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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
15話 宿屋とわたし
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宿に帰ってきました。
やはり背丈より大きな戦斧を担いだ女の子は目立ちます。
街の視線を独り占めでした。
翌朝、宿のベットで目を覚ましました。
お金が出来たので部屋は一週間とってあります。
今日はギルドに行く積りは有りません。
わたしは二度寝で至福の時間を過ごします。
「う~そろそろ起きなければいけませんね。」
早くしないと朝食の時間が終わってしまいます。
まぶたを擦りながら階段を降り、食堂に入ります。どうやら間に合った様です。
「おはようございます」
「おう、おはようさん」
「おはようございます。ユウさん、今日はゆっくりですね」
「ここ数日は依頼を受けていましたからね。今日はお休みです」
宿の主人で料理人のトムさんと看板娘のミーナさんに挨拶して朝食を頂きます。
女将さんのミオさんは買い出しにでも出ているのでしょうか?
今日の朝食はハムエッグと野菜のスープそれとパンです。
トムさんの料理は美味しいのですが………お米が食べたいです。
お腹が膨れたので行動する事にします。
前の採取依頼で取って置いた薬草を使って自分用のポーションを作ります。
わたしが朝食を食べている時に帰ってきたミオさんに裏庭を使う許可を貰いました。
部屋で調合すると臭いが付くといけません。
タライに魔法で水を出して素材を洗っていきます。
作るのは各種ポーションと傷薬や頭痛薬などの常備薬です。
ポーションとはいわゆる魔法薬のことです。使用すると直ぐに効果が現れる薬です。
作成するには素材に魔力を付与しながら作業しなけれはなりません。
傷薬は薬草などの薬効を使った薬です。これは地球の薬と同じですね。
手持ちの素材で作れる薬をさくさく作っていきます。
「ん?もうこんな時間ですか」
かなり集中していたのか、気がつくともうお昼を過ぎていました。
意識するとお腹が空きます。休憩にしましょう。
ロック鳥のさえずり亭は家族経営の宿で従業員も多くは有りません。
その為、食堂は宿泊客のみの朝と酒場として営業している夜しか開けていません。
つまり、わたしは昼食を食べに外に出なければいけません。
中庭から食堂に入るとミオさんとミーナさんが居ました。
ミーナさんは水を貯めたタライに手を突っ込んでいます。
なにをしているのでしょうか?
「ミーナさんどうしたんですか?水に手を突っ込んだりして?」
「ユ、ユウさん、えっと、あの、これはですね……」
言い淀むミーナさんに苦笑しながらミオさんが口を挟んで来ました。
「すみませんユウさん。今日、うちの宿でカープルが出まして」
「あぁ、ミーナさん刺されてしまったんですか」
カープルとは害虫の一種です。ゴキ的存在の蜂みたいな奴です。
弱い毒を持っていて刺されてしまうと2、3日痛みます。
「退治しようとして刺されてしまったらしくて」
「それは大変ですね。
ミーナさん良かったらこの薬を使って下さい。水で流しただけでは毒が残りますから」
「え、良いんですか?」
「どうぞ。ここままだと2、3日痛みますよ」
わたしは出来たばかりのポーションを渡しました。
昆虫系の毒に良く効き、弱い治癒効果がある奴です。
……べ、別に実験台とかじゃないんだからね!
「ありがとうございます」
ミーナさんは薬を受け取ると刺された場所に塗り込みました。
すると赤く腫れ上がっていたのがみるみる引いていきます。
おぉ!我ながらすごいです。地球の薬では有りえない効果に驚きます。
ジークさんの時はまじまじと観察する余裕は有りませんでしたからね。
しかし、わたし以上に驚いていたのはミーナさんとミオさんでした。
「え?ユ、ユウさん!この薬、魔法薬じゃないですか!?」
「そうですよ」
「そんな!こんな高価な薬を頂く訳にはいきませんよ」
「気にしないで下さい。
森で材料を取ってきてわたしが調合した物ですから。原価はタダです」
わたしの言葉に2人とも驚いています。
「いつもお世話になってますからね。これくらい問題ないですよ」
「ありがとうございます、ユウさん」
「娘がお世話になりました。
ユウさんの分の夕飯、一品おまけしますね」
「おぉ、ありがとうございます。
あ、そうだ、良かったら殺虫香を調合しますよ。強力な奴を」
「お香ですか?」
「はい。10分程焚いておけば部屋中の虫は死にます。
大抵の虫には効果があるはずです」
「なるほど。………では、お願いしても良いですか?勿論、代金はお支払いしますので」
「はい。お任せ下さい。お安くしておきますよ」
さて殺虫香を作るには足りない材料が有りますね。
お昼を食べるついでに市場に行って買い揃えましょう。
やはり背丈より大きな戦斧を担いだ女の子は目立ちます。
街の視線を独り占めでした。
翌朝、宿のベットで目を覚ましました。
お金が出来たので部屋は一週間とってあります。
今日はギルドに行く積りは有りません。
わたしは二度寝で至福の時間を過ごします。
「う~そろそろ起きなければいけませんね。」
早くしないと朝食の時間が終わってしまいます。
まぶたを擦りながら階段を降り、食堂に入ります。どうやら間に合った様です。
「おはようございます」
「おう、おはようさん」
「おはようございます。ユウさん、今日はゆっくりですね」
「ここ数日は依頼を受けていましたからね。今日はお休みです」
宿の主人で料理人のトムさんと看板娘のミーナさんに挨拶して朝食を頂きます。
女将さんのミオさんは買い出しにでも出ているのでしょうか?
今日の朝食はハムエッグと野菜のスープそれとパンです。
トムさんの料理は美味しいのですが………お米が食べたいです。
お腹が膨れたので行動する事にします。
前の採取依頼で取って置いた薬草を使って自分用のポーションを作ります。
わたしが朝食を食べている時に帰ってきたミオさんに裏庭を使う許可を貰いました。
部屋で調合すると臭いが付くといけません。
タライに魔法で水を出して素材を洗っていきます。
作るのは各種ポーションと傷薬や頭痛薬などの常備薬です。
ポーションとはいわゆる魔法薬のことです。使用すると直ぐに効果が現れる薬です。
作成するには素材に魔力を付与しながら作業しなけれはなりません。
傷薬は薬草などの薬効を使った薬です。これは地球の薬と同じですね。
手持ちの素材で作れる薬をさくさく作っていきます。
「ん?もうこんな時間ですか」
かなり集中していたのか、気がつくともうお昼を過ぎていました。
意識するとお腹が空きます。休憩にしましょう。
ロック鳥のさえずり亭は家族経営の宿で従業員も多くは有りません。
その為、食堂は宿泊客のみの朝と酒場として営業している夜しか開けていません。
つまり、わたしは昼食を食べに外に出なければいけません。
中庭から食堂に入るとミオさんとミーナさんが居ました。
ミーナさんは水を貯めたタライに手を突っ込んでいます。
なにをしているのでしょうか?
「ミーナさんどうしたんですか?水に手を突っ込んだりして?」
「ユ、ユウさん、えっと、あの、これはですね……」
言い淀むミーナさんに苦笑しながらミオさんが口を挟んで来ました。
「すみませんユウさん。今日、うちの宿でカープルが出まして」
「あぁ、ミーナさん刺されてしまったんですか」
カープルとは害虫の一種です。ゴキ的存在の蜂みたいな奴です。
弱い毒を持っていて刺されてしまうと2、3日痛みます。
「退治しようとして刺されてしまったらしくて」
「それは大変ですね。
ミーナさん良かったらこの薬を使って下さい。水で流しただけでは毒が残りますから」
「え、良いんですか?」
「どうぞ。ここままだと2、3日痛みますよ」
わたしは出来たばかりのポーションを渡しました。
昆虫系の毒に良く効き、弱い治癒効果がある奴です。
……べ、別に実験台とかじゃないんだからね!
「ありがとうございます」
ミーナさんは薬を受け取ると刺された場所に塗り込みました。
すると赤く腫れ上がっていたのがみるみる引いていきます。
おぉ!我ながらすごいです。地球の薬では有りえない効果に驚きます。
ジークさんの時はまじまじと観察する余裕は有りませんでしたからね。
しかし、わたし以上に驚いていたのはミーナさんとミオさんでした。
「え?ユ、ユウさん!この薬、魔法薬じゃないですか!?」
「そうですよ」
「そんな!こんな高価な薬を頂く訳にはいきませんよ」
「気にしないで下さい。
森で材料を取ってきてわたしが調合した物ですから。原価はタダです」
わたしの言葉に2人とも驚いています。
「いつもお世話になってますからね。これくらい問題ないですよ」
「ありがとうございます、ユウさん」
「娘がお世話になりました。
ユウさんの分の夕飯、一品おまけしますね」
「おぉ、ありがとうございます。
あ、そうだ、良かったら殺虫香を調合しますよ。強力な奴を」
「お香ですか?」
「はい。10分程焚いておけば部屋中の虫は死にます。
大抵の虫には効果があるはずです」
「なるほど。………では、お願いしても良いですか?勿論、代金はお支払いしますので」
「はい。お任せ下さい。お安くしておきますよ」
さて殺虫香を作るには足りない材料が有りますね。
お昼を食べるついでに市場に行って買い揃えましょう。
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