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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
52話 注文とわたし
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ガストの街の近くで数日野営をして、ストーンドレイクが追って来ていない事を確認して街に入ります。
あんな奴を引き連れて街に入ったのなら大惨事になります。
わたしはギルドに向かうとカウンターでお菓子を食べていたリゼさんに今回の依頼の成果を報告します。
「ストーンドレイク? あの辺りのボスはアイアンビーストだった筈なんだけど」
「アイアンビーストならストーンドレイクに食べられていましたよ」
「まぁ、いくらアイアンビーストでも竜種のストーンドレイクには勝てないか」
「取り敢えず、風魔石は手に入れましたから納品の仲介をお願いします」
「分かったわ、予定を調整するから明日の昼くらいにギルドに来てくれる?」
「はい、分かりました」
ギルドを出るとまだ日は高いですね。
市場でも覗いてから宿に戻る事にしましょう。
幾つかの珍しい果物を購入しながら店を冷やかして廻ります。
「お、これは……」
「ん? 嬢ちゃん、これが何か知ってんのか?」
「えぇ、知っていますよ」
「そうか、どうだ、安くしとくから少し買っていかないか?
実は知り合いの商人から余った在庫を押し付けられち待ってな。
干し肉みたいな食べ物だってのは分かるんだが、余り、美味くもねぇし、どうしたもんかと思ってたんだ」
「なるほど、ちなみに幾らですか?」
「そうだな、まぁ、在庫が捌ければ利益はほとんど無くて良い、一括りで小銀貨1枚でどうだ?」
「はい、そのお値段で構いません。
お店にある在庫を全て売って下さい」
「へ?」
「全部です」
「い、良いのか? 安くしているつもりだが全部となるとかなりの値段になるぞ?」
「ご心配なく、わたしはBランク冒険者です。
お金には余裕が有ります」
「そ、そうか? まぁ、在庫を引き取ってくれるなら有難い。
どうやって持っていくんだ?」
「マジックバックが有りますから大丈夫です」
「そ、そうか」
呆気に取られる店主さんから商品を受け取りマジックバック(アイテムボックス)にしまいます。
ふふふ、今日、わたしがゲットしたのは和食には欠かせないアレです。
黒くて硬い干し肉の様なアレ、そう、干し昆布です。
これで出汁をとり放題です。
出来れば海にでも行った時に干し魚も買いたいですね。
翌日の昼、納品のため、ギルドに来ています。
「風魔石が25個確かに」
エドガーさんは1つ1つ品質を確認した風魔石を自分のマジックバックにしまいました。
わたしはエドガーさんから受け取った金貨をアイテムボックスにしまいます。
また金銭感覚が狂いそうです。
高ランク冒険者の収入としては普通より少し下くらいらしいのですが……
「ありがとう。また、お願いするよ」
「はい、よろしくお願いします」
エドガーさんと握手を交わしてギルドを出ました。
今日はこれからガルフさんの工房に行って新しい戦斧を作って貰おうと思っています。
憧れのオーダーメイドです。
出来れば何か魔法効果を付与して、マジックアイテムにして欲しいです。
「ガルフさん! 戦斧を作って下さい」
ガルフさんの工房を訪れたわたしは早速、注文を出します。
「おいおい、いきなりだな。
今まで使ってた魔鋼の戦斧はどうした?」
「砕けました、それはもう粉々に」
「は!? 砕けた?」
「はい、コレです」
わたしは魔鋼の戦斧……だった棒をガルフさんに見せます。
「お前……一体何やったらこんな風に砕けるんだ?」
「いやぁ、ストーンドレイクと一戦交えました」
「なに、ストーンドレイク!?
それで、勝ったのか? 素材は?」
「いえ、深手を与える事は出来たのですが、その際、戦斧が砕けてしまいまして、仕方なく戦略的に撤退したのです」
「なるほど、武器を壊され逃げ帰って来たって事か」
「いえ、逃げてはないですよ。
あのまま戦い続けるリスクとリターンを秤にかけ、冷静な判断で積極的に後退したのです」
「わかった! わかった! お前さん意外と負けず嫌いだな」
その後わたしとガルフさんは新しい戦斧の詳細を詰めていきました。
あんな奴を引き連れて街に入ったのなら大惨事になります。
わたしはギルドに向かうとカウンターでお菓子を食べていたリゼさんに今回の依頼の成果を報告します。
「ストーンドレイク? あの辺りのボスはアイアンビーストだった筈なんだけど」
「アイアンビーストならストーンドレイクに食べられていましたよ」
「まぁ、いくらアイアンビーストでも竜種のストーンドレイクには勝てないか」
「取り敢えず、風魔石は手に入れましたから納品の仲介をお願いします」
「分かったわ、予定を調整するから明日の昼くらいにギルドに来てくれる?」
「はい、分かりました」
ギルドを出るとまだ日は高いですね。
市場でも覗いてから宿に戻る事にしましょう。
幾つかの珍しい果物を購入しながら店を冷やかして廻ります。
「お、これは……」
「ん? 嬢ちゃん、これが何か知ってんのか?」
「えぇ、知っていますよ」
「そうか、どうだ、安くしとくから少し買っていかないか?
実は知り合いの商人から余った在庫を押し付けられち待ってな。
干し肉みたいな食べ物だってのは分かるんだが、余り、美味くもねぇし、どうしたもんかと思ってたんだ」
「なるほど、ちなみに幾らですか?」
「そうだな、まぁ、在庫が捌ければ利益はほとんど無くて良い、一括りで小銀貨1枚でどうだ?」
「はい、そのお値段で構いません。
お店にある在庫を全て売って下さい」
「へ?」
「全部です」
「い、良いのか? 安くしているつもりだが全部となるとかなりの値段になるぞ?」
「ご心配なく、わたしはBランク冒険者です。
お金には余裕が有ります」
「そ、そうか? まぁ、在庫を引き取ってくれるなら有難い。
どうやって持っていくんだ?」
「マジックバックが有りますから大丈夫です」
「そ、そうか」
呆気に取られる店主さんから商品を受け取りマジックバック(アイテムボックス)にしまいます。
ふふふ、今日、わたしがゲットしたのは和食には欠かせないアレです。
黒くて硬い干し肉の様なアレ、そう、干し昆布です。
これで出汁をとり放題です。
出来れば海にでも行った時に干し魚も買いたいですね。
翌日の昼、納品のため、ギルドに来ています。
「風魔石が25個確かに」
エドガーさんは1つ1つ品質を確認した風魔石を自分のマジックバックにしまいました。
わたしはエドガーさんから受け取った金貨をアイテムボックスにしまいます。
また金銭感覚が狂いそうです。
高ランク冒険者の収入としては普通より少し下くらいらしいのですが……
「ありがとう。また、お願いするよ」
「はい、よろしくお願いします」
エドガーさんと握手を交わしてギルドを出ました。
今日はこれからガルフさんの工房に行って新しい戦斧を作って貰おうと思っています。
憧れのオーダーメイドです。
出来れば何か魔法効果を付与して、マジックアイテムにして欲しいです。
「ガルフさん! 戦斧を作って下さい」
ガルフさんの工房を訪れたわたしは早速、注文を出します。
「おいおい、いきなりだな。
今まで使ってた魔鋼の戦斧はどうした?」
「砕けました、それはもう粉々に」
「は!? 砕けた?」
「はい、コレです」
わたしは魔鋼の戦斧……だった棒をガルフさんに見せます。
「お前……一体何やったらこんな風に砕けるんだ?」
「いやぁ、ストーンドレイクと一戦交えました」
「なに、ストーンドレイク!?
それで、勝ったのか? 素材は?」
「いえ、深手を与える事は出来たのですが、その際、戦斧が砕けてしまいまして、仕方なく戦略的に撤退したのです」
「なるほど、武器を壊され逃げ帰って来たって事か」
「いえ、逃げてはないですよ。
あのまま戦い続けるリスクとリターンを秤にかけ、冷静な判断で積極的に後退したのです」
「わかった! わかった! お前さん意外と負けず嫌いだな」
その後わたしとガルフさんは新しい戦斧の詳細を詰めていきました。
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