神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

文字の大きさ
上 下
88 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

83話 地下とわたし

しおりを挟む
「よっと!」

  わたしは体の上にあった岩を力任せに押し退けます。
  土砂の中から生還したわたしは、取り敢えず落ちて来たと思われる上を見てみますが、すでに崩れた土砂で埋まってしまっています。

「ライト」

  生活魔法で灯りを灯し、辺りを観察します。
  ふむ、どうやらこの空間は自然に出来た物では有りませんね。
  壁は鉄の様な物では作られていますし、所々に電灯の様なものが付いていた跡が有ります。
  今、わたしがいる空間は6メートル四方くらいの部屋です。
  扉らしき物が1つ有る以外は何も有りませんね。
  扉に近くと、1つ気がついた事があります。

「取っ手が有りませんね?」

  引き戸でしょうか?
  しかし、指を掛ける場所も有りません。
  漫画だと上に開けたりするのが定番ですか?

「ふん!」

  ビクともしません。

「仕方ないですね。破壊しましょう」

ドガ
  扉?を破壊して部屋の外に出ると左右に通路が続いている様です。
  しかし、左側は土砂で埋まってしまっていて進めません。
  仕方ないので右に行きます。
  何と無く、映画とかで見た潜水艦とか研究所とかの通路みたいな場所です。

「お! 扉ですね」

  扉を見つけました。
  しかし、またもや取っ手が有りません。
  もしかしたら自動ドア的なものかも知れません。
  ギルドではこんな所に遺跡が有るなどと聞いていなかったので、ここは未だ発見されていない遺跡なのかも知れません。
  この世界では偶にこう言った前時代の遺跡が見つかる事があります。
  今の時代より進んだ技術を持つ古代の文明です。
  地球で言うところのムーやアトランティスみたいなものです。
  しかし、地球の伝説の存在である古代の超文明と違い、この世界では古代の進んだ文明は実際に存在したものです。
  わたしのカバーストーリーで使っている遺跡の魔法装置もちゃんと存在しています。
  文献の中にですが。
  新しく見つけた部屋の扉を破壊して中に入ってみます。
  何処かに脱出口は無いでしょうか?
  この部屋もさっきの部屋と同じく、6メートル四方くらいの広さです。
  しかし、この部屋には書類棚と机と椅子が有ります。
  執務室の様な感じです。
  
ビー ビー
『※※※※※※※※※   ※※※※※     ※※※※※※※※※』
  
「お⁉︎」

  わたしが部屋の中に踏み込むとサイレン音を鳴らしながら、部屋の隅にあったゴミ箱の様な形のモノがこちらに向かって来ます。
  何か言葉の様なモノも聞こえますが、意味は分かりません。
  ゴミ箱くん(命名わたし)がわたしの前、1メートルくらいで止まります。

『※※※※※※ ※※※※※  ※※※※※※※※※※※※』

  何を言っているのかさっぱり分かりません。
  わたしが首を傾げているとゴミ箱くんの上の蓋?が開き何かが出て来ました。
  
「映画などで見た事が有りますね」

  それはどうみても銃口です。

⁉︎
  ズガガガガガ

  いきなり撃って来ました。
  普通、警告とかが有って然るべきだと思います。

「あ! さっきのよく分からない言葉が警告だったのでしょうか?」

  恐らくこのゴミ箱くんは古代文明のセキュリティー装置的なモノではないでしょうか?
  
「ふぅ!」

  銃撃を躱しつつ、ゴミ箱くんのボディに水龍の戦斧を振るいます。 
  吹き飛び、壁に叩きつけられたゴミ箱くんですが、まだこちらに銃撃を続けています。

「思ったより頑丈ですね」

  それからゴミ箱くんは、魔力を込めた戦斧を何度も叩き込むことで、ようやく沈黙しました。
  古代分明が崩壊してからずっと動き続けていたとは驚きです。
  まぁ、ダンジョンの中にはこう言った古代分明の遺跡も有るそうですからね。
  そこから見つかる古代のマジックアイテムは高性能な物も多いとか。
  辺りを伺い、ゴミ箱くんの増援が現れない事を確認すると、書類棚に収まっていた書類を1枚手に取ります。

※※※※※※※※※※


※※※※※※※  ※※※※※※※※  ※※※※※
※※※※ ※※※※※※※※  ※※※※※※※※
※※※※※

※※      ※※※※※※※※※※※※※※
※※      ※※※  ※※※※※※  ※※※
※※      ※※※※※※※※※  ※※※※
※※     ※※※※※※※※※※※※※※
※※    ※※※※※※※※※  ※※※※※
※※      ※※※   ※※※※※※※※※※

  成る程、全く読めません。

「ん?」

  なんだか、視界の端でチカチカしたものが見えますね。
  いえ、見えていると言うのは少し違います。
  なんと言えば良いのか分かりませんが、例えるならオンラインゲームでお知らせがあった時のメッセージの様な感じです。

「ステータスですか」

  わたしはそのメッセージに従い、久しぶりにステータスを開くのでした。
しおりを挟む
感想 890

あなたにおすすめの小説

最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日 冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる 強いスキルを望むケインであったが、 スキル適性値はG オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物 友人からも家族からも馬鹿にされ、 尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン そんなある日、 『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。 その効果とは、 同じスキルを2つ以上持つ事ができ、 同系統の効果のスキルは効果が重複するという 恐ろしい物であった。 このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。      HOTランキング 1位!(2023年2月21日) ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

処理中です...