393 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。第4部《新たなる神話》
25話 ワシと鉄槌
しおりを挟む
あのクルスとか言う魔族の小僧が邪神に腹を貫かれ濁流に飲まれおった。
ワシはマーリンの様に長い付き合いという訳ではないが、それでも共に行動していた者をやられて何も感じない訳ではない。
ワシは長年愛用している戦鎚を振り上げる。
「どぉらぁあ!!」
その戦鎚を床の石畳へと叩きつける。
大精霊の試練により習得した土の精霊術を使い石を操る。
鋭い石棘が鎌首を持ち上げる蛇の様に起き上がり、邪神の身体を貫かんと飛び掛かる。
しかし、邪神はワシの攻撃に視線を向けることすら無く躱しす。
更にワシと同時に動いたジンの矢を斬り払ってしまう。
「はぁぁあ!!!」
エリオが光の剣を構えて邪神に向かう。
それを追う様にワシやソフィア、ランスの前衛組も走る。
背後からはジンの矢とマーリンの魔法か飛ぶ。
視線の先ではエリオと邪神が激しく剣を振っている。
邪神は右手に剣を左手に槍を持っているら。
変則的な二刀流だが、流れる様に繰り出される剣と槍は少しずつエリオの身体に傷をつけて行く。
「ふんぬ!」
戦鎚を全力で真横に振るう。
ガンッ!
しかし、ワシが振るった戦鎚は軽く持っている様にしか見えない邪神の槍で止めらる。
「ぬ!」
次の瞬間、霞む様な槍捌きで引き直された槍がワシの胸の中心を狙い突き出された。
「バッカス、退がって!」
ワシを庇う様にソフィアが前に出ると大楯構える。
水を纏ったソフィアの盾は邪神の槍を受け止め、その衝撃を受け流す。
「はっ!」
背後に回り込んでいたランスが回し蹴りで邪神の首を狙う。
「プロテクション」
邪神が呟く様に唱えた物理防御の魔法はランスの蹴りを防ぐ。
ワシはもう1度、戦鎚を地面に振り下ろす。
「スパイクロック」
邪神の足元から岩の杭が勢いよく飛び出すが、邪神は僅かに身体をズラすだけで全てを回避してしまった。
「ならば!」
ワシは背後に跳び邪神から距離を取ると魔力を練る。
自身の魔力と精霊の力を最大に高めて行く。
パーティメンバーは、ワシが大技を使おうとしているのを感じ取ったのか、邪神の気を引き、ワシを隠す様に動く。
それでいて決して邪神に近づき過ぎず、すぐに離れる事が可能な距離を保っているのは、ワシの攻撃が大雑把で周りを巻き込む事を考慮しているからだろう。
「おぉぉお!!!!」
精霊術によってワシの戦鎚に次々と岩が張り付いて行く。
そして、ワシの身の丈の倍以上の巨大な岩の戦鎚が出来上がる。
更に、土属性の上位属性である鉄属性魔法を使い岩の戦鎚を鋼に変える。
ワシの戦鎚が完成した途端、皆が邪神から距離をとった。
「タイラント・ハンマー!!!」
ワシは、急に1人になった邪神に巨大な鋼の戦鎚を叩き込む。
その威力に耐えられず足元の石畳が崩壊し、濁流の中へと落ちていった。
既に元の整った石畳の面影はまるで無く、瓦礫の山と化したその場には、視界を遮る土煙とワシが肩で息をする音のみが有った。
ワシはマーリンの様に長い付き合いという訳ではないが、それでも共に行動していた者をやられて何も感じない訳ではない。
ワシは長年愛用している戦鎚を振り上げる。
「どぉらぁあ!!」
その戦鎚を床の石畳へと叩きつける。
大精霊の試練により習得した土の精霊術を使い石を操る。
鋭い石棘が鎌首を持ち上げる蛇の様に起き上がり、邪神の身体を貫かんと飛び掛かる。
しかし、邪神はワシの攻撃に視線を向けることすら無く躱しす。
更にワシと同時に動いたジンの矢を斬り払ってしまう。
「はぁぁあ!!!」
エリオが光の剣を構えて邪神に向かう。
それを追う様にワシやソフィア、ランスの前衛組も走る。
背後からはジンの矢とマーリンの魔法か飛ぶ。
視線の先ではエリオと邪神が激しく剣を振っている。
邪神は右手に剣を左手に槍を持っているら。
変則的な二刀流だが、流れる様に繰り出される剣と槍は少しずつエリオの身体に傷をつけて行く。
「ふんぬ!」
戦鎚を全力で真横に振るう。
ガンッ!
しかし、ワシが振るった戦鎚は軽く持っている様にしか見えない邪神の槍で止めらる。
「ぬ!」
次の瞬間、霞む様な槍捌きで引き直された槍がワシの胸の中心を狙い突き出された。
「バッカス、退がって!」
ワシを庇う様にソフィアが前に出ると大楯構える。
水を纏ったソフィアの盾は邪神の槍を受け止め、その衝撃を受け流す。
「はっ!」
背後に回り込んでいたランスが回し蹴りで邪神の首を狙う。
「プロテクション」
邪神が呟く様に唱えた物理防御の魔法はランスの蹴りを防ぐ。
ワシはもう1度、戦鎚を地面に振り下ろす。
「スパイクロック」
邪神の足元から岩の杭が勢いよく飛び出すが、邪神は僅かに身体をズラすだけで全てを回避してしまった。
「ならば!」
ワシは背後に跳び邪神から距離を取ると魔力を練る。
自身の魔力と精霊の力を最大に高めて行く。
パーティメンバーは、ワシが大技を使おうとしているのを感じ取ったのか、邪神の気を引き、ワシを隠す様に動く。
それでいて決して邪神に近づき過ぎず、すぐに離れる事が可能な距離を保っているのは、ワシの攻撃が大雑把で周りを巻き込む事を考慮しているからだろう。
「おぉぉお!!!!」
精霊術によってワシの戦鎚に次々と岩が張り付いて行く。
そして、ワシの身の丈の倍以上の巨大な岩の戦鎚が出来上がる。
更に、土属性の上位属性である鉄属性魔法を使い岩の戦鎚を鋼に変える。
ワシの戦鎚が完成した途端、皆が邪神から距離をとった。
「タイラント・ハンマー!!!」
ワシは、急に1人になった邪神に巨大な鋼の戦鎚を叩き込む。
その威力に耐えられず足元の石畳が崩壊し、濁流の中へと落ちていった。
既に元の整った石畳の面影はまるで無く、瓦礫の山と化したその場には、視界を遮る土煙とワシが肩で息をする音のみが有った。
0
お気に入りに追加
2,354
あなたにおすすめの小説
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。《サイドストーリー》
はぐれメタボ
ファンタジー
《番外編》
神々の間では異世界転移がブームらしいです。の番外編です。
《マーリンさんの学業奮闘記》
大賢者イナミの弟子、マーリンは師匠の命令でミルミット王国の学院に入学する事になった。
マーリンは、そこで出会った友人達と事件に巻き込まれて行く。
《迷宮都市の盾使い》
ミルミット王国最大の迷宮都市ダイダロスで迷宮に挑む冒険者達と全身鎧を身に付けた謎の冒険者の物語り。
《炎の継承者》
田舎に暮らす少年、カートは憧れの父親の背中を追って成長して行く。
《盃を満たすは神の酒》
エルフのジンとドワーフのバッカスは2人組の冒険者である。
彼等は神が醸造したと言われる伝説の酒を探して旅を続けていた。
そんな彼等が居た帝国の街に、とてつもない数の魔物が迫っていた。
《1人と1振り》
冒険者のヴァインはある日、奇抜な冒険者アークと出会う。
やがて共に旅をする様になった2人はミルミット王国のある街でとある依頼を受ける事になった。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる