上 下
30 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

28話 商業ギルドとわたし

しおりを挟む
  商業ギルドは冒険者ギルドのすぐ近くに有りました。
  ギルドの中に入ると右手側の壁には冒険者ギルドと同じ依頼ボードが有ります。 
  このボードには、通常より高くても手に入れたい物や急いで手に入れたい物がある人が依頼を出している様です。

  わたしもマーダーハニー系の依頼を探します。
  上から下までボードを探し回り3枚の依頼書を手に取りました。
  依頼書を持ってカウンターへむかいます。

「すみません。この依頼をお願いします」

「いらっしゃいませ、『マーダーハニーの甲殻5匹分の納品』、『マーダーハニーの幼虫と蛹各6匹の納品』、『マーダーハニーの卵3個の納品』ですね。
  今、お持ちですか?」

「はい。こちらです」

「ほぉ、幼虫や蛹、卵どれも新鮮ですね。甲殻も余計な傷が殆ど無い。依頼は問題無いです。
  ギルドカードはありますか?」

「いえ、有りません。
冒険者ギルドには登録しています。依頼は商業ギルドに登録してないといけないのですか?」

「そんな事は有りませんよ。ただ登録していれば実績になりますからね。今回はカードなしでの納品でよろしいですか?」

「はい。それと納品とは別に、甲殻と幼虫、蛹、卵を買い取って貰えますか?」

「冒険者ギルドでは無く商業ギルドに持ち込んだという事は数が多いのですか?」

「はい。巣1つ分有ります」

「巣1つとなるとかなりの数ですね。こちらの部屋にお願いしてもいいですか?」

「はい」

   商業ギルドの奥の部屋で査定を済ませてカウンターで代金を受け取ります。
  小金持ちになりました。
  マーダーハニーの素材はいい値段で売れたのです。特に卵は希少で高価だそうです。

  商業ギルドを後にしたわたしは市場に向かいました。
  特に目的が有った訳では有りませんが、美味しそうな果物や珍しい食べ物を買い込みます。
  レブリック公爵領について教えてくれた行商人さんからリムルを買いました。  
  モモに食べさせてあげる約束です。
  いつもの店を冷やかして行きます。
  その時、野菜を売っているおじいさんが今まで売っていなかった豆を売っているのを見つけました。
  この豆には希望が詰まっています。
  そう、この豆は大豆なのです。
  地球の物より少し大きい気がしますがたぶん大豆です。
  鑑定しても大豆でした。
  わたしは直ぐに大豆を買い占めます。
  大豆からは醤油、味噌を始めいろいろな食品を作れます。宿に戻ったら早速仕込みましょう。

  市場で良い買い物をしたわたしは武器屋に寄りました。
  
「こんにちは。武器の整備をお願いします。」

「いらっしゃい。そこの机に出してくれ」

  指定された机に戦斧とナイフ、短剣、金剛の剣(アルザックさんに貰ったバスターソードです)を出します。

「お!このバスターソードはマジックアイテムか。戦斧の方はかなり使い込んだな」

  武器屋のお兄さんは1つ1つ点検して行きます。

  お兄さんが整備してくれている間に店の武器を見て回ります。

「整備終わったぞ」

「ありがとうございます。あと低品質コモンの投擲用ナイフを5本下さい」

「あいよ」

  お兄さんはカウンターの下からナイフを取り出します。
  わたしは整備費とナイフの代金を支払い店を出ました。

  ロック鳥のさえずり亭で夕食を終えた後、厨房を借りて味噌と醤油を仕込みます。出来上がるまで何ヶ月も掛かるのでそれまでは我慢です。
  アイテムボックスは時間が停止しているので発酵させる事が出来ないので味噌と醤油を仕込んだ樽は部屋の隅に置いておきます。
  今日は疲れたので早めに休もうとした時、部屋にノックの音が響きました。

「はい。あれ?ミーナさんどうかしましたか?」

「すみませんユウさん、冒険者ギルドの職員の方がユウさんに会いに来ています」

夜遅く……と言うほどでは有りませんがこんな時間に何の用でしょうか?

しおりを挟む
感想 890

あなたにおすすめの小説

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

神々の間では異世界転移がブームらしいです。《サイドストーリー》

はぐれメタボ
ファンタジー
《番外編》 神々の間では異世界転移がブームらしいです。の番外編です。 《マーリンさんの学業奮闘記》 大賢者イナミの弟子、マーリンは師匠の命令でミルミット王国の学院に入学する事になった。 マーリンは、そこで出会った友人達と事件に巻き込まれて行く。 《迷宮都市の盾使い》 ミルミット王国最大の迷宮都市ダイダロスで迷宮に挑む冒険者達と全身鎧を身に付けた謎の冒険者の物語り。 《炎の継承者》 田舎に暮らす少年、カートは憧れの父親の背中を追って成長して行く。 《盃を満たすは神の酒》 エルフのジンとドワーフのバッカスは2人組の冒険者である。 彼等は神が醸造したと言われる伝説の酒を探して旅を続けていた。 そんな彼等が居た帝国の街に、とてつもない数の魔物が迫っていた。 《1人と1振り》 冒険者のヴァインはある日、奇抜な冒険者アークと出会う。 やがて共に旅をする様になった2人はミルミット王国のある街でとある依頼を受ける事になった。

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...