっては話が別だ。
どこの誰だか知らないけど、俺らと一緒で強かに生きている奴がいるらしい。
先手を取られたが、不利な中で戦うというのも考えてみれば楽しそうだ。
相手がすぐにボロを出さないでくれると助かるな。
……おっと。
口に手を当てて気付いたが、また笑みを浮かべていたらしい。
「ふふっ」
すでに視線は感じられないが、先の楽しみができた嬉しさで笑みがこぼれてしまう。
こんな表情のまま薫に合えば何があったのか聞かれるだろうが、その時はその時だ。
ここに登ってきた時と同じように、ベランダから降りていく。
そして道路を挟んで反対側にあるマンションへと向かっていたが。
──パキンッ
「ほほほ。なかなかいい反応をお持ちで」
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