4 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
3話 テンプレとわたし
しおりを挟む
モモに騎乗したわたしは、森の中を駆けて行きます。
モモのスピードは体感ですが30キロ位はあると思います。
視界が悪く、足場が不安定な森の中でこのスピードなら街道などは、40キロ位出るのではないでしょうか?
途中に休息や採取を挟みながら1時間ほど掛けて街道にでました。
左右を確認してみましたがずっと先まで街道が続いています。
「モモは どちらに行けばいいと思いますか?」
「ぐぅ~」
モモに聞いてみましたが、当然モモが道を知っている筈がありません。
どちらに行くべきか分からないのなら悩んでいても意味は有りませんね。
わたしは森を背にして右の道に行く事にしました。
理由はありません。
勘です。
モモが街道を駆けて行きます。
すでに3時間位走り続けていますが、街や村は見当たりません。
太陽が空の中心に来た頃、小さな丘を越えた所で一台の馬車を見つけました。
しかしその馬車は明らかにひとつ問題があります。
「うぁ~テンプレですね。」
その馬車は盗賊に襲われていました。
こちらに向かってくる馬車には、必死の表情で馬を操る赤毛の青年、荷台から盗賊に弓を射る女性と負傷した男性、手当てをしている男性の4人が乗っています。
一方、盗賊は6人、4頭の馬に分乗しています。
馬車がわたしの居る丘に近づいて来た時、丘の下の岩場の影から5人の男達が飛び出して来ました。
助けに来た冒険者かと思いましたが薄汚れた男達はとても冒険者には見えません。
男達は盗賊と共に馬車を取り囲みました。
男達は盗賊の仲間だった様です。
怪我人を含めて4人に対して、盗賊は11人このままでは不味いですね。
わたしは、モモを全速力で走らせながらショートソードを抜きます。
「へへへへ。大人しくしがぁげびゅ」
弓を持った女性に手を伸ばそうとしていた盗賊の首を、すれ違い様に切り飛ばします。
「な!なんだ手めぇ!」
「ちっ!新手だ!」
わたしの乱入に盗賊達が取り乱します。
隙だらけですね。
「貫け 深緑の槍 ウッドランス」
モモに隠れる様に指示を出し飛び降りながら森で採取した種を触媒にして、木の槍を5本放ちます。
3人の盗賊が木の槍に貫かれ、1人の右脚が吹き飛びました。
襲われていた4人の方を見ると赤毛の青年と、負傷した仲間を庇いながら、動揺 した盗賊2人を倒していました。
彼らは問題有りませんね。
「このガキ!!」
上段から振り下ろしてきた剣をショートソードを斜めに構え受け流し、盗賊が剣を返すより速く剣を持つ右腕を斬りつけます。
「ぐぁあぁ げぇはっ」
右腕を押さえて悲鳴を上げる盗賊を蹴り飛ばし視界を確保します。
「死ねやぁガキ!!」
大柄な盗賊が大きな戦斧振り下ろして来ます。
重たい戦斧を受け流すのは不安が有ったのでステップで避けます。
盗賊の戦斧は地面に当たる直前でピタリと止まり、わたしの顔目掛けて跳ね上がってきました。
以外にも中々の技量です。
身体を反らし戦斧を躱わし、魔法を詠唱します。
「惑え 霞の水滴 ミラージュミスト」
盗賊の顔に霧が掛かります。
「くっ何処に行った!?」
「このガキ! 頭に何しやがった!!」
後ろから斬りかかって来た盗賊の剣をショートソードで受け止め、足払いを掛けます。
「な!?ぐぅ」
バランス崩した盗賊の胸を貫きます。
盗賊だった物からショートソードを引き抜き、闇雲に戦斧を振り回している盗賊の足元に滑り込み、両脚の健を斬りつけます。
「ぎゃぁあ!?」
地面に転がった盗賊の腕を切り飛ばします。
どうやらこいつは盗賊の頭の様なので殺すのは不味い様な気がします。
「ひぃ、たった助けあがぁ!」
残りった1人の盗賊は逃げ出しましたが後を追って背後から切り捨てます。
殺そうと襲っておきながら自分が殺されそうになると助けてくれとは虫のいい話です。
終わったようですね。
襲われていた人達はみんな無事なようです。
しかし、喧嘩もまともにした事がなかった筈なのにスキルとはすごいと思います。
6人も殺してしまいましたが、クズだったせいか、全く罪悪感を感じません。
血とか死体も平気です。
《精神強化》のお陰です。
指示通り隠れていたモモが戻って来ました。
盗賊を追ってだいぶ離れてしまった様です。
わたしはモモの頭を撫でてあげながら、4人の元に向かいます。
異世界人とのファーストコンタクトです。
モモのスピードは体感ですが30キロ位はあると思います。
視界が悪く、足場が不安定な森の中でこのスピードなら街道などは、40キロ位出るのではないでしょうか?
途中に休息や採取を挟みながら1時間ほど掛けて街道にでました。
左右を確認してみましたがずっと先まで街道が続いています。
「モモは どちらに行けばいいと思いますか?」
「ぐぅ~」
モモに聞いてみましたが、当然モモが道を知っている筈がありません。
どちらに行くべきか分からないのなら悩んでいても意味は有りませんね。
わたしは森を背にして右の道に行く事にしました。
理由はありません。
勘です。
モモが街道を駆けて行きます。
すでに3時間位走り続けていますが、街や村は見当たりません。
太陽が空の中心に来た頃、小さな丘を越えた所で一台の馬車を見つけました。
しかしその馬車は明らかにひとつ問題があります。
「うぁ~テンプレですね。」
その馬車は盗賊に襲われていました。
こちらに向かってくる馬車には、必死の表情で馬を操る赤毛の青年、荷台から盗賊に弓を射る女性と負傷した男性、手当てをしている男性の4人が乗っています。
一方、盗賊は6人、4頭の馬に分乗しています。
馬車がわたしの居る丘に近づいて来た時、丘の下の岩場の影から5人の男達が飛び出して来ました。
助けに来た冒険者かと思いましたが薄汚れた男達はとても冒険者には見えません。
男達は盗賊と共に馬車を取り囲みました。
男達は盗賊の仲間だった様です。
怪我人を含めて4人に対して、盗賊は11人このままでは不味いですね。
わたしは、モモを全速力で走らせながらショートソードを抜きます。
「へへへへ。大人しくしがぁげびゅ」
弓を持った女性に手を伸ばそうとしていた盗賊の首を、すれ違い様に切り飛ばします。
「な!なんだ手めぇ!」
「ちっ!新手だ!」
わたしの乱入に盗賊達が取り乱します。
隙だらけですね。
「貫け 深緑の槍 ウッドランス」
モモに隠れる様に指示を出し飛び降りながら森で採取した種を触媒にして、木の槍を5本放ちます。
3人の盗賊が木の槍に貫かれ、1人の右脚が吹き飛びました。
襲われていた4人の方を見ると赤毛の青年と、負傷した仲間を庇いながら、動揺 した盗賊2人を倒していました。
彼らは問題有りませんね。
「このガキ!!」
上段から振り下ろしてきた剣をショートソードを斜めに構え受け流し、盗賊が剣を返すより速く剣を持つ右腕を斬りつけます。
「ぐぁあぁ げぇはっ」
右腕を押さえて悲鳴を上げる盗賊を蹴り飛ばし視界を確保します。
「死ねやぁガキ!!」
大柄な盗賊が大きな戦斧振り下ろして来ます。
重たい戦斧を受け流すのは不安が有ったのでステップで避けます。
盗賊の戦斧は地面に当たる直前でピタリと止まり、わたしの顔目掛けて跳ね上がってきました。
以外にも中々の技量です。
身体を反らし戦斧を躱わし、魔法を詠唱します。
「惑え 霞の水滴 ミラージュミスト」
盗賊の顔に霧が掛かります。
「くっ何処に行った!?」
「このガキ! 頭に何しやがった!!」
後ろから斬りかかって来た盗賊の剣をショートソードで受け止め、足払いを掛けます。
「な!?ぐぅ」
バランス崩した盗賊の胸を貫きます。
盗賊だった物からショートソードを引き抜き、闇雲に戦斧を振り回している盗賊の足元に滑り込み、両脚の健を斬りつけます。
「ぎゃぁあ!?」
地面に転がった盗賊の腕を切り飛ばします。
どうやらこいつは盗賊の頭の様なので殺すのは不味い様な気がします。
「ひぃ、たった助けあがぁ!」
残りった1人の盗賊は逃げ出しましたが後を追って背後から切り捨てます。
殺そうと襲っておきながら自分が殺されそうになると助けてくれとは虫のいい話です。
終わったようですね。
襲われていた人達はみんな無事なようです。
しかし、喧嘩もまともにした事がなかった筈なのにスキルとはすごいと思います。
6人も殺してしまいましたが、クズだったせいか、全く罪悪感を感じません。
血とか死体も平気です。
《精神強化》のお陰です。
指示通り隠れていたモモが戻って来ました。
盗賊を追ってだいぶ離れてしまった様です。
わたしはモモの頭を撫でてあげながら、4人の元に向かいます。
異世界人とのファーストコンタクトです。
26
お気に入りに追加
2,355
あなたにおすすめの小説
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
追放された最弱ハンター、最強を目指して本気出す〜実は【伝説の魔獣王】と魔法で【融合】してるので無双はじめたら、元仲間が落ちぶれていきました〜
里海慧
ファンタジー
「カイト、お前さぁ、もういらないわ」
魔力がほぼない最低ランクの最弱ハンターと罵られ、パーティーから追放されてしまったカイト。
実は、唯一使えた魔法で伝説の魔獣王リュカオンと融合していた。カイトの実力はSSSランクだったが、魔獣王と融合してると言っても信じてもらえなくて、サポートに徹していたのだ。
追放の際のあまりにもひどい仕打ちに吹っ切れたカイトは、これからは誰にも何も奪われないように、最強のハンターになると決意する。
魔獣を討伐しまくり、様々な人たちから認められていくカイト。
途中で追放されたり、裏切られたり、そんな同じ境遇の者が仲間になって、ハンターライフをより満喫していた。
一方、カイトを追放したミリオンたちは、Sランクパーティーの座からあっという間に転げ落ちていき、最後には盛大に自滅してゆくのだった。
※ヒロインの登場は遅めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる