望む世界

不思議ちゃん

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◾︎が◾︎◾︎◾︎◾︎

飽きた

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「1度、休憩を入れるか」
「まだまだいけるけど?」
「ちょっとした変化があったんだ。先に進んでも休めるとは限らない」
「……おにーさんの言う事を聞く約束だもんね」

 つまらなそうにしているが、指示には従ってくれることに少し驚いている。
 もう少しゴネるかと思っていたが。

 4度目……5度目だったか?
 選んだ家のベランダに慣れた動きで登り、窓ガラスを割って家に入り。

 今回はゆっくりしたいため、全部の部屋を見て誰も、何もいないことを確認していく。

 確認を終えた後は昼の時間も少し過ぎてるため、カップ麺を食べて食休みを入れる。

「おにーさんって、考えるの好きだよね」

 先ほど考えていた『ステージ』などの話を話したのだが、それに対する感想がこれとは。

「人間は考える葦とか聞かない?」
「聞いたことならあるけど」
「んー……人間って括りで見ないほうがいい。人は動物だ。ただ他の動物よりも知能があるだけで、雑魚。知能もあるだけで、動物たちのが賢い生き方してるよ」

 人は動物じゃないとか言う人もいるらしいが、どうしてそう思ってるのか不思議でしょうがない。

「純粋な労働力として使えるのならまだいいが、考えるのをやめた人ほど要らないものはない」
「だからおにーさんは考えるの?」
「いや、ただ好きなだけ」
「……ここまでのくだりは?」
「いい感じに時間が経ったろ?」

 移動する準備を始めれば、薫も何か言いたそうにしていたが動き始める。

 目的地である都心まで、数日かかるだろう。
 何もなければ1日2日で着きそうなものだが、【ゾンビ】の警戒や戦闘、休憩などで時間を取られる。

 それに、何事もなく行けるとも限らないし。

 新たな【変異種】に遭遇する可能性は0じゃない。

 生存者と出会って揉めるかもしれない。
 そうなったら殺すだけだが。

 無駄な時間を過ごすことになる可能性だってあるのだから、どうすべきかを考える。

「準備できたか?」
「いつでもオッケーだよ」



☆☆☆



 空がオレンジ色に変わりつつある。

 出会う【地雷型】の【変異種】は飽きたのか、2体いようが3体いようが、作業になっていた。

 【ゾンビ】は言うまでもなく、あくびをしながら処理しているほどである。

 変わったと言っても、ただ【地雷型】の【変異種】が増えただけ。
 慣れれば警戒するほどのものではない。

 まあ、油断したら範囲内で音出して、お陀仏まっしぐらなんだが。

「…………おにーさん」
「どうした?」

 【ゾンビ】を倒し、中身で塀にアートを描いた薫が深刻そうな声色で声をかけてくる。

「飽きた」

 問いかけてみれば、一言。
 分かりやすい答えが返ってきた。

「あそこにいた時は暇で死にそうだったけど、飽きた」
「2回言わなくても通じてるって」
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