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もう少しだけブームは続きそうです。
4話 小さな争い
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【お詫び】
前話でユーリアはユリの叔母となっていましたが間違いでした。
ユリとの関係は、調べても的確な表現が分からなかった為、『親戚』に修正しました。
m(_ _)m
===========================
わたしが帝国アカデミーに入学して1年程が経ちました。
今日はアカデミーもお休みなのでみんなで街に出ています。
「あの食堂はなかなか美味かったな」
「ダガン、お前は何処で食っても何時も美味いと言うじゃないか。
まぁ、美味かったけど」
「そうですね、川魚も丁寧に処理してあって臭みも無かったですし、かなり高評価です」
「ユリがそう言うならかなりのものですね」
「ユリさんって結構食べ物の評価厳しいですからね」
ピューリーの評価は仕方のない事です。
わたしの周りは料理が上手な人が多いですからね。
ガヤガヤと街を歩くわたし達に向けられる視線は様々です。
大抵はチラリと見てすぐに興味を無くす視線がほとんどですが、中には嫌そうに顔を歪める人や舌打ちをして立ち去る人も居ます。
これは仕方ないと言えば仕方ない事なのですけどね。
「おい!」
誰かに声を掛けられてわたし達は足しを止めました。
わたし達に声を掛けたのは6人程の柄の悪い男達です。
「ちっ、魔族がよくも堂々と帝都を歩けたもんだな」
わたしはそっとルクラの前に移動してこちらを睨みつけてくる男達の視線を引き受けます。
おそらく、彼らは戦争で身内や恋人など、誰か大切な人を亡くしたのでしょう。
しかし、それはわたし達には関係の無い話です。
男達は口汚く魔族を罵ります。
流石にイライラしてきたのでそろそろ追い払いたいところです。
「わかりましたからそろそろ消えて貰えませんか?
あなた方も嫌いな魔族と話して居たく無いでしょう。
そもそも、それはわたし達が生まれる前の話ですから、わたし達に言われても困りますよ」
ん?
ちょっと挑発的になってしまったかも知れません。
「何だと、この裏切り者が!」
「「「⁉︎」」」
グルガスとダガンが少し前に出ました。
ピューリーもわたしとルクラを背に庇ってくれます。
男子3人は、彼らの裏切り者発言でかなり怒っている様です。
男の内の1人は懐からナイフを取り出します。
これは一戦あるかも知れません。
流石に殺す訳には行きませんから適当に殴り飛ばすとしましょうか。
「おい、お前達、その辺にしておけ!」
「学生を相手にナイフまで取り出す何て、何を考えているの?
衛兵を呼ぶわよ!」
逼迫した空気を切り裂いたのは、冒険者風の2人組でした。
2人ともリリ姉さんと同じ位の歳で男性の方は革鎧にショートソード、女性の方は弓を肩に掛けて革のマントを身に付けています。
「…………ちっ、行くぞ!」
男達は冒険者風の2人組の乱入に不利だと悟ったのか踵を返して立ち去って行った。
「助けて頂きありがとうございます」
取り敢えず助けてくれた2人にお礼を言います。
「いやいや、馬鹿な奴らに絡まれていた様だからな」
「それに、どちらかと言うと助けたのはあいつらの方だしね。
あなた達、あいつらより強いでしょ?
それに、そっちの2人は貴族みたいだし」
グルガスとダガンはお忍びという事で平民の格好をしていますが、立ち振る舞いを見ればわかる人には分かります。
「いや、我々もあまり問題を起こしたくは無かったから助かった、ありがとう」
グルガスも2人にお礼を言います。
問題は起こさない方が良いに決まっていますからね。
「………………ねぇ、あなた」
冒険者の女性がわたしをジッと見つめた後、声を掛けてきました。
「はい?」
「あなた、もしかしてユウさんの娘さん?」
「お母さんのお知り合いですか?」
「ええ、私達がまだ子供だった頃に命を助けて貰った事があるわ」
「まさか、ユウさんの娘さんだったとはな」
冒険者の2人は、男性がミザイ、女性がアリスと名乗りました。
その後、わたし達はミザイさんとアリスさんの2人と近くの喫茶店で談笑するのでした。
【おまけ:人物紹介】
○ミザイ
Cランク冒険者。
帝都を拠点に活動する冒険者。
最近、アリスと恋人同士になった。
出身の孤児院によく寄付をしている。
○アリス
Dランク冒険者。
帝都を拠点に活動する冒険者。
最近、ミザイと恋人同士になった。
出身の孤児院によく獲物をお土産に持って行く。
前話でユーリアはユリの叔母となっていましたが間違いでした。
ユリとの関係は、調べても的確な表現が分からなかった為、『親戚』に修正しました。
m(_ _)m
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わたしが帝国アカデミーに入学して1年程が経ちました。
今日はアカデミーもお休みなのでみんなで街に出ています。
「あの食堂はなかなか美味かったな」
「ダガン、お前は何処で食っても何時も美味いと言うじゃないか。
まぁ、美味かったけど」
「そうですね、川魚も丁寧に処理してあって臭みも無かったですし、かなり高評価です」
「ユリがそう言うならかなりのものですね」
「ユリさんって結構食べ物の評価厳しいですからね」
ピューリーの評価は仕方のない事です。
わたしの周りは料理が上手な人が多いですからね。
ガヤガヤと街を歩くわたし達に向けられる視線は様々です。
大抵はチラリと見てすぐに興味を無くす視線がほとんどですが、中には嫌そうに顔を歪める人や舌打ちをして立ち去る人も居ます。
これは仕方ないと言えば仕方ない事なのですけどね。
「おい!」
誰かに声を掛けられてわたし達は足しを止めました。
わたし達に声を掛けたのは6人程の柄の悪い男達です。
「ちっ、魔族がよくも堂々と帝都を歩けたもんだな」
わたしはそっとルクラの前に移動してこちらを睨みつけてくる男達の視線を引き受けます。
おそらく、彼らは戦争で身内や恋人など、誰か大切な人を亡くしたのでしょう。
しかし、それはわたし達には関係の無い話です。
男達は口汚く魔族を罵ります。
流石にイライラしてきたのでそろそろ追い払いたいところです。
「わかりましたからそろそろ消えて貰えませんか?
あなた方も嫌いな魔族と話して居たく無いでしょう。
そもそも、それはわたし達が生まれる前の話ですから、わたし達に言われても困りますよ」
ん?
ちょっと挑発的になってしまったかも知れません。
「何だと、この裏切り者が!」
「「「⁉︎」」」
グルガスとダガンが少し前に出ました。
ピューリーもわたしとルクラを背に庇ってくれます。
男子3人は、彼らの裏切り者発言でかなり怒っている様です。
男の内の1人は懐からナイフを取り出します。
これは一戦あるかも知れません。
流石に殺す訳には行きませんから適当に殴り飛ばすとしましょうか。
「おい、お前達、その辺にしておけ!」
「学生を相手にナイフまで取り出す何て、何を考えているの?
衛兵を呼ぶわよ!」
逼迫した空気を切り裂いたのは、冒険者風の2人組でした。
2人ともリリ姉さんと同じ位の歳で男性の方は革鎧にショートソード、女性の方は弓を肩に掛けて革のマントを身に付けています。
「…………ちっ、行くぞ!」
男達は冒険者風の2人組の乱入に不利だと悟ったのか踵を返して立ち去って行った。
「助けて頂きありがとうございます」
取り敢えず助けてくれた2人にお礼を言います。
「いやいや、馬鹿な奴らに絡まれていた様だからな」
「それに、どちらかと言うと助けたのはあいつらの方だしね。
あなた達、あいつらより強いでしょ?
それに、そっちの2人は貴族みたいだし」
グルガスとダガンはお忍びという事で平民の格好をしていますが、立ち振る舞いを見ればわかる人には分かります。
「いや、我々もあまり問題を起こしたくは無かったから助かった、ありがとう」
グルガスも2人にお礼を言います。
問題は起こさない方が良いに決まっていますからね。
「………………ねぇ、あなた」
冒険者の女性がわたしをジッと見つめた後、声を掛けてきました。
「はい?」
「あなた、もしかしてユウさんの娘さん?」
「お母さんのお知り合いですか?」
「ええ、私達がまだ子供だった頃に命を助けて貰った事があるわ」
「まさか、ユウさんの娘さんだったとはな」
冒険者の2人は、男性がミザイ、女性がアリスと名乗りました。
その後、わたし達はミザイさんとアリスさんの2人と近くの喫茶店で談笑するのでした。
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○ミザイ
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帝都を拠点に活動する冒険者。
最近、アリスと恋人同士になった。
出身の孤児院によく寄付をしている。
○アリス
Dランク冒険者。
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