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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
31話 辺境とわたし
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上段から振り下ろされる槍を身を捻って躱わし、両手に持った短剣を叩き込みます。
流れる様な剣撃に森から奇襲を掛けてきたオークの群れはどんどん数を減らします。
両手に一瞬、魔方陣が現れ、次の瞬間、短剣は消え去り、わたしの手には戦斧が握られています。
これは旅の途中にシルバさんに教わったクイックチェンジと言う召喚魔法の一種です。
アイテムボックスを使えば同じ事が出来ますがアイテムボックスはあまり知られたく有りません。
空間魔法と言われる特殊魔法にはアイテムボックスの様な魔法が有りますがとても希少な魔法で、使い手は殆ど国か大貴族に仕えています。
この魔法を修得したお陰で、良い隠れ蓑が出来ました。
最後の1匹に戦斧を振り下ろします。
今夜はポークステーキです。
ガナの街から旅だって7日が経ちました。
既にここは辺境と呼ばれる地域に入っているそうです。
魔族が支配し、高ランクの魔物が闊歩する危険な魔境と隣接している地域です。
魔族とは邪神を信奉し、人間(エルフやドワーフ、獣人などの亜人種を含む)と敵対している種族で魔物を使役したり、強力な呪いを掛けたりと厄介な能力を持っているそうです。
この様な辺境では常に魔物の大発生の危険があり、5年ほど前、周りを魔境に隣接する小国であり、この世界で最も多くの信仰を集める光神教の総本山でも有ったイザール神聖国がスタンピートによって滅ぼされたそうです。
しかし、宗教の総本山が滅ぼされたとなると世界的なパニックとかは起こらなかったのでしょうか?
シルバさんに聴いてみましょう。
「はい。確かに一時的に大きな混乱が有りましたがそれも直ぐにおさまりました。
イザール神聖国の国主であり、光神教の教皇で、聖女と呼ばれていたロザリー教皇猊下が国が滅びる前、国民に語った話が広がったからです。
曰く、生きる事を諦めてはなら無い。
曰く、他者を思いやる心を持つ事。
曰く、希望の光は既に灯されている。
そう語ったそうです」
「その聖女様はどうなったのですか?」
「民が逃げる時間を稼ぐため自ら騎士団を率いて前線に立ち、現在行方不明です。
その為、光神教の信者達は自棄になる事は命を賭けて戦った教皇猊下に対する冒涜であると自らを律し、希望の光を信じ生きているのです」
「そうですか……希望の光と言うのは?」
「恐らく勇者様の事だと言われています。
魔族が信奉する邪神は現在封印されているのですが、300年前、邪神と戦い封印したのが勇者様と3人の仲間たちなのです。
近年の魔物の増加や魔族の活動の活発化に対し新たな勇者様が現れるのでは無いかと噂されています」
「なるほど。
いろいろと教えて頂きありがとうございました。そろそろ休みますね」
「はい。ここまでかなり速く進んで来れたので明日にはガストの街に着くと思われます」
「分かりました。おやすみなさい」
わたしはシルバさんが用意してくれたテントに入り、毛布に包まります。
邪神や勇者が存在すると言うのは神様が教えてくれました。
しかし、存在したのは300年前のことの様です。
それとも、シルバさんが言っていた様に、これから新たな勇者が現れたりするよでしょうか?
まぁ、わたしには余り関係ないですね。神様も気にし無くても良いと言っていましたし。
明日に備えて眠るとしましょう。
どこでも寝られるのがわたしの良いとこです。
翌日の昼過ぎにようやくガストの街の門が見えて来ました。
この街には門は1つしか有りません。
辺境の強力な魔物に対抗する為、戦力の分散を避けているそうです。
門の前でチェックを受ける為並んでいる冒険者や商人達を横目に大門の横にある貴族や特別な許可を受けた者が通る事が出来る小門をぬけ、街に入りました。
大通りを進み街の中心部にある領主邸を目指します。
街は多くの住民で活気に溢れています。
辺境の強力な魔物を狙う冒険者やその冒険者が持ち帰る素材を目当てにした学者や薬師、鍛治師に錬金術師、そして商人など様々な人々がこの街に集まっています。
危険は大きいですが実りも大きい街なのです。
そして、領主邸が見えてきました。
「なんだか砦みたいですね」
「実際、もともと砦だったのです。
このガストの街が作られるとき、最前線の砦として使われていた物をそのままつかっているのですよ。
もし、また魔族との戦争が始まった場合この街はミルミット王国に置いて唯一の魔境に隣接した領地として、前線基地が置かれる事になります。
その可能性は十分有りますからガスト辺境伯様は街の防衛に力を注いでいるのです」
そう言いながらシルバさんと一緒に領主邸の門をくぐります。
門番は既にシルバさんの従魔によってわたしの事が伝えられているのか何も問われることなくシルバさんと同じ様に頭を下げてくれます。
さて、いよいよ貴族とのご対面です
流れる様な剣撃に森から奇襲を掛けてきたオークの群れはどんどん数を減らします。
両手に一瞬、魔方陣が現れ、次の瞬間、短剣は消え去り、わたしの手には戦斧が握られています。
これは旅の途中にシルバさんに教わったクイックチェンジと言う召喚魔法の一種です。
アイテムボックスを使えば同じ事が出来ますがアイテムボックスはあまり知られたく有りません。
空間魔法と言われる特殊魔法にはアイテムボックスの様な魔法が有りますがとても希少な魔法で、使い手は殆ど国か大貴族に仕えています。
この魔法を修得したお陰で、良い隠れ蓑が出来ました。
最後の1匹に戦斧を振り下ろします。
今夜はポークステーキです。
ガナの街から旅だって7日が経ちました。
既にここは辺境と呼ばれる地域に入っているそうです。
魔族が支配し、高ランクの魔物が闊歩する危険な魔境と隣接している地域です。
魔族とは邪神を信奉し、人間(エルフやドワーフ、獣人などの亜人種を含む)と敵対している種族で魔物を使役したり、強力な呪いを掛けたりと厄介な能力を持っているそうです。
この様な辺境では常に魔物の大発生の危険があり、5年ほど前、周りを魔境に隣接する小国であり、この世界で最も多くの信仰を集める光神教の総本山でも有ったイザール神聖国がスタンピートによって滅ぼされたそうです。
しかし、宗教の総本山が滅ぼされたとなると世界的なパニックとかは起こらなかったのでしょうか?
シルバさんに聴いてみましょう。
「はい。確かに一時的に大きな混乱が有りましたがそれも直ぐにおさまりました。
イザール神聖国の国主であり、光神教の教皇で、聖女と呼ばれていたロザリー教皇猊下が国が滅びる前、国民に語った話が広がったからです。
曰く、生きる事を諦めてはなら無い。
曰く、他者を思いやる心を持つ事。
曰く、希望の光は既に灯されている。
そう語ったそうです」
「その聖女様はどうなったのですか?」
「民が逃げる時間を稼ぐため自ら騎士団を率いて前線に立ち、現在行方不明です。
その為、光神教の信者達は自棄になる事は命を賭けて戦った教皇猊下に対する冒涜であると自らを律し、希望の光を信じ生きているのです」
「そうですか……希望の光と言うのは?」
「恐らく勇者様の事だと言われています。
魔族が信奉する邪神は現在封印されているのですが、300年前、邪神と戦い封印したのが勇者様と3人の仲間たちなのです。
近年の魔物の増加や魔族の活動の活発化に対し新たな勇者様が現れるのでは無いかと噂されています」
「なるほど。
いろいろと教えて頂きありがとうございました。そろそろ休みますね」
「はい。ここまでかなり速く進んで来れたので明日にはガストの街に着くと思われます」
「分かりました。おやすみなさい」
わたしはシルバさんが用意してくれたテントに入り、毛布に包まります。
邪神や勇者が存在すると言うのは神様が教えてくれました。
しかし、存在したのは300年前のことの様です。
それとも、シルバさんが言っていた様に、これから新たな勇者が現れたりするよでしょうか?
まぁ、わたしには余り関係ないですね。神様も気にし無くても良いと言っていましたし。
明日に備えて眠るとしましょう。
どこでも寝られるのがわたしの良いとこです。
翌日の昼過ぎにようやくガストの街の門が見えて来ました。
この街には門は1つしか有りません。
辺境の強力な魔物に対抗する為、戦力の分散を避けているそうです。
門の前でチェックを受ける為並んでいる冒険者や商人達を横目に大門の横にある貴族や特別な許可を受けた者が通る事が出来る小門をぬけ、街に入りました。
大通りを進み街の中心部にある領主邸を目指します。
街は多くの住民で活気に溢れています。
辺境の強力な魔物を狙う冒険者やその冒険者が持ち帰る素材を目当てにした学者や薬師、鍛治師に錬金術師、そして商人など様々な人々がこの街に集まっています。
危険は大きいですが実りも大きい街なのです。
そして、領主邸が見えてきました。
「なんだか砦みたいですね」
「実際、もともと砦だったのです。
このガストの街が作られるとき、最前線の砦として使われていた物をそのままつかっているのですよ。
もし、また魔族との戦争が始まった場合この街はミルミット王国に置いて唯一の魔境に隣接した領地として、前線基地が置かれる事になります。
その可能性は十分有りますからガスト辺境伯様は街の防衛に力を注いでいるのです」
そう言いながらシルバさんと一緒に領主邸の門をくぐります。
門番は既にシルバさんの従魔によってわたしの事が伝えられているのか何も問われることなくシルバさんと同じ様に頭を下げてくれます。
さて、いよいよ貴族とのご対面です
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