92 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
87話 オーガとわたし
しおりを挟む
空の上は少し肌寒いです。
今はまだ、暖かい時期なので大丈夫ですが、寒くなるまでに、何か防寒対策をしなければいけませんね。
わたしは今、オリオンと空の上を飛んでいます。
鷲掴みではありません。
オリオンには、エドガーさんに作って貰った特製の手綱をつけて貰っています。
この手綱はマジックアイテムで、わたしやオリオンの意思で首飾りに変わります。
原理は説明されましたがよく分かりませんでした。
なんでも、とっておきの空間魔法のスクロールを使ったものらしいです。
そんな希少なものを使って貰って良いのですか?と聞いたら未来の希少な素材の為の投資だと言われました。
希少な素材を手に入れたら、持ち込んであげましょう。
オリオンの飛行速度はとても早く、数日ががりで移動するガナの街とガストの街を半日で飛ぶ事が出来ます。
今日もロック鳥のさえずり亭でお菓子を買った帰りです。
遊びに行っていた訳ではありませんよ。
フューイ代理にガナの冒険者ギルドに手紙を届ける依頼を受けたのです。
お菓子はついでです。
リゼさんに頼まれた分や、孤児院の子供達へのお土産もあります。
ガストの街まであと半分くらいでしょうか?
そろそろお昼にしましょう。
お昼を食べ終わり、出発しようかと思ったのですが、近くの森の中に薬草を見つけ、少し採取して帰る事にしました。
オリオンを送還すると、わたしは1人、薬草を採取し始めます。
一通り採取して、満足したので街道に戻ります。
今から帰ると遅くなるかも知れませんが、後は依頼完了の手続きくらいで、急ぐ事ではありません。
気にする事はないです。
「ん?」
なんだか街道の方が騒がしいですね。
わたしが森から街道の前に出ると、いきなり5体のオーガがこちらに駆け寄って来ました。
オーガの後ろ、街道には派手ではありませんが、高級感ある作りの馬車があります。
そして、馬車の周りには突然森から現れたわたしに、驚愕の表情を浮かべている騎士風の男性が3人。
どうやら、彼らはオーガ襲われて、敵わないまでも、どうにか追い払った。
っと言ったところでしょうか?
そしてオーガが逃げた先に突然現れたわたし(非常に遺憾ですが、見た目10~12歳)に驚いているのでしょう。
「くそ! なんで子供が!」
「いかん!」
「くっ間に合わない!」
騎士風の3人は驚愕から、沈痛な表情に変わります。
まぁ、確かに自分達が、追い払った魔物が少女を襲ったとなれば、良識ある者なら強い自責の念を抱くでしょうね。
ですが、今回、オーガの前に居るのはわたしです。
1体目のオーガとすれ違い様に水龍の戦斧を振り抜くと、オーガは上半身と下半身に真っ二つです。
クイックチェンジで、水龍の戦斧を双斧に持ち替えると、自分の前を走っていた仲間が一瞬で真っ二つになった事で、慌てて距離を取ろうと立ち止まったオーガに向けて、身体を回転させながら左右の手に持った戦斧で連撃を放ちます。
腕力に加え、魔力、遠心力の乗った攻撃は3体のオーガを葬るのには、十分な威力でした。
残るオーガは1体。
たまたま、1番後ろにいた為、生き残った運の良い1体です。
「がぁぁあ!」
あ!
最後のオーガが逃げ出しました。
しかし、逃しはしません!
わたしは、白雪姫と入れ替えに召喚した烈風の斧を、オーガの背中に向かって投擲します。
敵に背後を見せるとは愚かとしか言えませんね。
風の魔法が込められた烈風の斧を受けて、背中を大きく切り裂かれたオーガは、地面に倒れてのたうち回っています。
わたしも苦しませる趣味はありませんから、直ぐに首を落として楽にしてやります。
一通り、オーガの始末が終わると唖然としていた騎士風の男達の後ろ、上等な馬車から1人、男性が降りて来ました。
身なりを見る限り、やはり、貴族のようです。
それもなかなか、高位の貴族っぽいですね。
いえ、何と無くですが。
さて、向こうがどう出るかでわたしの対応も変わります。
例え、絡んで来たとしても、辺境伯家のメダルで大人しく引いてくれると良いのですが……
今はまだ、暖かい時期なので大丈夫ですが、寒くなるまでに、何か防寒対策をしなければいけませんね。
わたしは今、オリオンと空の上を飛んでいます。
鷲掴みではありません。
オリオンには、エドガーさんに作って貰った特製の手綱をつけて貰っています。
この手綱はマジックアイテムで、わたしやオリオンの意思で首飾りに変わります。
原理は説明されましたがよく分かりませんでした。
なんでも、とっておきの空間魔法のスクロールを使ったものらしいです。
そんな希少なものを使って貰って良いのですか?と聞いたら未来の希少な素材の為の投資だと言われました。
希少な素材を手に入れたら、持ち込んであげましょう。
オリオンの飛行速度はとても早く、数日ががりで移動するガナの街とガストの街を半日で飛ぶ事が出来ます。
今日もロック鳥のさえずり亭でお菓子を買った帰りです。
遊びに行っていた訳ではありませんよ。
フューイ代理にガナの冒険者ギルドに手紙を届ける依頼を受けたのです。
お菓子はついでです。
リゼさんに頼まれた分や、孤児院の子供達へのお土産もあります。
ガストの街まであと半分くらいでしょうか?
そろそろお昼にしましょう。
お昼を食べ終わり、出発しようかと思ったのですが、近くの森の中に薬草を見つけ、少し採取して帰る事にしました。
オリオンを送還すると、わたしは1人、薬草を採取し始めます。
一通り採取して、満足したので街道に戻ります。
今から帰ると遅くなるかも知れませんが、後は依頼完了の手続きくらいで、急ぐ事ではありません。
気にする事はないです。
「ん?」
なんだか街道の方が騒がしいですね。
わたしが森から街道の前に出ると、いきなり5体のオーガがこちらに駆け寄って来ました。
オーガの後ろ、街道には派手ではありませんが、高級感ある作りの馬車があります。
そして、馬車の周りには突然森から現れたわたしに、驚愕の表情を浮かべている騎士風の男性が3人。
どうやら、彼らはオーガ襲われて、敵わないまでも、どうにか追い払った。
っと言ったところでしょうか?
そしてオーガが逃げた先に突然現れたわたし(非常に遺憾ですが、見た目10~12歳)に驚いているのでしょう。
「くそ! なんで子供が!」
「いかん!」
「くっ間に合わない!」
騎士風の3人は驚愕から、沈痛な表情に変わります。
まぁ、確かに自分達が、追い払った魔物が少女を襲ったとなれば、良識ある者なら強い自責の念を抱くでしょうね。
ですが、今回、オーガの前に居るのはわたしです。
1体目のオーガとすれ違い様に水龍の戦斧を振り抜くと、オーガは上半身と下半身に真っ二つです。
クイックチェンジで、水龍の戦斧を双斧に持ち替えると、自分の前を走っていた仲間が一瞬で真っ二つになった事で、慌てて距離を取ろうと立ち止まったオーガに向けて、身体を回転させながら左右の手に持った戦斧で連撃を放ちます。
腕力に加え、魔力、遠心力の乗った攻撃は3体のオーガを葬るのには、十分な威力でした。
残るオーガは1体。
たまたま、1番後ろにいた為、生き残った運の良い1体です。
「がぁぁあ!」
あ!
最後のオーガが逃げ出しました。
しかし、逃しはしません!
わたしは、白雪姫と入れ替えに召喚した烈風の斧を、オーガの背中に向かって投擲します。
敵に背後を見せるとは愚かとしか言えませんね。
風の魔法が込められた烈風の斧を受けて、背中を大きく切り裂かれたオーガは、地面に倒れてのたうち回っています。
わたしも苦しませる趣味はありませんから、直ぐに首を落として楽にしてやります。
一通り、オーガの始末が終わると唖然としていた騎士風の男達の後ろ、上等な馬車から1人、男性が降りて来ました。
身なりを見る限り、やはり、貴族のようです。
それもなかなか、高位の貴族っぽいですね。
いえ、何と無くですが。
さて、向こうがどう出るかでわたしの対応も変わります。
例え、絡んで来たとしても、辺境伯家のメダルで大人しく引いてくれると良いのですが……
3
お気に入りに追加
2,363
あなたにおすすめの小説

最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。

異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる