神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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もう少しだけブームは続きそうです。

3話 帝国アカデミー

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カーン、カーン

  鐘の音が鳴り響き、談笑していたわたし達は話を切り上げて、自分の席に戻りましす。

ガラッ!

  扉が開くと髪を腰の辺りまで伸ばした育ちの良さそうな女性が教壇に上がります。
  
「御機嫌よう、皆さん。
  私がこれからSクラスの担任になります、ユーリア・フォン・ダインです。
  魔法理論と魔法実技の講義を担当します。
  よろしくお願いしますね」

「「「「「よろしくお願いします」」」」」

「では、そちらから自己紹介をお願いします」

  ユーリア先生の指示でわたしと反対側の生徒が立ち上がります。

「ローニエ伯爵家の次男、グルガス・フォン・ローニエです。
  よろしくお願いします」

  1人目は横にも縦にも大きな男性です。
  筋肉の塊の様な人ですが、さっき話した限りでは知的な紳士でした。

「ルクラです。
  ま、魔族の平民です、よろしくお願いします」

  2人目は魔族の留学生の女の子です。
  少し緊張している様ですね。

「ノギ男爵家の嫡男、ダガン・フォン・ノギだ。
  よろしくな!」

  3人目は、キザな微笑みを浮かべる男性です。
  軟派な見た目ですが、話した感じでは特に嫌な感じはしませんでした。

「ピューリーと言います。
  よろしくお願いします」

  4人目はわたしと同じくらいの身長の男性です。
  彼はドワーフ族ですね。
  丸い眼鏡を掛けた落ち着いた人です。

「平民のユリと言います。
  よろしくお願いします」

  最後はわたしです。
  我ながら実に無難な自己紹介です。
  わたしの両親は色々と特殊な立場では有りますが、一応平民です。
  その後、ユーリア先生からいくつかの連絡事項を聞いて、休息の時間になりました。

「では、また午後のホームルームで」

  名簿や資料を纏めて持つとユーリア先生はホームルームの終わりを告げました。
  部屋から退室する前にわたしの前で立ち止まったユーリア先生は笑顔で話しかけてくれました。

「ユリさん、お久しぶりですね」

「はい、お久しぶりですユーリア様」

「ふふ、ここでは先生と呼んでください。
  貴女の入学を歓迎しますわ」

  そう言い微笑むとユーリア先生は教室を出て行きました。
  ユーリア先生はわたしの生まれた街の領主様の家系の人です。
  帝国の貴族に嫁入りするまでは同じ街に住んでいて、わたしの親戚でもあるので、何度も会った事があります。
  さて、わたしも3年間を共にするクラスメイトと親交を深めるとしましょうか。



【おまけ:人物紹介】

○ユーリア・フォン・ダイン
  ダイン侯爵夫人、魔法理論、魔法実技講師。
  ガスト辺境伯家の長女であり、かつては難病で明日をも知れぬ命だったが、回復した。
  ユリの親戚にあたる人物。

○グルガス・フォン・ローニエ
  ローニエ伯爵家の次男。
  気は優しく力持ちないい男、クラスメイトの魔族の少女の事が気になっている。

○ルクラ
  魔王国の首都出身の少女。
  優秀な成績を認められて帝国に留学して来た。

○ダガン・フォン・ノギ
  帝国貴族のキザ男。
  モテる為に努力を重ねた結果、高い能力を得た努力家。
  色々と残念なイケメン。

○ピューリー
  ロックドック王国出身のドワーフ。
  髭は毎朝剃っている今時のドワーフ。
  祖父は大陸にその名を轟かす有名な武器職人。
 
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