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終わらない始まり
新たな変異種の存在
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ちらりと、3人を見ても反応した様子はなかった。
奥寺がそうなのかと思っていたんだが、違ったか。
嫌な感じがしたのも質問に答えた時だけだったし、方向性は間違えてないだろう。
もしくは使えるのが限定的とか。
答えた事、話している事に関しての意図を読み取れたり、嘘が分かったり。
…………。
嘘の判別ができる感じだと、質疑があるこの場にいるのも不思議じゃないな。
でも、そしたらどうやってそれを伝えているのだろうか。
真ん中にいる篠塚がそういった【異能】もちか?
テレパシー、みたいな。
それで触れてないと発動できないのなら、イスを勧めて断られた事にも納得がいく。
推測だから断言できないし、うまく当てはまっているだけの可能性もある。
「【異能】の種類も人それぞれだが、どれが強い。なんてものはない。それぞれ長所短所がある。その使い道をしっかりと見極めればいいだけだ」
それくらい分かる。
長所短所、相性の問題もあるが、やはり使い道が多いものと限れたものでは汎用性のある方が勝手がいいだろう。
尖ったものは扱いにくいが、それ故に限定的な場面でとてつもない働きをする。
結局、どっちがいいと断言はできないのだが。
……そもそも、その【異能】は1人1つなのだろうか?
複数持っている可能性。
それは無いのだろうか?
「悪いけど、俺はここに残れない」
「…………そうか。なら無理強いはしないよ」
「ただ、少しだけなら傭兵倣いみたいなことをしてもいいと思っている。この世を生きる上で重要な情報を貰ったんだし」
「いや、それでも助かるよ」
ホッとしたように安心している東郷だが、そんなにも人手が足りないのだろうか。
一先ずの探り合いは終わりらしく。
ここでのルールを聞いた。
重要なことだけ抜き出せば。
仲間殺しはNG。
老人だろうが子供だろうが、働け。
少なくともこれを守っておけば大丈夫か。
その後に案内され、見て回ったんだが……思っていたよりも人が少なかった。
屋上にいた見張りも含めて50人ぐらいか。
屋上の見張りは駐車場とホームセンターそれぞれについていた。
半分に減らしたいところだが、見落としはないようにしたいという理由には納得できる。
2人1組もこの状況だと合理的か。
頭の回転が早い人、いるんだろうね。
ホームセンターの屋上はもともと植物を売ってるところだが、弄って野菜を育てているらしい。
……まあ、普通に考えて輸入できないもんな。
世界規模で終わってるんだから。
まだ生きている人はここの他に、どれだけいるのだろうか。
人の少ない田舎だと、生きてる人も多そうだが……いるのも爺さん婆さんばかりだしな。
屋上に畑作れたのも肥料や土も建物内に沢山あったからこそできたこと。
他の場所だとこうも上手くいかないね。
役割分担もしっかりしていた。
屋上の見張りに家事、野菜の管理、今ある食糧管理、など。
医者が1人に看護婦が2人いるらしく、その人たちはケガや病気の治療担当。
全員女性だとか。
「これで全部か?」
案内は他の人たちとの顔合わせも兼ねてだということは理解していた。
全部見て回ったが、俺が必要なほど困っているようには思えない。
「今いるのは全部だ」
「外に出てるのがいるのか?」
「ああ。選んだ精鋭を外に行かせている。情報収集と、生存者の確保。そして保存の効く食料の調達だ」
4人組を2チーム。
朝早くに出て、日が沈む前には帰ってくるらしい。
「俺、そんなに必要ないと思うんだが。上手くまとまってると思うよ」
「そうなんだが……」
何か話辛そうにしている。
それを伝えてしまい、俺がここから離れることを懸念してだろう。
「昨日のことだ。見張りの1人が報告してきたんだが、3メートルほどの大きさをした【ゾンビ】を見たらしいんだよ。それが皆の不安になってるらしくてな。……だから少しでも戦力が欲しい」
そういうことか。
だが、探索できるといっても強いわけではない。
俺の【異能】がなんなのか。それはまだわからないが、ダメそうだったらすぐ逃げよう。
それにしても3メートルほどの【ゾンビ】、ねえ……。
直接見てないからなんとも言えないが、【変異種】だろうか?
奥寺がそうなのかと思っていたんだが、違ったか。
嫌な感じがしたのも質問に答えた時だけだったし、方向性は間違えてないだろう。
もしくは使えるのが限定的とか。
答えた事、話している事に関しての意図を読み取れたり、嘘が分かったり。
…………。
嘘の判別ができる感じだと、質疑があるこの場にいるのも不思議じゃないな。
でも、そしたらどうやってそれを伝えているのだろうか。
真ん中にいる篠塚がそういった【異能】もちか?
テレパシー、みたいな。
それで触れてないと発動できないのなら、イスを勧めて断られた事にも納得がいく。
推測だから断言できないし、うまく当てはまっているだけの可能性もある。
「【異能】の種類も人それぞれだが、どれが強い。なんてものはない。それぞれ長所短所がある。その使い道をしっかりと見極めればいいだけだ」
それくらい分かる。
長所短所、相性の問題もあるが、やはり使い道が多いものと限れたものでは汎用性のある方が勝手がいいだろう。
尖ったものは扱いにくいが、それ故に限定的な場面でとてつもない働きをする。
結局、どっちがいいと断言はできないのだが。
……そもそも、その【異能】は1人1つなのだろうか?
複数持っている可能性。
それは無いのだろうか?
「悪いけど、俺はここに残れない」
「…………そうか。なら無理強いはしないよ」
「ただ、少しだけなら傭兵倣いみたいなことをしてもいいと思っている。この世を生きる上で重要な情報を貰ったんだし」
「いや、それでも助かるよ」
ホッとしたように安心している東郷だが、そんなにも人手が足りないのだろうか。
一先ずの探り合いは終わりらしく。
ここでのルールを聞いた。
重要なことだけ抜き出せば。
仲間殺しはNG。
老人だろうが子供だろうが、働け。
少なくともこれを守っておけば大丈夫か。
その後に案内され、見て回ったんだが……思っていたよりも人が少なかった。
屋上にいた見張りも含めて50人ぐらいか。
屋上の見張りは駐車場とホームセンターそれぞれについていた。
半分に減らしたいところだが、見落としはないようにしたいという理由には納得できる。
2人1組もこの状況だと合理的か。
頭の回転が早い人、いるんだろうね。
ホームセンターの屋上はもともと植物を売ってるところだが、弄って野菜を育てているらしい。
……まあ、普通に考えて輸入できないもんな。
世界規模で終わってるんだから。
まだ生きている人はここの他に、どれだけいるのだろうか。
人の少ない田舎だと、生きてる人も多そうだが……いるのも爺さん婆さんばかりだしな。
屋上に畑作れたのも肥料や土も建物内に沢山あったからこそできたこと。
他の場所だとこうも上手くいかないね。
役割分担もしっかりしていた。
屋上の見張りに家事、野菜の管理、今ある食糧管理、など。
医者が1人に看護婦が2人いるらしく、その人たちはケガや病気の治療担当。
全員女性だとか。
「これで全部か?」
案内は他の人たちとの顔合わせも兼ねてだということは理解していた。
全部見て回ったが、俺が必要なほど困っているようには思えない。
「今いるのは全部だ」
「外に出てるのがいるのか?」
「ああ。選んだ精鋭を外に行かせている。情報収集と、生存者の確保。そして保存の効く食料の調達だ」
4人組を2チーム。
朝早くに出て、日が沈む前には帰ってくるらしい。
「俺、そんなに必要ないと思うんだが。上手くまとまってると思うよ」
「そうなんだが……」
何か話辛そうにしている。
それを伝えてしまい、俺がここから離れることを懸念してだろう。
「昨日のことだ。見張りの1人が報告してきたんだが、3メートルほどの大きさをした【ゾンビ】を見たらしいんだよ。それが皆の不安になってるらしくてな。……だから少しでも戦力が欲しい」
そういうことか。
だが、探索できるといっても強いわけではない。
俺の【異能】がなんなのか。それはまだわからないが、ダメそうだったらすぐ逃げよう。
それにしても3メートルほどの【ゾンビ】、ねえ……。
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