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神々の間では異世界転移がブームらしいです。第4部《新たなる神話》
1話 わたしと終戦
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「こ、降伏……だと……」
ハイランド陛下が呟く様に聞き返しました。
リゼさんが連れてきた魔王が突然降伏すると言いだしたのです。
ちなみにわたしは現在拘束魔法で縛られて転がされています。
もし薄い本だったなら(自主規制)で(自主規制)な感じの(自主規制)になってしまいますね。
ん?
(自主規制)に何が入るかですか?
それは、お父さんとお母さんに聞いてみましょう。
閑話休題です。
「では魔族は自ら攻め入って来て、もう敗北を認めるという事なのか?
一体何を考えている?」
「全て話そう。
だが、1つだけ降伏する条件がある。
それを認めて貰えれば諸君の拘束も解除する」
「条件とは何だ?」
「民……魔境に暮らす魔族の民の助命を願いたい」
「民だと?」
「そうだ。
ほとんどの魔族は争いなど望んではいない。
だだ平穏に暮らしたいだけだ。
戦争で敗北した国の民の末路は悲惨だろう。
だが、どうか民から今の暮らしを奪わないで頂きたい」
「わからんな。
そう思うなら初めから戦争など仕掛けなければ良いだけだろう?」
「魔族の指導者である我々魔王も決して一枚岩ではない。
魔の神の下で団結してはいるがその意思は1つではないのだ。
殺戮と享楽に生きる者、だだ力を求める者、盲信的に神を奉じる者、何を考えているのかわからない者も居る。
今回の戦争もただ魔の神からの神託に従っただけなのだ」
「魔の神だと?」
「人間が邪神と呼ぶものだ」
「邪神と言うと300年前、勇者によって封印されたと言われているあの邪神ですか?」
わたしはシルバリエと皇帝陛下の会話に割り込みます。
そろそろ存在感を出していかないと忘れられそうです。
「そうだ。
神は魔族の領域の奥にある神の神殿の玉座に300年間縛られていた。
我々魔王は、その神の指示を受けて行動していたのだ。
しかし、私にはあの神の言葉が魔族に繁栄をもたらすとは、到底思えなかった。
魔の神が……いや、あれは正しく邪神と呼ぶのが相応しいのかも知れんな。
邪神が望んでいるのは世界の破滅だ。
奴の言葉に従えばいずれ魔族は滅びる事になる。
だから私は今回の裏切りを計画した。
人間との戦争を利用して他の魔王の勢力を削った事で邪神の神殿以外は、すでに私の支配下におかれている。
魔族の民はもう人間に害を為すことは無い。
どうか、民の助命頼む」
「…………」
シルバリエの願いに皇帝陛下達は沈黙したままです。
何かを考えているのでしょうか?
「もし、民の安全を約束して貰えるのなら私の首を差し出そう」
おお、すごい覚悟です!
その宣言にはクルスさんとザジさんも驚いています。
あ、ちなみにあの獣人に変身していたのはザジさんでした。
何だか癪なので弄ってあげるつもりはありませんよ。
「………………今すぐに答えを返す訳にはいかん。
だが、我々も無抵抗な民を虐殺する事は避けたい。
少し相談させて欲しい」
「わかった」
シルバリエがリゼさんに視線を送るとリゼさんは剣の柄を指先で軽く叩きました。
それが合図になったかの様にわたし達の拘束が解かれました。
皇帝陛下達は護衛達を残して隣の会議室に移動しました。
広間には魔族組とわたしや各国の護衛、そしてレオさんとシアさんが残されています。
さて、現在のわたしの雇い主である国王様からは魔族の監視と言う指示を受けていますし…………取り敢えずリゼさんから話を聞いてみましょうか。
「おい、ユウ。
計画の事を黙っていて悪かったな。
だが、他の魔王も人間の国に情報源が無い訳じゃ無いからな。
少しでも情報が流れてしまったら多くの魔族が……俺の妹達も魔の神……邪神の破滅の導きに巻き込まれてしまうかも知れなかったんだ」
「…………あ、ザジさん、居たのですか?」
「 ⁉︎ 」
わたしはショックを受けているザジさんを放置するとリゼさんの所に向かうのでした。
ハイランド陛下が呟く様に聞き返しました。
リゼさんが連れてきた魔王が突然降伏すると言いだしたのです。
ちなみにわたしは現在拘束魔法で縛られて転がされています。
もし薄い本だったなら(自主規制)で(自主規制)な感じの(自主規制)になってしまいますね。
ん?
(自主規制)に何が入るかですか?
それは、お父さんとお母さんに聞いてみましょう。
閑話休題です。
「では魔族は自ら攻め入って来て、もう敗北を認めるという事なのか?
一体何を考えている?」
「全て話そう。
だが、1つだけ降伏する条件がある。
それを認めて貰えれば諸君の拘束も解除する」
「条件とは何だ?」
「民……魔境に暮らす魔族の民の助命を願いたい」
「民だと?」
「そうだ。
ほとんどの魔族は争いなど望んではいない。
だだ平穏に暮らしたいだけだ。
戦争で敗北した国の民の末路は悲惨だろう。
だが、どうか民から今の暮らしを奪わないで頂きたい」
「わからんな。
そう思うなら初めから戦争など仕掛けなければ良いだけだろう?」
「魔族の指導者である我々魔王も決して一枚岩ではない。
魔の神の下で団結してはいるがその意思は1つではないのだ。
殺戮と享楽に生きる者、だだ力を求める者、盲信的に神を奉じる者、何を考えているのかわからない者も居る。
今回の戦争もただ魔の神からの神託に従っただけなのだ」
「魔の神だと?」
「人間が邪神と呼ぶものだ」
「邪神と言うと300年前、勇者によって封印されたと言われているあの邪神ですか?」
わたしはシルバリエと皇帝陛下の会話に割り込みます。
そろそろ存在感を出していかないと忘れられそうです。
「そうだ。
神は魔族の領域の奥にある神の神殿の玉座に300年間縛られていた。
我々魔王は、その神の指示を受けて行動していたのだ。
しかし、私にはあの神の言葉が魔族に繁栄をもたらすとは、到底思えなかった。
魔の神が……いや、あれは正しく邪神と呼ぶのが相応しいのかも知れんな。
邪神が望んでいるのは世界の破滅だ。
奴の言葉に従えばいずれ魔族は滅びる事になる。
だから私は今回の裏切りを計画した。
人間との戦争を利用して他の魔王の勢力を削った事で邪神の神殿以外は、すでに私の支配下におかれている。
魔族の民はもう人間に害を為すことは無い。
どうか、民の助命頼む」
「…………」
シルバリエの願いに皇帝陛下達は沈黙したままです。
何かを考えているのでしょうか?
「もし、民の安全を約束して貰えるのなら私の首を差し出そう」
おお、すごい覚悟です!
その宣言にはクルスさんとザジさんも驚いています。
あ、ちなみにあの獣人に変身していたのはザジさんでした。
何だか癪なので弄ってあげるつもりはありませんよ。
「………………今すぐに答えを返す訳にはいかん。
だが、我々も無抵抗な民を虐殺する事は避けたい。
少し相談させて欲しい」
「わかった」
シルバリエがリゼさんに視線を送るとリゼさんは剣の柄を指先で軽く叩きました。
それが合図になったかの様にわたし達の拘束が解かれました。
皇帝陛下達は護衛達を残して隣の会議室に移動しました。
広間には魔族組とわたしや各国の護衛、そしてレオさんとシアさんが残されています。
さて、現在のわたしの雇い主である国王様からは魔族の監視と言う指示を受けていますし…………取り敢えずリゼさんから話を聞いてみましょうか。
「おい、ユウ。
計画の事を黙っていて悪かったな。
だが、他の魔王も人間の国に情報源が無い訳じゃ無いからな。
少しでも情報が流れてしまったら多くの魔族が……俺の妹達も魔の神……邪神の破滅の導きに巻き込まれてしまうかも知れなかったんだ」
「…………あ、ザジさん、居たのですか?」
「 ⁉︎ 」
わたしはショックを受けているザジさんを放置するとリゼさんの所に向かうのでした。
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