320 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
125話 キノコの森へ
しおりを挟む
「まさか、リゼッタまで転魔症が発病するとは……」
「おかしいですね?
人間の魔力制御力程度で転魔症が発病する筈はないのですが…………まぁ、リゼさんは規格外ですからね」
「それで、どうする?
やはり俺も一緒にコンジキヤシャタケの採取に……」
「いえ、わたしが1人で行きます。
もし採取中に発病した場合、わたし1人では意識の無いサーリスさんを連れ帰る事は難しいです。
それならわたしが素早く採取に行った方が良いでしょう」
「…………すまない」
「良いのですよ、その代わり約束の報酬をお願いしますよ?」
「ああ、エンシェントドラゴンの血液だったな。
転魔症の治療薬を調合してくれたら、エンシェントドラゴンの1人を紹介する。
血を貰える様に交渉もしよう」
「お願いします」
サーリスさんに描いてもらった地図を見ながら渓谷に近い密林を走ります。
流石にわたし1人では強力な魔物に対処出来ない可能性があるので、マッピングスキルを使い、知らない魔力の反応があれば遠回りして、極力戦闘を回避します。
その為、龍仙境からの距離はあまり遠くない密林でしたが、結構な時間がかかってしまいました。
暗くなると夜行性の魔物が活動を開始するのでそれまでには必要な数のコンジキヤシャタケを確保しておきたいです。
「ん?」
魔物の魔力ですね。
しかし、コレは前に戦った事があります。
ハイオークです。
オークよりも一回りも大きな魔物ですが以前問題なく討伐できました。
このまま進みましょう。
「黒燐」
ハイエルフの里で教わってから毎日訓練を続け、最近では数秒で黒燐を生み出す事が出来る様になって来ました。
「龍装『黒龍戦斧』」
ガサッ!
茂みから飛び出したわたしはその勢いを殺さずに2体のハイオークの首を切り飛ばします。
「フゴッ!!」
「ブブゥゴォ!」
残りは3体、武器は槍が2体と剣が1体です。
「断空!」
刃となった魔力が剣を手にしたハイオークを吹き飛ばします。
「フッフゴッ!!」
腰だめに槍を構えたハイオークが鋭い突きを繰り出します。
「凍てつき 連なれ アイスピラー」
わたしの目の前に創り出された氷の柱に阻まれ、ハイオークの突きが止まります。
ヒュッ!
「フゴッ!!」
突然の痛みにハイオークが悲鳴をあげました。
槍を持つ腕に投げ斧が突き刺さっています。
そして、わたしの投げ斧……烈風の斧は内に秘められていた風属性の魔力を飛び放ちました。
「ブルルルルゥゴ!!!!」
鋭い風の刃でハイオークの腕がズタズタに切り裂かれます。
かろうじて繋がっている様な状態です。
瀕死のハイオークを無視してもう1体のハイオークに迫ります。
「ブブゥ!!」
槍の薙ぎ払いをジャンプで躱し、振り上げた黒龍戦斧を叩きつけます。
槍ごと縦に真っ二つになったハイオークをアイテムボックスしまい、瀕死のハイオークにトドメを刺しました。
2体目のハイオークをアイテムボックスにしまうと危機察知スキルの警鐘が鳴ります。
転がる様にその場を離れると、間髪を入れずハイオークの剣が振るわれました。
剣を持つハイオークは肩からわき腹に掛けて大きな傷があり、かなりの出血をしていますが、興奮しているからか、痛がる素振りは有りません。
しかし、痛みを忘れていたとしても、出血は体力を奪い、傷は体の動きを阻害します。
結果、剣を持ったハイオークも数分と経たずに討伐する事ができました。
ハイオークを数匹討伐し、更に密林を進むと湿気の多い一帯へ到着しました。
ここがサーリスさんが言っていたコンジキヤシャタケがあるかも知れない場所ですか。
周囲にはわたしの背丈よりも大きなキノコや原色のカラフルなキノコなどが沢山生えています。
わたしはコンジキヤシャタケを求めて、キノコの森へ足を踏み入れるのでした。
「おかしいですね?
人間の魔力制御力程度で転魔症が発病する筈はないのですが…………まぁ、リゼさんは規格外ですからね」
「それで、どうする?
やはり俺も一緒にコンジキヤシャタケの採取に……」
「いえ、わたしが1人で行きます。
もし採取中に発病した場合、わたし1人では意識の無いサーリスさんを連れ帰る事は難しいです。
それならわたしが素早く採取に行った方が良いでしょう」
「…………すまない」
「良いのですよ、その代わり約束の報酬をお願いしますよ?」
「ああ、エンシェントドラゴンの血液だったな。
転魔症の治療薬を調合してくれたら、エンシェントドラゴンの1人を紹介する。
血を貰える様に交渉もしよう」
「お願いします」
サーリスさんに描いてもらった地図を見ながら渓谷に近い密林を走ります。
流石にわたし1人では強力な魔物に対処出来ない可能性があるので、マッピングスキルを使い、知らない魔力の反応があれば遠回りして、極力戦闘を回避します。
その為、龍仙境からの距離はあまり遠くない密林でしたが、結構な時間がかかってしまいました。
暗くなると夜行性の魔物が活動を開始するのでそれまでには必要な数のコンジキヤシャタケを確保しておきたいです。
「ん?」
魔物の魔力ですね。
しかし、コレは前に戦った事があります。
ハイオークです。
オークよりも一回りも大きな魔物ですが以前問題なく討伐できました。
このまま進みましょう。
「黒燐」
ハイエルフの里で教わってから毎日訓練を続け、最近では数秒で黒燐を生み出す事が出来る様になって来ました。
「龍装『黒龍戦斧』」
ガサッ!
茂みから飛び出したわたしはその勢いを殺さずに2体のハイオークの首を切り飛ばします。
「フゴッ!!」
「ブブゥゴォ!」
残りは3体、武器は槍が2体と剣が1体です。
「断空!」
刃となった魔力が剣を手にしたハイオークを吹き飛ばします。
「フッフゴッ!!」
腰だめに槍を構えたハイオークが鋭い突きを繰り出します。
「凍てつき 連なれ アイスピラー」
わたしの目の前に創り出された氷の柱に阻まれ、ハイオークの突きが止まります。
ヒュッ!
「フゴッ!!」
突然の痛みにハイオークが悲鳴をあげました。
槍を持つ腕に投げ斧が突き刺さっています。
そして、わたしの投げ斧……烈風の斧は内に秘められていた風属性の魔力を飛び放ちました。
「ブルルルルゥゴ!!!!」
鋭い風の刃でハイオークの腕がズタズタに切り裂かれます。
かろうじて繋がっている様な状態です。
瀕死のハイオークを無視してもう1体のハイオークに迫ります。
「ブブゥ!!」
槍の薙ぎ払いをジャンプで躱し、振り上げた黒龍戦斧を叩きつけます。
槍ごと縦に真っ二つになったハイオークをアイテムボックスしまい、瀕死のハイオークにトドメを刺しました。
2体目のハイオークをアイテムボックスにしまうと危機察知スキルの警鐘が鳴ります。
転がる様にその場を離れると、間髪を入れずハイオークの剣が振るわれました。
剣を持つハイオークは肩からわき腹に掛けて大きな傷があり、かなりの出血をしていますが、興奮しているからか、痛がる素振りは有りません。
しかし、痛みを忘れていたとしても、出血は体力を奪い、傷は体の動きを阻害します。
結果、剣を持ったハイオークも数分と経たずに討伐する事ができました。
ハイオークを数匹討伐し、更に密林を進むと湿気の多い一帯へ到着しました。
ここがサーリスさんが言っていたコンジキヤシャタケがあるかも知れない場所ですか。
周囲にはわたしの背丈よりも大きなキノコや原色のカラフルなキノコなどが沢山生えています。
わたしはコンジキヤシャタケを求めて、キノコの森へ足を踏み入れるのでした。
0
お気に入りに追加
2,349
あなたにおすすめの小説
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍2巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる