望む世界

不思議ちゃん

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終わらない始まり

どんな状況?

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 気づけば俺は横たわり、星空を見上げていた。

 いつの間にか日は沈み、欠けた月が仄かに周りを明るく照らしている。
 もしかしたら少しの間、気絶していた可能性すらあると思う。

 考えが上手くまとまらない。

 まとまらないが。

「…………星が、綺麗だ」

 今はただ、それだけを思った。

 まだ黒が多く残る星空だが、崩壊する前の日よりは見えている。

 今後は空気も澄んでいき、埋め尽くす星空が見えるのではないだろうか。
 何年かかるのか知らないが。

 顔だけを動かして周りを見れば、【変異種】は動くオブジェと化している。

 いまだ気持ち悪く動いており、周りには肉の塊が2つほど転がっていた。

「ぁー……薫?」
「子供でも簡単に殺せそうだけど、何をやっても私が死ぬ結果になるのは何でだろう?」

 顔を星空へと戻せば。
 俺の胴体を跨いで立ち、見下ろしている薫と目があった。

 何だか物騒なことを言っているし、とても楽しそうな笑みを浮かべてるが。
 何かをしてくるってわけじゃないようだ。

「突っ込んだのは?」
「さあ? おにーさんは倒れるし、私は何もしないしで、チャンスだと思ったんじゃない?」

 薫も突っ込んだところで死ぬのは分かっていたのに、伝えなかったようだ。

 伝えたところで信じていたかは怪しいが。

「今はどんな状況?」
「分かんない。何か話してるみたいだったけど私に近づいてこないし、アレはずっとああだし」

 【変異種】のあの動きにどんな意味があるのか。

 分かるのはちょっかいをかければ殺されることだけ。

 いつ終わるのかすら分からないため、ずっと警戒し続けなければならない。

 ……だったら今のうちに出てった方がいいかな。

 問題があるとすれば、俺も疲労から動くのにもうしばらく時間がかかるということか。
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